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【由来】
・honz。ダイヤモンドの佐藤優書評でも。
【期待したもの】
・中国についての理解。インタビューならサラリと読めるかな。
【ノート】
・中国の体制側にいる人や体制の反対側にいる人たち19人へのインタビュー集。中国にも、ちゃんと事態を冷静に見て、考えて、発信する人がいるという、当たり前のことを伝えてくれる本。昨今の報道にノせられて、中国の反日攻勢に辟易していた自分には、それだけのことでも貴重な視点だった。考えてみれば「中国で大規模な反日デモがあった」というのはニュースとして報道しやすいが、そんな反日デモを、体制側の結構な地位にいる人が憂慮を表明したところで、それがニュースとして報道されるわけではない。結果として、ネガティヴでセンセーショナルな出来事だけがニュースとして報道され、それに接している我々の視点も、バイアスがかかってきてしまう。本書を読むことによって、そんなバイアスを確認できたのは幸いだったが、読まなかったら、バイアスがかかったままだったんだろうな。
・とは言っても、こんな理知的だったり開明的だったりする人たちが政府の高いポジションにいても、だからと言ってすぐに体制や他国との関係性が変わるわけではない。そして、それは日本でも同じこと。
・インタビューの1つ1つは、それほど長くないのでサックリと読めそうなもんなんだが、なぜか意外と読み進めるのに時間がかかった。