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アップルVSグーグルというより、iPhoneVSアンドロイドという、プラットフォーム開発を巡る熾烈な競争の話。
当初はグーグルもiPhoneにソフトを提供しており、どちらかというと両社は友好な関係といった印象を受けていた。でもその裏でグーグルは、黙々とアンドロイドの開発を進めていたのだ。
以前はグーグルのシュミットCEOが、アップルの役員も兼任していたことから、実際両社は友好な関係だったようだ。iPhoneが爆発的に売れたことによって、一時はアップル・グーグル連合VSアンドロイド開発チーム、という歪な構造になっていたらしい。
現在、日本ではiPhoneが圧倒的に支持されているようだが、世界的にみるとアンドロイドの方が優勢なのだそうだ。おそらく数年後は新たなイノベーションにより、全く違うシェアになっているのではないだろうか、今後の展開から目が離せない競争であることは間違いない。
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過去の話ばかりなので、知ってる人にとってはとても退屈。未来について言及されている部分があまりなかったのが残念。
ただし、内容はとても整理されているので、GoogleとApple、ひいてはAndroidとiOSの闘い(?)を振り返りたい人にはオススメ。
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こま切れに見聞きしていたApple vs Google。本書でまとめて読み返して、なるほどな、感。Jobs没後2年、神格化されすぎはこれからのAppleにとって足かせ。さらにJobsが生前の創業者ワンマンだからこその意思決定速度と徹底力をこれからは継続しづらい。創業者カンパニーのGoogleに立ち向かうことができるのか?けしてAppleファンではないけれど、最近はGoogleに独りよがり「Don't be evil.はどこ行っちゃったの?」を感じるだけにAppleにも頑張ってほしい。
ちょっとおまけ星4つ。年末に買って正月に読み切ったぜ。
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ここ数年の両社のやり取りはリアルに見てきたので、驚くような発見はなかったが、ああ、そんな話もあったな、みたいな懐かしさがあった。中でもipad登場のくだりはハイライト。自分も初代ipadを発売即購入したが、あの時の高揚した気分が何だったのか、今では思い出せない。ただ、この本から察するに、あの時はjobsの絶頂期だったのだろう。(体調的には最悪だったろうが)jobsがipadで世界を変えてくれるという、とてつもない期待があり、事実ipadが世界を激変させた。正直言って、ipad自体は驚くようなハードではない。ただ、触っていると、とても優雅な気持ちになるというか、幸せな気分になるのは今も一貫して変わらない。ハードウェアをこの領域まで高めたのはjobsの功績だし、googleが到達し得ない世界なのだろう。
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スマートフォン戦争の裏事情がおもしろすぎて、分厚い本だったけど、一気読み!かなりおすすめ!
今や当たり前となってしまったスマートフォン。
ずっと前からあるような気がしてるけど、本格的に日本で普及したのは、ここ5年くらいでしかないんだな、と。
そんな短期間の間に、濃密度な戦いがシリコンバレーで繰り広げられていたとは!
