紙の本
かの有名なヒッグス粒子がどのようにして生まれたのか、その背景がわかる貴重な一冊です!
2020/02/05 12:58
2人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:ちこ - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書は、高品質の難解な科学的知識を分かり易く教えてくれることで大好評の「ブルーバックス」シリーズの一冊で、同巻は、かの有名なヒッグス粒子誕生の秘密を解き明かした科学書です。1964年にピーター・ヒッグスが提唱した「ヒッグス粒子」理論は、これまでの物理学を根底から覆す発見として有名ですが、それはどのようにして生まれたのでしょうか。実は、それは、光さえ存在しない真っ暗闇の「無の世界」において無数の粒子たちが生成と消滅を繰り返しているという発想から生まれたと著者は言います。それはまさに真空の世界から生まれたのです。同書は、ヒッグス粒子の生まれた背景を一つひとつ丁寧に理解できる画期的な読み物です!
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ヒッグス機構とヒッグス場、ヒッグス粒子の違い、質量の起源などを真空を切り口に段階を追って丁寧に説明した本。量子力学を学んでいると本書の記述はより正確に理解できるだろうが、分からないとなんとなく煙に巻かれた感じになるかもしれない。
・場と仮想粒子
・場の振動と実粒子の発生
・現在の宇宙ではヒッグス粒子は存在しないが、ヒッグス場は存在する
・パートンと電子の衝突によって、1968年、クォークとグルーオンの実在が証明された。
・物質の割合
・電荷、色荷、弱荷、質量
・不確定性原理と仮想粒子。ゲージ場
・反粒子はマイナスエネルギー。相対性理論から。
・ゲージ粒子が質量をもつと対称性が破れる。
・アイソスピン。陽子と中性子
・スピン角運動量はエイチバーの整数倍がボーズ粒子、2で割った値はフェルミ粒子
・弱アイソスピンのZ成分が弱荷。クォークもレプトンも持っている。
・温度と相転移
・ヒッグス場はスカラー場で、発生源のない場
・ヒッグス粒子は4種類?
・弱荷を持たない光子とグルーオンだけがヒッグス場とは作用せず、質量ゼロ。
・クォークの質量の内訳
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最新の理論物理学では、真空はからっぽの空間ではなく、絶えず揺らぎにより仮想粒子が発生する空間である。最新の素粒子物理学をできるだけわかりやすくという著者の意図が伝わる好著。
ヒッグス粒子の発見により注目を浴びてはいるが、やはり直感的理解が難しい。
ただ、自発的対称性の破れによる真空の相転移、そこから質量が生じる過程については、すこしだけそのイメージを持つことができた。
それにしても不思議な世界だと思うとともに、そのことを解明し、その先に進めていることについても畏敬の念を感じる。
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「質量の起源」と「宇宙の進化」に不可欠な「真空のエネルギー」。ヒッグス粒子誕生の秘密からカシミール効果まで、謎めく空間のふしぎを解明。
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真空に起きた自発的対称性のやぶれから素粒子が質量を獲得する。真空が単に何もない空間ではなくエネルギーの揺らぎを発生させる空間であることをわかりやすく説明する。しかし、後半に話が進むとだんだんと頭が混乱してくるな。
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『真空』というタイトルだけ見て買うと痛い目を見る典型的な本です。実験屋さんだと装置の真空を思い浮かべるかもしれませんが、本書はバリバリの素粒子の本です。
非常にわかりやすく、かつ数式を使わずによくここまで素粒子を説明できるなと感心します。著者のからくりシリーズは当たり外れがありますが、これは当たりです。
大学は理系だったけど、素粒子に興味がある人は多分読めます。そうでない人はちょっと難しいかもしれません。この本だけではないですが、素粒子の啓蒙書は一般向けと言われててもやはり難しいです。
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https://elib.maruzen.co.jp/elib/html/BookDetail/Id/3000057344