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紙の本

6本足の天使たちの集合知性

2013/10/23 18:32

2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。

投稿者:asaba - この投稿者のレビュー一覧を見る

ミツバチ研究の泰斗、コーネル大学生物学教授トーマス・D・シーリー氏の3冊目の邦訳。
 巣分かれ時の引越し(分蜂)時の行動を通して、いかにミツバチがコロニーとして最適な結果を得るため、多数の選択肢の中から全体の合意に達する選択を、あたかも民主主義的な投票のように行っていくかを詳細に解き明かしている。
 ミツバチが巣内をクルクル回りながら尻振りダンスをすることで、仲間に花畑までの距離と太陽基準の方角を伝えていることを1944年に明らかにしノーベル賞を受賞したカール・フォン・フリッシュ。そのフリッシュの最も優れた弟子であるマルティン・リンダウアーは、1949年春に観察していた分蜂群の何匹かが、花粉などとは違う埃を付けているのに気が付いた。顕微鏡で確認すると、煤やレンガの粉、土など明らかに新しい巣作りの場所を偵察に行っていると思しき埃であった。
 毎年5~7月、新女王が羽化する直前の時期、母・女王は新女王に巣を譲り渡せるようにコロニーの約2/3(1万数千匹)を引き連れて、新しい巣作りに向かう。
 分蜂群と呼ばれるこの集団は、しばらく手近な木の枝などに群れてかたまり【蜂球】という状態になって、数時間から数日を過ごす。
 埃のついたハチたちは、不活発な状態でかたまっている蜂球の表面を走り回り、飛んで帰ってきては、盛んに尻振りダンスを披露していた。偵察に行った【探索バチ】が、それぞれのお薦めの場所を伝えているらしいのだ。
 不思議なことに、最初は一匹一匹、テンでバラバラな場所を推薦していたダンサーたちは、やがて徐々に同じ場所を示すようになっていき、最後に全員が一致した動きで合意に達したとき、分蜂群全員が一斉に飛び立ちまっすぐに新営巣地に向かったのだ。
 それを追いかけて観察し確認したリンダウアーであったが、その合意に至るプロセスや集団を誘導するメカニズムなど、当時は推測で語るしかなかった。
 1974年にハーバード大学大学院に入学した著者は、そこでリンダウアーがこの論文を書いてから20年近く経っているのに、以後深く掘り下げた研究者が誰もいないことを知って自分の研究テーマとすると、さっそく自然状態のミツバチたちが最も快適と感じる営巣場所の調査に取り掛かかり、分蜂群が必ず選んでくれるミツバチにとって理想的な巣箱を作れるようになる。
 それを元に、以降は前著『ミツバチの知恵』でも示された、スマートでシャープなシーリー氏による各行動の要因を突き止める巧みな分離検証実験を、一つ一つの段階で繰り返して行くこととなる。 
 最終的に新営巣地に【探索バチ】がコロニーを具体的にどうやって誘導してゆくかの詳細が判明したのは、デジタル機器が進歩して、群れとなって飛ぶ分蜂の一匹一匹を判別して追跡調査できるようになった21世紀になってからのこと。
 巣分けの旅立ちから新営巣地への到着まで、一連の分蜂行動を詳しく解明した本書。そのクライマックスは、やはり複数の選択肢の中から、どうやって最善の場所を選び全体の合意に至るのか? という部分。
 ミツバチの生得的なコミュニケーションリンク(いわいる本能)が、いかに巧妙に出来ており、コロニーの繁栄を最大の目的とする各個体が無自覚的にふるまっているだけで、結果として極めて民主的な合意の形成を行うプロセスを行って、しかも全体として高度な思考判断による意思決定まで果たしてしまっていたのだから。
 そしてこのミツバチコロニーによるプロセスは、我々ヒトが意思決定をする時の大脳の働きと相似であり、行動選択の最適化が進化によって収斂したという凄さに感動させられてしまった。

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2013/11/11 14:09

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2013/11/28 23:21

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2014/04/28 22:41

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2014/08/11 21:39

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2014/09/28 19:36

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2020/07/15 18:27

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