紙の本
仕事って?
2015/03/26 06:34
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投稿者:september - この投稿者のレビュー一覧を見る
サンドイッチ屋さんトロワのリツ君がつむじ風食堂に集まる大人たちに「仕事」について質問していく。いろいろなひとの考えは大切だけど、一番近くにいるひとに気付いているのかな。最後のお父さんの誇らしげな顔が目に浮かぶ。『それからはスープのことばかり考えて暮らした』もはやく読みたい。
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「それからはスープ~」のリツ君、「つむじ風食堂」に通う面々とのスピンオフ。
子供に向けてということだけど、自分に向けて改めて考える。誇りを持ち生きているかな。
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ちくまプリマー新書200冊記念♪にあたる最新刊は、
創刊以来カバーデザインを担当してきたクラフト・エヴィング商會の
吉田篤弘さんによる書き下ろし小説。
<月舟町>三部作『それからはスープのことばかり考えてきた』に
登場するサンドイッチ屋の少年リツくんは、
身近な大人たちがちょっとふわふわした人生を送っているせいで
自分がこの先どう生きていくべきか真剣に悩みはじめている。
そんなとき、となり町のつむじ風食堂にでかけては
居合わせた大人たちに仕事の話を聞くことになる。
第一章は文房具屋と肉屋の話から商店街の元気についても。
第二章は宇宙人の視点も交えて、人間の考えだした最大の発明かもしれない
分業あるいは役割分担(持ちつ持たれつ)の功罪について。
第三章は物の見方やバランスの話。
読者は12歳のリツくんといっしょに
さまざまな仕事や生き方についての意見―その仕事の魅力や自負、
ときに悩みやもっと大きな問題―を知ることができる。
短い時間で読みきれる分量で、正解や結論めいたものはないけれど、
リツくんの年頃のこどもたちが視野を広げ考えを深める一助として
ぜひおすすめしたい物語であり、
また大人が改めて読んでも自分を顧みて前を向くヒントになる。
巻末の長めのあとがきもまた、
私が気に入っているこの新書シリーズの初心をあらためてふりかえる、
心に残る文章だった。
「子供たちに、ひとつだけ伝えるとしたら、あなたは何を伝えますか
それを原稿用紙百枚で書いてください」
これからもこのシリーズが300冊、400冊と続いていきますように。
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あたらしい。
吉田篤弘氏を知ったのがつむじ風食堂の夜だったので、発売予定のタイトルで期待しすぎてしまっていたし、その方向も見当違いだった。
彼の書く文章ならばなんでも読みたいので構わないけれども、肩透かし感がすごい。
時間をおいてもう一度、いつか読もう。
働くことについて、ゆっくり考えたいときに。
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連作のスピンオフ。
その事を知らずに、これだけを読んだので、そこまで面白さが分からなかったのかも。
でも、リツ君が仕事、将来について悩み、模索する姿が少し前の自分にダブって応援したくなった。
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月舟町三部作の番外編。
「それからはスープのことばかり考えて暮らした」に登場するリツ君を主人公に、つむじ風食堂に訪れる大人たちがどのような想いで「仕事」に向かっていくかを手繰っていき、「仕事」とは何かを考える物語。
こども向けということもあり、柔和な語り口で進むが、登場する大人達が語る「仕事像」を読んでいるうちに、自分にとっても仕事とは何かを考えるきっかけになっていった。
そういえば、リツくんの登場する月舟町三部作の第二作「それからはスープのことばかり考えて暮らした」の中でも、次のような文章が登場する。
“どんな職種であれ、それが仕事と呼ばれるものであれば、それはいつでも人の笑顔を目ざしている。”
仕事というレンズを通して目指すべきところは、相手が誰であろうとも、その人の笑顔なのだろう。
だれかに喜んでもらう、だれかの暮らしを豊かにする、誰かを元気にする。
働く事が義務である、と言ってしまうから、仕事が妙に重く感じてしまうが、誰かを幸せにするためにあるのが仕事である、と考えたら、途端に仕事というものがゆたかなものに思えてくる。
果たしてリツくんは、大人たちから得た仕事像から、どのような「自分の仕事」を見つけ出すのだろう。
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なぜ、新書で?と思ったんですが、あとがきを読んで納得しました。
値段の割りにボリュームは物足りない感じでしたが、
久々に月舟町の雰囲気に触れられたという点はよかったです。
三部作の新刊が出る前に、既刊二作を読み返したくなりました。(^^
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月舟町3部作スピンオフ。
「それからはスープ・・・」のリツ君が、「つむじ風食堂」で大人たちに仕事について聞きながら、仕事を考える、というあとがき曰く、「子どもに何を伝えたいか」をモットーにしたブリマー文庫」の原点にかえった短編。
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『それからはスープのことばかり考えて暮らした』に登場したリツ君。
自分の将来のことについてちょっぴり考えるために路面電車で向かった先は、お隣の月船町のつむじ風食堂だった。
そこで出会った大人たちと、リツ君の紡ぎ出す温かなストーリー。
2013年8月13日読了。
私の大好きな『それからはスープのことばかり考えて暮らした』と『つむじ風食堂の夜』のスピンオフ作品。
読んでいるだけで、ほっこり幸せで、でもちょっぴりせつなくて……という気分になれる吉田篤弘節大全開の作品です。
あとがきに月船町三部作としての最終作がもう少しで発売になるとありましたかわ、この月船町シリーズは大人のための童話、という雰囲気がとても好きです。
いずれ、リツ君が大人になってからのお話……なんてのもありえるのかな?