以前から思っていたんだけど、非常に興味深いのは、ジョブズの発想と、GoogleもしくはMSもしくはオープンソースの発想。
完全にコントロールされた環境で最高の体験を主張するジョブズ。
世界は自由なんだ!自由な世界でいろんな体験してみようぜ!を主張するGoogleもしくはMSもしくはオープンソース。
相反する思想ではあるけれど、どちらも共感できる部分はある。
たぶん、どちらかが唯一の最適解なのではなく、この2極の間をふらふらとしながら、世界は進んでいくんだろうなと、そう、思う。
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よく比較される二つの企業。成り立ちはそれぞれだで、なかむつまじい時代もあったが、今、それぞれがどのような立場にあるのか。私は、もともとマックユーザーだが、携帯はなぜかグーグル派で、Google phone(Nexus)が出て以来、2台とも。はじめは日本で初めてのアンドロイドだった。したがって、この2社の状況は、リアルタイムで知っている部分が多いが、その裏でどのような争いが、協調があったかなど、興味深く読めた。
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この2社からは今後も目は離せません。ステーブ・ジョブスが亡くなった今、アップルよりも自分はAmazonに注目をしますが、ITの未来を理解する上でも読んでほしい1冊です。
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シリコンバレーの雄であるアップルとグーグルが、スマートフォン、タブレットといった新しいハードウェアと、アプリや動画等のコンテンツといったソフトウェアに対して、いかなるアプローチを取り、その実現のために何をしてきたかという点に着目し、この7年間の出来事を外部からの客観的な視点で描いたドキュメンタリー。スティーブ・ジョブズやラリー・ペイジだけでなく、両者の開発チームの主要メンバーまで、業界誌記者らしく緻密に描いている。ただ、著者はインサイダーではないので、例えば、グーグルがHTCと組んで新しいスマートフォンを発売しようとした際に行われたアップルとグーグルのトップどうしの会合で何が話し合われたかといったところまで明らかになっているわけではない。
それでも、スマートフォンやタブレットのOSやアプリの提供ルートをめぐる競争がいかに重要かということや、両社間の戦いから視野を広げると、日本で言う「放送と通信の融合」が本格的なレベルで進みつつあるという近未来までが描かれていて、面白かった。
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iPhoneとandroidの開発競争を描いた力作。ビジネス書として購入したが、想像よりもずっと読み応えのあるルポだった。最初からずっと面白いが、Apple製品の中でiPodやiPhoneよりもiPadが「コンバージェンス」(ITとマスメディアの融合)を実現したという点で最も大きなイノベーションだったと評価している点が面白かった。個人的にタブレット端末の面白さに気づいたのが最近だったのでなおさら説得力を感じた。
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のっけから何ですが、この本、無茶苦茶面白いです。
アップルがiPhoneでつくりあげたスマフォ市場に、グーグルがアン
ドロイドで参入。その結果、それまでシリコンバレーの中でも最も
緊密な関係だった二社が、骨肉相争う戦いを開始。そして、アンド
ロイド端末がiPhone以上のシェアをとるようになると、アップルは
iPadを出して、タブレット市場を革新。しかし、これまたアンドロ
イド端末が過半数のシェアをとるようになる。
…とまあ、アップルが切り開いた市場をグーグル陣営が追って、結
局、アップルが数の上では負けていく、という構図が繰り返されて
いく過程を本書は描いていくのですが、それ自体はまあどうという
ことはありません。
面白いのは、iPhoneやアンドロイドのような、「世界を変える製品」
がいかに生まれたのかという開発秘話を、スティーブ・ジョブズや
エリック・シュミットなどの「英雄」達の視点ではなく、その他の
幹部やエンジニア達=「シリコンバレーの『見えない』英雄」たち
の視点で描いているところです。無名の人達の話から紡がれる舞台
裏のドラマは、本当に興味深く、かつ、示唆に富みます。
真っ先に思ったのは、ここまでやらないと世界を変える製品を生み
出すことはできないんだな、ということでした。アップルもグーグ
ルも、本当に凄い。ここまでやるか、と正直、思います。でも、凄
く能力の高いエンジニア達が、ここまでこだわって、ここまでボロ
ボロになるまで働かないと、不可能を可能にすることはできないん
だな、とも教えられるのです。自分の甘さを痛感させられもします。
そして、アップルが特に凄いのは、その凄い能力の持ち主達を平気
