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私は「あまロス」にはならなかったが、それでも、あのドラマにハマっていた日々をふと懐かしく思う時はある。
本書では、毎日の放送の中で著者が気になったところ、言葉などを取り上げて、深く考察している。
まるで、ツイッターのハッシュタグを追っかけていたころのようだ。
「そうそう、そうだった」と思うところもあれば、「え?そうだったの?」ということもあり、「そこまではわからなかったな~」と感心するところもたくさんある。
最も印象的だったのは、今のところ著者だけが気づいているという「突堤に書かれたSTOPの文字が途中からSTEPに変わった」という小ネタである。これは演出の人も驚いていた。(最後の対談でも、NHKのサイトでもそれについて触れている)
あのドラマが面白かったのは、いろんな人の思惑や仕掛けが魔法の国のようにあちこちに隠されていたからなんだなと思う。
ちゃんとドラマになっているのに、あざとさや、わざとらしさが目立たず、むしろ「リアルだなあ」と思わせてくれるように作ってあったところが、あのドラマの素晴らしいところだったのだ、と改めて思う。
毎日の放送に合わせて書いてあるので、何度でも読んで映像を思い浮かべる楽しみ方ができるのも嬉しい。
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「あまちゃん」はすごい。でも、細馬さんもかなりすごい。あまちゃんをここまで掘り下げて、あぁ、そうか!あぁ、そうだったのか!の連続なのだ。そして、そのおもしろさや感動の意味を知るのである。あまちゃんをみて、「わはは」と笑い、ほろりとしたり、じーんとしたり、理由など関係なしで心を動かされていたのだけれど、心を動かされたのはこういうことだったのか!とか、だから面白かったんだ!といろいろと腑に落ちて、あの「あまちゃん」の世界を反芻するのだが、同時にまたまた「あまちゃん」の世界が恋しくなって仕方が無いのである。おそるべし、あまちゃん、なのであーる。
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『あまちゃん』が面白かったのは、決してクドカンの天才性や能年玲奈の魅力だけではない。彼や彼女を支えたのが『ハゲタカ』『ちりとてちん』『その街のこども』『龍馬伝』『サラリーマンNEO』など、2000年代後半にNHKで生まれた上質の番組を作ってきたスタッフたちであり、彼らが全力でドラマ作りに情熱を傾けた成果が見事に現れているからだ。
多くのあま本がアイドルやサブカルの方面から語られるのに対して、この本は演出や音楽、俳優たちの演技を取り出して、物語ではなくムードから作品を読み取っている。それは非常に面白い。そして何よりも文章が素敵だ。自分も1日に2回は繰り返し観てきたこともあるので、違う考えも興味深く覚えたし、共感も大きかった。また最初から観たくなっちゃうなあ。
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思ってたよりがっつりとした読み物です。
ものすごく細かく観察されて書いてあって、映像がどんどん浮かんでくる。
そうそう、そうだったなーというとこもあれば、えっ全然気がつかなかったというところも多かった。
私の中のあまちゃん熱が再燃しそうだ。どうしてくれる!(もう一冊、あまちゃん本を借りてるから、もうこの熱はドラマをもう一度観ないと収まらなくなるだろう…)
著者の細馬さん、これだけ詳しいからテレビ業界の人かと思ったら、大学の教授らしい。