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紙の本
シリーズ4冊の中で最も面白く盛り上がる
2016/11/29 22:36
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:melon - この投稿者のレビュー一覧を見る
これまで敵対していた鷲津、芝野、飯島。この3者が各々の利害のために手を結ぶといったことは、なりふり構わず自国を存続させ強大にしようとしていた、過去の王朝、歴史のようだ。まさに経済戦争なのだろう。
2上において、政府が民間企業の再生に関わると経済の新陳代謝がうまくいかずに、淘汰されるべき企業や事業が無理に生き残り歪みが生じるのだと感じた。しかしこの2下において、国防に関する技術の流出は絶対に避けなければならず、そのための政府系ファンドは必要であることを感じた。つまり例外があると感じさせるこの構成はよくできたものである。
これまでの買収先の経営者は、ミカドホテルの旧経営陣、えびす屋創業者、太陽製菓、鈴紡などいずれも私欲的な存在ばかりであった。その中で今回敵となってしまったシャインの滝本は自社の従業員の幸福のため、他社を犠牲にしてでものし上がるという会社にとっては理想的な経営者であった。この小説では特異な存在であり、魅力的に映った。
またビジネスだけでなく、これまで圧倒的強さを誇っていた鷲津の弱さを表現している箇所も目立った。リンが去り、アランが逝き、サムも離れて俺はやっていけるのかと述懐したり、貴子の前で泣きそうになったり。これまで以上に鷲津が魅力的に感じられる。
その一方で評価を下げざるを得ない部分もあったといえる。それはプラザという敵役をここまで悪として描く必要があったのかということだ。情報収集を行い、日本の軍事技術を奪おうとする。それは日本にとって悪である。このような描き方であったと仮定して、説得性もあり、不自然なところもなく、鷲津を応援したくなる気持ちを読者に芽生えさせることができるだろう。つまり、この程度の悪で、悪役の条件として十分なのである。
はっきりいって2上の冒頭部にあるような人を平気で殺害し、アルコール依存症の妻を抱える芝野の自宅に酒を送りつけて人の健康を害するといった非人道的な存在であることを描く必要などどこにも無かったはずだ。
必要以上の悪に仕立て上げ、勧善懲悪として物語を作成することに何の意味があったのか。この点は残念でならない。
ただ、面白く読め、十分に楽しませてくれた4冊であった。
紙の本
チーム鷲津
2016/02/21 17:51
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投稿者:マー君 - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホライゾンキャピタルをクビになり、多額の退職金を捨ててまでも己れの信じる正義を貫く鷲津。リンもまた志を同じくする。
ビジネスに勝つには数字に裏付けられたロジックが無ければならないが、ビジネスは人によるものでありその人の情熱無しに達成は叶わない。
ここに志を同じくしたチーム鷲津結成。
本作品ではミサイル迎撃に応用する為ミリ波の技術をめぐって買収合戦が繰り広げられるか、ミリ波の技術が今車の自動運転に用いられ始めている。
真山氏の慧眼に感服。
紙の本
面白すぎる
2015/08/24 23:46
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投稿者:paguapgu - この投稿者のレビュー一覧を見る
登場人物が魅力的過ぎて、難しい経済用語なども気にならずに読み進められた。ラストの鷲津と松平貴子のシーンが切なすぎる。
電子書籍
小説は小説で面白いです
2017/09/20 12:19
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投稿者:こぶーふ - この投稿者のレビュー一覧を見る
連ドラの終盤に出てきた話はこれをベースにしているのかと思います。ドラマであった株主総会のような話はありませんが、それでも面白いです。最後に、経費を使い込んでクビになったおまぬけサラリーマンが小ネタのように出てくるのがドラマにはない面白さでした。