で使い捨てにできてしまうことです。ジョブズの強烈なエゴで追い
込んでいくので、皆、燃え尽きてしまう。アップルの製品の陰には、
死屍累々の屍の山ができている、という感じです。それを非道とと
るか、王道と讃えるか、評価は分かれるでしょう。
だけど、やっぱりジョブズはチャーミングなんです。iPhoneの開発
者に対して、「みんなが恋に落ちる電話をつくりたい」なんて言う
のですが、こんなこと言える人、なかなかいないですよね。
一方のグーグルは、アップルの独裁者的なスタイルは体質的に受け
付けない。だから、ジョブズのことを尊敬してはいても、アップル
が、ジョブズの世界観でこの世界を染め上げようとしていることが
許せない。これは、アップル対グーグル、というより、クローズド
対オープンの戦いであり、信じる世界観自体の戦いです。
結果論から言えば、グーグルのオープンモデルが勝っているように
見えますが、人の心に残るものを生み出せているのは、やはりクロ
ーズドな独裁者モデルのアップルが生み出した製品達なんですよね。
そこがまた興味深いところです。
なお、本書は、アップルとグーグルの戦いを描きながらも、これか
らIT業界が向かう先、情報化社会の行く末を教えることを怠りませ
ん。「クラウド」「ビッグデータ」「プラットフォーム」など、流
行の言葉の真の意味も、アップルとグーグルの戦いの中から理解で
きることでしょう。それがわかれば、なぜグーグルが自動運転車の
開発に注力しているか、なども見えてきます。
新しいもの、世界を変えるものをつくりたいと思っている人は勿論、
情報化社会の向かう先、メディアやコンテンツやデバイスの行く末
を読み解きたい方という方にも必読の一冊だと思います。
是非、読んでみてください。
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▽ 心に残った文章達(本書からの引用文)
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アップルのiPhone、iPad、iPodタッチの合計売上は年間二億台を
超えている。これは全メーカーのテレビの年間販売台数とほぼ同じ
で、車の約4倍だ。
いまやグーグルは、アンドロイド搭載の携帯電話だけでなく、家庭
内外のあらゆるところで消費者とつながるようになった。
技術とメディアとコミュニケーションの交わり方について、大規模
な再検討が始まっている。世界最強の二社は、そうしてできる新し
い社会を支配するために戦闘態勢に入った。
彼らはたんに、どちらの陣営が最高にかっこいいデバイスを作るか
を争っているのではない。そのデバイスがつながるオンラインスト
アやコミュニティ-いわゆる「クラウド」-の支配権を握ろうとし
ているのだ。
これは「プラットフォーム戦争」だ。(…)歴史はこの種の闘いの
勝者が七五パーセント以上の市場シェアを獲得することを物語って
いる。
私たちが「情報」と考えるもののほとんどが、アップルかグーグル
のプラットフォームに乗ることになる。
世界を変える製品を作るのはただの「仕事」ではない。「探求の旅」
だ。あらゆる仕事と同じように従事者を疲れさせるだけでなく、し
まいには精神的、肉体的に消耗させる。トラウマになることすらあ
るかもしれない。リーダー、そして著名人としてのジョブズの魅力
は、それらすべてを世間の目から隠し通したことにもある。
アップルとグーグルには、世界を変えるというのが本当はどういう
ことなのか、世界に知ってもらいたいエンジニアが大勢いる。いま
やわれわれが当たりまえのように買って使っているスマートフォン
とタブレットができるまでには、怒鳴り合いがあり、叫び声があり、
中傷、落胆、パニック、恐怖があった。そうしてやっとプロジェク
トが前身し、製品が消費者の手に届くのだ。
「トイレでメールを読む端末が欲しいとスティーブが言ったんだ。
製品の仕様はそれだけだった」
グーグルの成功の原動力は、一流大学から雇い入れるエンジニアの
質の高さである。ほかの企業でよくあるように、彼らに海兵隊に入
ったと感じさせるより、まだ大学にいる気分で創造力を大いに発揮
してもらいたいのだ。
ジョブズは、製品をいつ発表するか、ハードウェアとソフトウェ���
をどうデザインするか、消費者の欲望にどうやって火をつけるかと
いったことに比類ないセンスを持った、驚くべきイノベーターだっ
た。それを何度もやるのだから、誰も敵わない。まさに天才だが、
iPhoneで使われた技術のほとんどは彼が発明したものではなかった。
ジョブズがあれほど成功したのは、何事においても最初にやろうと
しなかったからだ。
「スティーブに、iPhoneで何をしたいのかと尋ねたのを覚えてい
るよ」とボーチャーズは言う。「答えは、“みんなが恋に落ちる電
話を作りたい”だった。“何々に革命を起こそう”ではなく、“ク
ールなものを作ることを考えよう。みんなが恋に落ちれば、それで
何をしたいのかがわかる”だった」
アップルは細部にこだわりながら、最高の機器-形状と機能の完璧
