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ケネディ大統領の会話は録音されていたそうだ。陰謀ではなく、大統領がシークレットサービスに録音機器の設置を指示した。
そのテープを起こした本。シビアな政治の会話から、けっこう和むようなお話、大統領のひとりごとというか回顧録用の個人的な後述記録まで。
なるほどさすがアメリカ大統領、ちゃんと仕事してるじゃない、と感じた。ジョークも出てくるが、これも仕事のうちか。
序文はキャロライン・ケネディが書いている。彼女は幼いころに執務室に出入りしていたそうで、机の下に隠れたり、逆立ちしたり、なんて写真が出ている。彼女にとって、当時はろくに理解できなかったが、これらのテープの存在は力を与えてくれたものだ、と語っている。
キューバ危機のミーティングの冒頭は、「パパ」「キャロライン、あとだ、あとにしてくれるかい」なんていうところから始まる。いいのかなこんなミーティングに娘がいても。
僕はケネディに対して特別な感情もないので、肉声CDも含めて好奇心以上の気持ちはなかなかわかないが、アメリカではこれは特別な、貴重なものとして扱われているのだろうか、多分そうだろうな。でも、ケネディ云々を抜きにして、政治(は、政治家、という意味だけでなくバランス・オブ・パワーとしての)の勉強になる。