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名著にして大著である。今現在においては当然として、ひょっとすると今年最も楽しんだ一冊になる可能性すらある。
克明に描かれたペップさんの姿は、知っているところも知らないところも深く掘り下げられたものだった。その筆致は冷静だが、しかしエモーショナルでもある。
構成も良い。ファーガソン監督の寄稿による前書きと、それに対する返答から始まり、ペップさんの勇退を入り口に展開される自伝は、小説のように一つの世界へと読者を引き込んでくれる。
翻訳も抜群に良かった。著者はメッシの伝記も出しているそうだし、この翻訳者のお二方で是非とも出してほしい。必ず買う。
惜しむらくは初版では誤字脱字が散見されるところぐらいで、これも二版からは修正されるだろう。
本当に楽しい読書だった。この出版に感謝したい。
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充実した内容でペップの人物像を描き出している。今のバイエルンのペップにつながるストーリーとしても楽しめたが、これからの仕事を見る上でも読んでよかったと思えた。
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総ページ500ページを超えるけど、あっという間に読み終えてしまった。
華やかだった4年間の裏側に、あれ程までの苦悩があったとは…
しかしクレとして、ペップを愛するものとして、いつかまたバルサで指揮をとって貰いたいと思っている。
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グアルディオラは本当に慎み深い人物だ。モウリーニョとの争いは本当に消耗したようだ。メッシとの関係悪化を恐れてもいたようだ
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現在はスペイン王国の領土になっているが、バスク地方と並んで独立運動がさかんなカタルーニャ地方。この地が生んだ有名人というと、私たちは誰を思い浮かべるだろうか? やはり建築家のアントニ・ガウディか、アンフォルメル派の画家アントニ・タピエスか。ウォン・カーウァイも自作でさかんに使用するルンバ音楽の巨匠チャビエル・クガットか、それとも、世界最高の料理人といわれる元「エル・ブリ」のフェラン・アドリアであろうか? と、ここでひとつの名前が浮上しないわけにはいかない。FCバルセロナの名プレーヤーにして、監督を一昨シーズンまでつとめた愛称ペップ、つまりジュゼップ・グアルディオラである。彼は現代カタルーニャにとって、ガウディを超越するアイコンである。
「Number」誌(文藝春秋)の編集をフリーランスで担当されている田邊雅之さんの監訳による『知られざるペップ・グアルディオラ サッカーを進化させた若き名将の肖像』(FromOne 刊)が刊行された。まだ40才を少し過ぎたに過ぎない人物の評伝なのに、なんと550ページを越す大部の書となっている。それほどペップの半生は濃密なものがある。しかも本書は、サッカーの戦術や競技解説的な専門的記述にあまり割かれてはおらず、主人公の内面についてに多くのページが費やされる。心理描写に対する風当たりの強い現代の趨勢にあって、これは過激に反時代的姿勢と言える。本書の孤高さはまちがいなくその点にあるのだ。
私はWOWOWの「リーガ・エスパニョーラ」放送を演出しながら、グアルディオラがバルサの監督をつとめた丸4年間をずっと注視してきた人間だ。時にアヴァンギャルドなまでに新種のタクティクスを編みだした智将としての側面は、本書でもじゅうぶんに語られている。これは私にとっては既知の側面である。つまり、「ファルソ・ヌエベ」(偽の9番)をメッシにあてがったこと、最終年に無謀一歩手前と言っていい3-4-3(ほとんど1バックに近い)を採用したことetc.である。
