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第150回芥川賞受賞作。
著者のデビュー作である工場より遥かに読みやすく、筆力も上がってるのが面白い。どこまで伸びてしまうのだろうという感じ。
ファンタジー要素をちらつかせる純文学。どなたかが書評にとなりのトトロを彷彿させたと書いていたのではじめからトトロを想像してしまった。
わたし的に、となりのトトロと不思議の国のアリスを足して2で割ったものを世にも奇妙な物語風にした感じかなーと思った。
芥川賞らしい作品だなって感じ。考えるというよりも感じる作品。
芥川賞受賞作の中ではわりと好きな方。これからが楽しみです。
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芥川賞受賞作品「穴」の他、「いたちなく」「ゆきの宿」の2編が収録された1冊。
「穴」は、夫の転勤にともない夫の田舎に移り住むことになった夫婦。そこで主人公の妻が遭遇する奇妙な出来事の数々。不思議な感じに戸惑いながら読み進み、でも何だかホンワカさせられるような、それでいて何とも怖いような読後の感覚。
「いたちなく」「ゆきの宿」は、主人公や登場人物などが同じ作品。個人的には、この2作品の方が、好き。この作品にも熱帯魚が出てきた。作者・小山田さんは、熱帯魚好き?、あるいはご自身でも飼っているのかも?などと思いつつ一気に読破。
この作家の作品、しばらく追ってみようと思う。
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芥川賞受賞作品、『穴』。
家族になる、家族でいる、家族でなくなる、話。
いい人たちの話をしているのに、なんとなく背筋がぞわぞわする感じ、嫌いじゃない。
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芥川賞には何かしら現代性というものを抽出している作品が多いような気がする。文中の主人公の夫の携帯とSNSの利用を臭わせる夫婦間の奇妙な関係性。頁数は少ないが淡々と進む物語に引き込まれることが難しい。
文学としての新しい構造を築いてはいない。読中・後には不可思議な違和感とでもいうべき所感を抱かせる。しかし、その違和感は自己の中にもある何かしらのかけらに近似性を持たせてくれる。
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芥川賞受賞作の表題は文章も頭に入って来なくて何だかわかりにくかった。
二組の夫婦の話の方がおもしろかった。
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芥川賞受賞、表題作「穴」
非正規で働きながら家事をこなして過ごしていた妻(主人公)が、
夫の仕事の都合で夫の田舎しかも実家の隣に引っ越し、
それを機に仕事を辞め主婦になる。
主婦としての生活にもすぐ飽き、夫の家族や隣人に違和感を抱きつつ、
目を向け近づいていくと、嫁と呼ばれるようになる。
妻、主婦、そして嫁となって日常を過ごしていく中、
不意に現れた獣の後を追い穴に落ちる。
そして何かを求め日常を過ごしながらも異界をさまよう。
最近の芥川賞作品はクセのあるというか印象的な文体が多いと感じていたので、本作もかなと思っていたがそうでもなかった。
読みやすいというわけでもなかったが。
こんなところをと思うような部分のチクチクとくる細かい描写が妙でよかった。
その描写のせいなのか異界に漂う空気みたいなものが感じられ、
なんだか怖い雰囲気があって最後まで、いや、読み終わってまで、
ドキドキさせられた作品だった。
「いたちなく」
登場人物は僕(主人公)、妻、友人の斉木君、その妻の洋子さん。
斉木君が移り住んだ田舎には屋根裏にイタチが住み着き苦労している話を聞く。
シシ鍋がうまいから来ないかと誘われ行くことになり、
鍋の後イタチの話になり、妻から出た話が…。
ぞわぞわくる怖さがあった。
「ゆきの宿」
「いたちなく」の続きにあたる話だと思う。
斉木君と洋子さんの間に子どもが生まれ、会いに行くことに。
あいにくの雪に見舞われ帰れなくなり、一晩を過ごす。
僕の感じる奇妙な感じがまた怖さを誘う作品。
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初めて読んだ「芥川賞」受賞作です。
良いと思えば良いかも知れないけど、
何かしら、イマイチ狙いが伝わらないお話でした・・・
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第150回芥川賞をさっそくチェックしました。、、、が、まあまあな印象。すっきり纏まってる所とか小さな世界でこじんまりしてる話はすごく好みなんですが、ちょっと謎が多いまま終わる事が多く解せない。ただ登場人物は全員とても面白い書き方でした。
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嫁としての立場や遠慮、夫の家族との距離感、子どももなく仕事もなく、夫とも冷めている自分への焦燥などよく伝ってくると思う。穴から先は、そんな彼女の心の隙間に入り込んだ異世界なのか幻想なのか、だったらどこまでがそうなのか.... その辺がこの本の魅力なのかもしれないが、私としては「何だったんだ?あれは」と言いたい(笑)
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途中までしかよんでないが『工場』に引き続き、改行が下手なので読みづらい。作家さんのこだわりなんだろうが、読みやすさを考えるべきくと。編集も意見しているはずなので、改善して欲しい。文庫版は束を稼ぐために改行! ってことで笑
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お嫁さんが見かけた義祖父は実在。
謎の小動物と義兄と穴は・・・
新しい環境の退屈な日常での無意識のまま、意識が錯乱して見えた幻覚なのか?
村上春樹のねじまき鳥的なミステリアスな要素からなるが、しつこいまでの描写は独自なもの。
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第150回芥川賞受賞作。これ、わたしほんとうにすきです。近年の芥川賞受賞作では赤染晶子「乙女の密告」以来の私的ヒット。本書に含まれる三つの短編はどれも、再生産という人間、生命の根本に対する違和を仄暗く端正な文章で綴っていくもの。日常にふと生じる裂け目といい、これぞ純文学というかんじでぞくぞくさせられました。小川洋子が進まなかった、優れたひとつの道に、小山田浩子はいるのではないでしょうか。結局のところは再生産の問題ではないか、というのが最近わたしの考えていたことで、その意味で小山田さんの小説はとても興味深い。ほんとうにすきだなあ。既刊の「工場」も買います。今後も追いかけたい作家さんです。
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芥川賞ということで読んでみた。
夫の仕事の都合で田舎に越してきた妻の特殊な体験?を描いた話。
明かされる隠された家庭環境
変な動物と穴
描き出される不思議体験
どれも物語の仕掛けとしていまいちだと思った。
芥川賞受賞する女性作家が描く女性ってなぜ
仕事にやりがいを感じてない価値観の持ち主が多いのだろう。
自分の周りの女性が持つ雰囲気といつもギャップを感じる。
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地元広島出身、そして在住の作家の芥川賞受賞作ということで、読んでみた。
何か、安部公房をゆるゆるにしたような感じ。リアルな世界と幻想の世界がシームレスで繋がっているようなといえば伝わるだろうか。
ただ、登場人物がみんなもやの向こうの人々という感じがする。
そしてはっきりしないまま物語が終わってしまったという、後味が悪いというほどではないが、すっきりしない感じ。
「穴」とは?「獣」の正体は?「義兄」は実在の人物?
う〜む、全く謎だ。
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芥川賞を受賞ということで読んでみることに。
初めて読むけど、文章は結構読みやすい。
でも、読んでてちょっと眠くなっちゃうんだよね…。