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38歳という若さで亡くなったチャールズ・ボーモントの短編集。恐怖小説とSF小説の2方面から選ばれた13の短編。
いちばん面白かったのは「変身処置The beautiful people」。まだ見ぬ未来社会の恐怖を感じさせ、「時計じかけのオレンジ」みたいなニュアンスを感じた。
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「血の兄弟」「悪魔が来たりてー?」「幽霊の3/3」あたりが手堅い感じ。ヘレン・マクロイにも「幽霊の2/3」ってあったよね。
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ミステリ、SF、ファンタジーとさまざまなジャンルを含む短篇集。「1」のジョン・コリアとまたちがって、後味が悪いところが効いてくる。「変身処置」とか「秘密結社SPOL」とか「悪魔が来たりて――?」とかいいですねえ。各篇の扉の文が果たしている役割も大きい。著者紹介をみてしんみり。67年に38歳で亡くなったのか……。
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浅き夢見し、の後は現実がやってくるのだろうか?
もしかしたら夢を見ていたほうがまだマシだったかもしれない。
『フリッチェン』
モンスターペアレントとはこのことか?
ママ、ママ、助けて。
幼子が泣いている様子を見ると、母は居ても立っても居られない。
私の可愛い坊やを、よくも.....!!!!
親が子を思う心はとてつもなく大きい。
絶望的に。
『変身処置』
私は決して美しくはない。
だが、私は私。
完璧に整った顔、体、同じ考え、心。
同じように生産され、同じように考える。
それが人々の行き着く先だとしたら、一体人が人である意味などあるのだろうか?
NHKの「NEXT WORLD」ではそんな未来が30年後にはやってくるかもしれない、と匂わせていた。
それは幸せになれるのだろうか?
技術の行き着く先に「人」は存在するのだろうか?
『終油の秘蹟』
遠い未来、あるいは少し先の未来。
人間とは何か、とその老人は考える。
今まであった嬉しいこと、楽しいこと、その全てが実は膨大なデータで、湧き上がる感情は「まがい物」。
どこをみて、人は人だと言えるのか?
血を流したら、感情があったら?
一部が機械であっても人間なら、逆にほとんどが機械であったら?
手塚治虫の『火の鳥』に登場するロビタの悩みと同じものをこの登場人物たちは抱えている。
生きることの意味とはなんだろう?
静謐さの中に全ての感情を含んだ物語だ。
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1950年60年代を彷彿とさせる短編集。
現代に生きる、ちょっとしたSFやミステリー小説好きなものにとっては、どこかで出会い、考察したことのあるようなテーマばかり。故に目新しい物はない。
しかし、これらが書かれた時代を考慮すると「先人」の一人であることは容易にわかる。彼らがあって今があるのだと。
翻訳モノであるためだろうか、オチがわかりづらかったり、表現や感性に疑問符が多々つくので機会があれば原文で読んでみるのがいいだろう。
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SF要素の強い話が多いけど、読みやすい。ちょっとゾクッとする話も。
*収録作品
「血の兄弟」「とむらいの唄」「トロイメライ」「悪魔が来たりてーー?」「幽霊の3/3」「秘密結社SPOL」「殺人者たち」「フリッチェン」「集合場所」「エレジー」「変身処置」「老人と森」「給油の秘蹟」
自分が処刑されればこの世界は消えると訴える男の話「トロイメライ」、退屈している金持ちのボンボン2人が見知らぬ男を殺して完全犯罪を目論み、浮浪者風の男を家に招き入れる「殺人者たち」、成年になると完全美容整形(不老化)が行われることで美男美女ばかりの未来世界に疑問を持つヒロイン「変身処置」の3作品が面白かった。
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面白かったぁ。ホラーあり、スリラーあり、SFあり。ゾっとするもの、不気味なもの、ニヤリとさせられるもの、ホロリとさせられるもの。いろんな読後感が味わえ、楽しかったです。この贅沢な短編集シリーズ、早く続きが出ないかなぁー。楽しみだぁ。