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非常に重い辛い話だった。
ハンセン病を患った人たちが、昔、隔離され差別を受けていたという程度の認識しかなく、そのあまりの残酷な境遇に胸が痛くなった。
実際にあった出来事をモデルにしたフィクションとあるが、これがフィクションなのは、実際はこれよりもっと酷くとても小説には書けないためだろうかと思った。
最後にほんの一筋の光が見えたのが救い。
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ハンセン病が、主に見た目から忌み嫌われ隔離されていた過去があることは少しだけ知っていたが、こうして目の当たりに突きつけられるとあまりに壮絶で言葉が出ない。
その当時に私が村人だったら、自分の子供などに感染することを恐れて絶対に近づかなかっただろう(多分それ以上の行動にでたかも)。
しかし、その裏で患者たちがひとり孤独に(親にまで疎まれ)病気と向き合っていたことには、全く思い至ることができなかった。
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石井光太初のフィクション。
とは言え、語り口はノンフィクション仕込み。リアリティーある描写が読者を追い詰める。
フィクションを越えるノンフィクションを多く著している著者ならではの迫力ある小説。すごい。
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ハンセン病に冒されて周囲のひどい偏見や差別を受け、村人の目に触れないように隠れるように暮らさなければならなかった人々。
ようやく薬も出回り始めていたというのに、人目につかぬよう生活していたから、そのことを知らないし手に入れることもできない。薬だけではなく、正しい情報もチャンスも何もかも本当にそれを必要としている弱い立場の人たちの目の前を素通りしてしまう。
そういうケースはいっぱいあったんだろうと思うとやりきれない。
それにしても村人たちの先頭に立って、率先して彼らをいじめ抜いた育造や上岡仁や野村二郎は、言葉は悪いけど「クズ」です。ハンセン病の平次も可哀想な身の上だった故で根っからの悪人じゃないとはいえ、だから何?同じ患者にひどいことをしても許されるのか?
話は変わるけれど、人前でもブラのズレが気になる婦人警官の美波さん。きっとサイズが合っていないんだと思います。デザイン重視するのではなく、ちゃんと採寸して身体に合うものを選んだ方がいいですよ。
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ハンセン病と家族への愛、奥深いお遍路の山間の村に隠された闇と欲にまみれた大人たち、貧困と偏見がもたらすこれでもかっていうぐらい重い悲劇、本当に考えさせられ感動させられる物語。
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ハンセン病に対する差別の歴史が、これ程だったのかと…愕然とし、やりきれなくなる。フィクションとはいえ、事実を元に描かれた内容は重く、辛く、哀しい。泣きながら、一気に読みました。
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ボクは完全に舐めていました。
ハンセン病をテーマとする本書は、訴訟の終結により、その歴史や差別を追うだけのものだと思って読み始めましたが、衝撃を受ける内容でした。
フィクションとはいっても、生々しい描写で、読み進めるのは苦痛でしたが、本書を読み終えたことで、ボクはどん底とも言える人の人生があることを知りました。
また、そういう中でも生き続ける人のたくましさを知ることができました。
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最後のページ著者の言葉“日本にあったハンセン病や精神障害を抱える人々に対する差別をフィクションとして描いたものです。”
ハンセン病について取り上げた小説を読むのは二冊目だが、こちらは過去の出来事がかなり書かれていて、読むのが本当に辛かった。
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ハンセン病によって、わずか60年前までこれほどの暴力、迫害、差別があったとは知らなかった。訴訟で救われた人がニュースで取り上げられる人もいるけどこういう人って、ホント一握りなんだなぁ。
作者の話の、構成力にはスゴイの一言です。
最後のエピローグで泣かされました。
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2014.4.3読了。素晴らしかった!!初の小説らしいが...。今年一番?と早くも思ってしまう。ハンセン病について、ほとんど知らなかったけれど。
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これは、ノンフィクションではない。
しかし、この物語の根底に流れているのは、丹念な調査、取材に基づく真実。
著者は、その真実のあまりの過酷さに、作品をフィクションとして書くことを選んだのだと思う。
単純に、本書を推理小説として読むことはできない。
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社会はミステリー。石井氏の本はこれが初めてだけどミステリーというよりも差別のひどさが伝わってくる。
ノンフィクションだけど実際にこういうことはあったんじゃないだろうか。暴行の場面は本当に怖かったけど話の進め方が過去・現代と章が分かれていて読みやすくおもしろかった。ラストは一応ハッピーエンドで良かった。最終章ですべてのひっかかりを解いてくれた。
前半は黒婆の登場でホラー的なものかと思ったけどそんなことはなかった。すべては人間が犯した恐ろしい出来事。
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ハンセン病について詳しくは知らなかった。どんな病気でも研究され解明されていなければ、容易にどんな時代でもこうい迫害は起こりうるだろう。
石井光太は注目の作家だ。
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読み進むにつれ、気持ちが重くなっていく辛い本です。ハンセン病への偏見、知的障害者への偏見・・・。子供の頃近所にいたおばあさん、今思えばハンセン病だったんだなぁ。
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重い内容ですが、読むのが止まらず、です。
ハンセン病。よく知らないけど、こんな偏見による差別って、昔はこんなひどいものだったのかと、ただただ驚き。
プロローグが、どこかで繋がってるのかと思いながら読んでいたけど、最後に、あぁぁここで!と涙がぽろぽろでした。
子供の頃の乙彦と、大人になってからの乙彦が、あまりに繋がらなさすぎたけど、最後あたりで、やっと、同じ人なんだと、ぐぐっときた。
この人の本、もっと読んでみたい。