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タイトルがなかなか刺激的ですが、内容はとても真っ当です。第六章のホロヴィッツピアノ物語がたいへん興味深いです。
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やはりピアノの構造的な行が多くて、わからない点も多々あった。
すっとばして読んだけど、もっと音楽をやっている!人でなければ理解不能であることを、感じました。
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なかなか過激なタイトルであるが、要するにショパンが生きていた時代の音を求めた演奏というのが、今のピアノでは出来ないことを、ピアノの構造や現代演奏家がピアノに何を求めているかから丁寧に解き明かしたピアノの構造と音の歴史的変遷解説書。楽器が鳴らないから身体をくねらせり口を開けたりというオーバーアクションでの演奏が増えてきたという著者の指摘はアイザック・スターンの指摘とも重なり、身体を動かして演奏するのが音楽的と感じている諸氏には耳が痛いかも知れないと同時に、演奏家には重い指摘だと思う。
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じつに挑発的なタイトルであるが、世界有数のコンサート・チューナーとしてホロヴィッツのスタンウェイを手に入れてカーネギー・ホールでその鮮やかな音色を蘇らせたこと等、数々の飛びぬけた実績で知られる著者が語るとじつに説得力がある。
著者は幾多のコンサート用スタンウェイを集めてコンサート・ホールや録音スタジオに貸し出すというユニークな会社を経営する現役バリバリの調律師であるが、日本人のピアニストのなかからもその集められた巨匠の時代のピアノの音色をふたたび鮮やかに蘇らせることのできる新しい巨匠が続々と誕生することを願うばかりである。
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昔の楽器と今の楽器ではずいぶん違うという話は以前から聞いたことがありましたが、ピアノがこんなにも違っていたなんて。しかも、あのスタインウェイも、いろいろあるんですね~。
第一章はレコーディングの際のノイズの話。ピアノから出るノイズ、ピアニストが出すノイズ、そして無音と思っていたスタジオから出るノイズ。ピアノの調律、調整の話もとても興味深いです。
第二章、第三章は、クラシック音楽の話。日本の思い込みと勘違いは読み応えあり。近代クラシックとアメリカの関係は一般常識なのかな?
第四章、第五章はピアノの話。私が一番興味深かったのは、第六章「ホロヴィッツピアノ物語」。CD75の音、聴いてみたくなりました。
第七章は、日本のピアノメーカが残したもの。日本の技術の意味を、改めて考えさせられました。
全体を通して感じたことですが、音楽や音の話ですので、文章だけではなく、実際に音を聞き比べて読んでみたいですね。今の技術であれば、紙の本にこだわらなければ、できるはずなんですが…
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ピアノ調律師であり、”良く鳴る”ピアノを演奏家のリクエストに応じて各演奏拠点に貸し出している会社社長でもある筆者の著書。
”調律師”に関して、いかに知らないことが多かったかを知り・可能な範囲で理解できた。
ピアノという”モノ”を直す(正解が限定されている)のではなく、”各ピアニストが表現したい・表現の可能性を探求したい”要求に応えるために、高い技術力、それを支える経験、音と音楽を聞き分ける耳(頭?)、更には、出来ることなら信頼できる人脈までも必要なのだと知った。
ピアノという楽器としての進化が、ここ200年以内に非常に大きかったこと、ピアノ本体が響くことで味のある音を出せるようになること(エージング)、良い音で鳴るようになるまでに数年を要すること、極端を言えばピアノには寿命が無いこと(ストラディバリウスのように修復を繰り返せば)なども面白い話しだった。
また、ピアノの残念な退化(市場の要求に応える形で)につても知った。
いろいろと驚くような事実は、素直に面白かった。
なにより、ピアノが支える音楽の質・奥深さに対する筆者の情熱と愛情が感じられて、気分の良い一冊。