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妙な可笑しみと、ニンゲンのやることなすことへのぐりりとした皮肉と。「メアリー」も「蛙のプリンス」も。「眠れる美女」もよく出来てるなあ。
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幻想怪奇たまにユーモア
総毛立つような物語のかずかず。
なに、恐ろしい結末ばかりではない。
人生におけるあれやこれや.....
『よからぬ閃き』はその最たるものだろう。
どうも妻が浮気しているようだと、男はあれこれ考える。
妻の浮気相手も、妻も、二人まとめて葬り去ってやろう。
そう考え夢中になって彼らを亡き者にすべく怪しげな工作を始める。
さてその結末たるや?
まさか個々に着地するとは、著者は「良き閃き」であったようだ。
恋人たちにまつわる物語もまた読書の楽しみを感じさせてくれる。
『メアリー』
豚と男の物語。
愛おしい豚!
大事に育てた豚に身も心も奪われた男。
その彼にとある女が恋をする。
小さな焼きもちは果たして豚好きの男の心を溶かせるのか?
ブラックユーモアが効いている。
『蛙のプリンス』
人は見た目じゃありません、とまるで教訓めいた話......?
いやいや、そんな教訓めいたつまらない結末になるわけがない。
禁じ手のようだが物語に禁じ手などないのかもしれない。
発想の豊かさを感じさせる。
『恋人たちの夜』
甘ーいタイトル、しかし登場するのは天使と悪魔、天国と地獄。
悲愴さもないがべたべたの物語でもない。
軽妙な文体とコメディを見ているようなドタバタ感がおもしろい。
本書の短編はどれも個性的。
恐ろしいものもあるが、どれも驚きに満ちている。
お気に入りはどの世界観?
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その昔(昭和30年代)、「ミステリーゾーン」や「ヒッチコック劇場」といったTVドラマを観ていた人には懐かしいかも知れない。
実際、その時期脚本を提供していた作家たちの作品をよりすぐったアンソロジーである。
今なら「世にも奇妙な物語」が好きな人ならハマるはず。不思議な話が好きな人にはおすすめ。
どんでん返し的結末を予想して読むと少し違うかも知れない。
どちらかと言うと、読後に渇いた笑いといったものを誘う。
短編というのは、そそくさと読み急いだのでは楽しみが半減する。
行間を読む、書かれていないことを頭で補うように読むことでお話がより一層おもしろくなる。
なので、「あれっ」と思って最終行まで来てしまって、「ん?」と思って何度も読みなおしてみることが多い。登場人物の名前もうろ覚えのまま突然お話が終わってしまうのだ。
読み直して「そういうことか!」と理解ってニンマリする。
ドラマだったら、状況や人物の表情しぐさから得た情報などでわかってしまう事も、読むとなるとかなりの集中力が必要。それが短編集なのだと思う。
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初ジョン・コリア。ブラックユーモアが良く利いていて、どれも楽しく読めました。どんでん返し的ではない驚きがあって、犯罪も恋愛も面白かった。