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将来が気になり始めた少年少女たちに、読んで欲しい。でも、『大人って、勝手なことばかりいうもんだな、フーン…』ぐらいで受け止めてくれていいよ、って伝えてくれている本かな。押し付けがましくないのが、いいな〜
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やっぱり吉田篤弘さんが好きだ。
そして、この優しいタッチが好きだと思った。
吉田篤弘さんの本はクラフトエヴィング商會名義のものでも、この人は天才だと思わせるアイディアの本が沢山あって、驚かされることも沢山あるけれど、自分はこの「つむじ風食堂と僕」や、同じシリーズの「それからはスープのことばかり考えて暮らした」のホッとできる感じがすごく好きだ。
本の内容としては、「それからはスープの〜」に登場したリツ君が、つむじ風食堂で出会う様々な大人に仕事について尋ねるというもの。
大人達はそれぞれ自分の役割を意識して、誇りをもって仕事をしている。中にはやりたくないことをやっている人もいるけれど、それでもその人はその人で役割がある。
力を合わせるとはちょっと違う、役割分担が世の中では当たり前のように、暗黙のうちにできている。
この本を読んで自分も役割を担っているんだなーと思ったのと同時に、もっと自分の仕事をしたいと思った。
自分の仕事を持って、この話の中の商店街の人々のように生きたいと思った。
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この本は、自分の「将来」(しごと)というものについて考え始める年頃の少年少女に是非とも読んで欲しい一冊です。
この本を読んで、正解なんてものはないし、いろいろな考え方があって、それでいいんだよ、ってことを知ってくれたら嬉しいな。
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ちょっと長い絵本のような小説。
この本で一番良かったのはあとがきでしたw
「子供たちに、ひとつだけ伝えるとしたら、あなたは何を伝えますか」
それがプリマー新書の基本だったようです。
松田哲夫さん(王様のブランチでブックコーナーを担当してらした松田さんです)が楽しげに企画したようです。
私だったら何を伝えるかな…
健康でいて。
そして他の桜より遅く咲くのを嘆いている八重桜の話。
遅く咲いても 鳥や虫は来てくれる
だから
自然にまかせて 自分の咲く時に
咲けばそれでいい
いつまでも憶え続けているステキなお話。
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ブクログの談話室で教えて貰った本。クラフト・エヴィング商會名義の作品もある著者の月舟町にまつわる作品。所謂、スピンオフ作品。しかも意表をついてのちくまプリマー新書。
「それからスープのことばから考えて暮らした」で登場する小学生、リツ君が隣町にあるつむじ風食堂に通って大人たちと話をする。「それからはスープのこと~」と「つむじ風食堂」を繋ぐ物語になっているのが嬉しい。
仕事とか生き方とかいろんな大人がリツ君に話し、リツ君が彼なりに考える。登場する大人の自問自答のような部分もありますが、総じて美的感覚を持って自分の仕事を語っているようで、スラスラ読みやすい物語でした。
あれ、もう終わりという短さですが、そのあとのあとがきを含めて、ほっこりした読書ができました。
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「それからはスープのことばかり考えて暮らした」で登場した
サンドイッチ屋さん「トロワ」の一人息子リツ君が主人公のお話。
タイトルは「つむじ風食堂と僕」ですが、内容はつむじ風食堂とはあまり関係がなくて、テーマは"仕事について"。
将来の仕事について考えているリツ君は、食堂でお客さんに
「あなたの仕事は何ですか?」と尋ねてみる。
帽子屋さんや果物屋さんのお兄さんなど、おなじみのメンツが出てくる。
それぞれ自分の仕事や仕事観について語っている。
(と言っても作者が実際その仕事をやったことがあって書いているわけではないから、お仕事小説に分類するのは違うと思う。)
『僕がこれまでに読んできた物語を思い出すと、主人公は大事なことを考えなければならない時に、自分の住んでいる町を離れて海を見に行ったり、森の奥にある自分だけが知っている場所に出かけていった。それが出来ないときは、押し入れの中に隠れたりする。そして、考える。』
たしかに。
ふらっと知らない場所に行くのもいいけれど、そんなに遠くなく、思い付いたときに行ける範囲でこういう場所をみんな持っておいた方がいいよね。