と同時に、この人物の狭量さ、冷淡さ、不用意さみたいなものを目の当たりにし、幻滅したことが一度や二度ではなかったことも白状せねばならない。プライベート生活が頽廃しきっていたロナウジーニョ(ブラジル)を切ったのはいいとしても、リーダーの自覚を示してグループを鼓舞したサミュエル・エトー(カメルーン)をそのケレン味ゆえにインテルに放出した時、私はこの指導者の幅の狭さを実感せざるを得なかった。そしてエトーとの交換プラス40億円超の金銭で加入させたスラタン・イブラヒモヴィッチ(スウェーデン)とは、1年もしないうちに関係が壊れている。イブラヒモヴィッチという天才ストライカーは、傲慢さと傍若無人さがむかしから喧伝されていたトラブル・メイカーである。そんなことは火を見るよりも明らかだというのに、あまりにもナイーヴに彼と契約して、案の定仲違いしているのだから、何をかいわんやである。「清濁併せ呑む」という言葉が東洋にはあるが、ペップの辞書にはそれはないのか、と失望したものだ。
本書の最大の見どころは、こうした関係のもつれに対するマゾヒスティックな記述にあると思う。そして本書のもうひとつの見どころは、最終章である。原書の初版は2012年だそうだから、グアルディオラがバルサの監督を辞した頃に出版された本ということになる。今シーズンからドイツのバイエルン・ミュンヘンの監督に就任したことについての記述は、増刷版で追加された部分だ。しかしこの部分がすばらしい。ドイツのブンデスリーガといえば、組織面の盤石さ、財政面の安定、運営の手堅さこそ賞讃されるが、競技面・戦術面においては創造性を欠いた、先進性とサプライズを尊ぶカタルーニャ人とは対極の、あまりにも生真面目かつ硬直した環境だと思われている。そういう場へ飛び込もうとするグアルディオラの動きに、未来への胎動がグツグツと感じられるのである。これは逆説への執着と言っていいだろう。
P.S.
私は本書のこの感想を、昨夜に一周忌の偲ぶ会が市谷船河原町の「ラ・ブラッスリー」で催された不世出の映画批評家・梅本洋一の魂に捧げたいと思う。
グアルディオラはイングランドへの憧憬を隠していないが、マンチェスター・ユナイテッドの前監督アレックス・ファーガソンは、彼にチェルシー行きを禁じている。あのような成金、哲学不在のクラブには学ぶべきものはないという忠言は、圧倒的に正しい。その文脈から推測するなら、遠からぬ未来にペップがアーセナルの監督になる姿を思い描くことは簡単である。ヴェンゲルがおのれの長期政権の後継者にペップを指名することを予測することもたやすい。アーセナル・ファンを公言していた梅本洋一が、どこかからペップ・アーセナルの船出を見ている、という図を思い描くこともまた簡単なことなのである。
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500ページ以上あってすごいボリュームでしたが、今まで読んできたバルサやペップの本と違って、ペップをありのままに捉え、良い所も悪い所も漏らすことなく書き上げてる良書でした。
今まで読んできた本はどちらかというとペップすごい!神!みたいな割合大きかった感じがするけど、この本はペップの人間らしい部分も描かれている。
苦悩とか、スピーチ前の緊張の様子とかもそうだし、審判にわからないようイタリア語で文句言ってるとか知らなかったwメンタル面はあまり監督向きではなさそうw謙虚なのは間違いないようだけど、あくまで1人の人間であり、いかにメディアやファンが持ち上げすぎてきたかを痛感します。
でも感情が弾けすぎてたり、愛されたがりだったり、そんな人間的な部分を加味してもやっぱりペップを尊敬しましたけどね。
ペップがそんなにファーガソンのことを敬愛していたとは知らなかった。たしかに4年であんなに人が老け込むことを7倍の期間やり遂げているのは並大抵のことではないよね。精神力がすごい。
ペップがプレミアリーガーにバルサのような戦い方が通用するか尋ねていて、今度どういうサッカーを展開していこうとしてるのか気になるところです。
CL前のグラディエーター映像ってネットにあるのか!あとで探そう
×週休 ◯週給
×ヒディング ◯ヒディンク
×起こって ◯怒って
×スポースクマン ◯スポークスマン
×楽む ◯楽しむ
あとカンプノウの収容人数は88,000ではなく98,000だと思うな