な融合-を厳しく追求するジョブズの力で成功してきた。一方グー
グルは、プリンとペイジの奇人ぶりとカオスを受け入れる懐の深さ
で成功してきた。
アップル内外の幹部が、ジョブズはアンドロイドに対してマイクロ
ソフトのときと同じあやまち-プラットフォームを厳格に管理しす
ぎる-を犯すのではないかと危惧すると、ジョブズはいっそう彼ら
の危惧する方向に突き進んだ。
iPadは、五つの産業をひっくり返したのである。本・新聞・雑誌の
買い方や読み方を変え、映画やテレビを見る方法も変えた。それら
のビジネスの総収入は2500億ドル、国内総生産(GDP)の約2パ
ーセントにのぼる。
携帯電話とタブレットの市場におけるアンドロイドのシェアは着実
に伸び、スマートフォンでは75パーセント、タブレットでは50パー
セントを超えた。
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●[2]編集後記
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大雪の影響で混乱が続いていますね。それぞれに大変な思いをされ
たのではないでしょうか。
北国の人には当たり前の雪も、首都圏の人には非日常。「ぜんぶ雪
のせいだ」というJR東日本のCMが人気ですが、このCMが成立するの
も、それだけ雪が首都圏の人には遠い存在だからでしょう。雪⇒非
日常⇒恋愛、という連想は、とても「東京的」だと思います。
雪で首都圏が混乱するたびに思うのは、「豪雪地帯ではこれが日常
なんだよな」ということです。北国の歴史は、雪との戦いの歴史で
もあったわけで、「ぜんぶ雪のせいだ」と言って諦めないとやって
いけない部分と、そう言って諦めては許されない部分とが、複雑に
絡み合った暮しをしてきたのでしょう。
そもそも、「雪との戦い」という言葉自体が間違いかもしれないですね。雪は、
人間ごときが戦えるような相手ではないですから。今回の大雪では、そのこと
を思い知りました。なす術がない、戦えるような相手ではない自然の力を人間
が何とかできると思うこと自体が、人工都市・東京に暮らす人の発想なのでし
ょう。
今回の大雪含め、最近の異常気象の頻発は、��ういう「東京的」な
発想なり生き方の脆弱さを露呈させます。ではどうすればいいのか。
悩ましい問題ですね…。
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かなり堅い内容だと思うが、appleとgoogleの戦いがリアルに感じられるように精彩に書いてあり、また情報産業のtipsも多く、読む人を楽しませてくれる中身に仕上がっている。
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長い本であるが一気読み。
電子書籍で読んだあと、書店で実物を見る機会があったがその厚さに驚いた。が、しかし、読書中は全くもって飽きさせない。これは構成と丹念な取材の賜物であろう。
本著はジョブズのiPhone発表プレゼン(当時のiPhoneの出来では奇跡に近いプレゼン)から幕を開け、個人的親交があったジョブズとGoogle創始者らとの関係の推移、また特許戦争に至るまでの話がまるで長編物の歴史小説のように書かれている。
AmazonやMicrosoftもあわせれば、後世に残る物語となる時代を我々は生きているのかもしれない。
特に特許周りの話はその歴史的引用界隈も含めた話が非常に興味深かった。「世の中は5セントも儲けられなかった偉大な発明家で満ちている」。まさにその通り。
しかしこういった喧騒が世間から見ると、なんだシリコンバレーもなんかアレなとこだな。と失望させるところもあるのも事実。
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アップル vs グーグルという題名だが、内容はiOSとandroidのプラットフォーム戦争の話。ジョブス健在の頃、グーグルの会長はアップルの社外取締役だったわけですが、グーグルの社内には買収したandroid開発チームもあったので、なんとも言えない状況だったのだと理解できました。
しかし、この本の原題はdogfightなので、二匹の犬の闘争のように二社が争っていくことで、結果的にテクノロジーが進んでいくのだろうと感じられた。
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ジョブズの自伝と並行して読んだので、バックグラウンドが良くわかった。ipadが、最もインパクトある商品だという評価が意外だったが、確かにそうだったのかもしれない。
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しょうもない内容の多い類書とは違い、かなり綿密な裏付けをしているようで知らなかったエピソードも多く含まれており、アップルとグーグルの近年の活動を見返す意味ではベストの書籍だと思います
せめて類書にはこの本の10パーセントほどの密度を期待したいものです