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前作『青い脂』に負けず劣らずのハイテンション。
終盤の風呂の描写が色々な意味で凄かったw
えんやさ! えんやさ!
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着信音がムチ打ち音と悲鳴、裏切り者と決めつけられた者達への暴行…と国家のために働く親衛隊士の生活は忙しい。伝統の飲み物や食べ物を食べちらかし美しい車には残虐の印をつけてこれみよがしに疾走。快楽や秘密取引。美しいアクアリウムや天眼女。未来の設定でも大昔から変わらないある国の一部の話。ヨーロッパとは疎遠になりつつ中国にじわじわ蝕まれていて不安だけど…燃えろ!光れ!えんやさ!下半身と痛みで行動するのだ!蒸し風呂の部分にはやられました…色々すごいです。
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現代ロシアの小説は初めて読んだ。かなり独特な読書感。柳下毅一郎氏がしたためた帯には「燃えろ、陰嚢!光れ、玉茎!ソローキン、四界に敵なし!」とある。
舞台は2028年のロシア、復活した帝国に仕える親衛隊士〈オプリーチニク〉たちの物語。
ロシアのさまざまな作家の作品や詩を示唆する作中作が登場し、いかつい男同士の集団トリップが描かれ、折に触れて登場する中国。
何と言うか、身も蓋もない言い方をすれば、わからないけど面白い。
ソローキンはという作家はTwitter文学賞を獲得した『青い脂』で知って、今回本作を買ってみた。『青い脂』は未読なので、文章ににじむ怪しい雰囲気に親しもうかと。
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あれ?なんだか読みやすい。「青い脂」をウンウン唸りながら読んだのに比べると、ではあるけれど。天の邪鬼だなあとは思うが、こうなるとかえってありがたみが減るような…。
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これがソローキン?......思ったより、普通? もうちょい歩み寄ってくれてもええんやでとーもいながら、これといった到達点もなく、バウムクーヘンみたいに均一な、ある意味律儀さがつづく世界に、ずぶずぶと。(背景がいまひとつわかっていない分よけい)途中ちょっと飽きてきた感じもありつつ、A:「牛の乳は飲んではならん。牛の脂だけを食べよ。なぜかわかるか?」B:わかるわけないだろうが、くそったれ……。の会話が、妙にツボにはまってしまった初めてのソローキン。他の作品がどうなっているのか気になる。
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ニュースを見聞きする度に予想はしていたことだけれど、『青い脂』から7年、ソローキンにある意味これだけ直截的な作品を書かせるほどロシアは大変な事になっているのかというのが一読後の正直な感想。
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語り手すなわち主人公に据えられるのがエエモンかワルイモンかといえば、決してエエモンではない。
また好きになれるか嫌悪してしまうかといえば、好きになれるとはいえない。
しかし「時計じかけのオレンジ」のアレックスにどうしても肩入れしてしまうように、いつの間にか引き込まれている。
(ほかに連想されるのは「1984年」「華氏451」「未来世紀ブラジル」など。)
ストーリー云々いう作品ではないだろう。ただオプリーチニクの代表的な一日を追うだけだから。
着信音が鞭打ちと叫びの録音、車には犬の首をくくりつけて、チョウザメの泳ぐ幻覚薬、
といったガジェットの面白さ。
そしてホモソーシャルな仲間の連帯、が、本当に肉体もつながってしまう蒸し風呂の場面!
といった人のあり方の面白さ。
語り手は女性蔑視が強いが、自宅に住まわせる愛人へも、お后へも、愛憎入り混じっている様子。
このあたりを振り返りながら再読してもいいかも。
それにしてもロシアの作家って、「ロシア的人物を描く」のが好きだね。
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はじめてのソローキン。印象としては日本国内で言うと町田康「パンク侍、斬られて候」や村上龍「昭和歌謡大全集」のような感じかな。近未来のロシア親衛隊士の様子を描いていて多くは、皮肉や揶揄、諷刺なのだろうけれど外国人には、そうなのだろうなと思う程度でそこの会心性は非現代ロシア人にはわかりにくい。が、それを抜いても面白い。ノーマルな範疇に退屈を感じてきた人向けだけどこれはこれで面白いと思う。
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皆今まで、ソローキンの世界に憧れ、陶酔してきたとは思うが、共感という意味では難しい物があって、コロナという殺人兵器がばらまかれ、人間の尊厳、命の重さなど、今まで日本人が軽視してきた物がせりあがり、ノンフィクションがフィクションの仮面を被り、何だか今の時代は、ソローキンの差し出している見えていなかった部品が、ありかだけでも見えてきたように思う。その正体は宇宙人と闘うための能力なのかなー。
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専制政治が復活した近未来のロシア、親衛隊の性と暴力に満ちた一日をユーモアたっぷりに描く。非常に露悪的で冒涜的な内容だが、風刺が効いておりロシア男性の精神性を喝破している。文学という言葉の想像力を駆使した芸術でこそ味わえる背徳的小説。
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帝政となり、恐怖政治の専制国家・警察国家となった近未来のロシアを描くディストピア小説。ウクライナを侵略し、プーチン大統領が支配するロシア連邦も似たようなものである。むしろロシア連邦の本質を戯画化した小説と言えるだろう。