紙の本
メカニズムは難しい
2015/12/25 18:49
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:von Deutschland - この投稿者のレビュー一覧を見る
メカニズムが難しくて途中で諦めました。
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経済成長が終わりを告げ、成熟社会へと叫ばれて久しいですが、私たちの生活は一向に充足されません。年末年始でも物欲を刺激するような消費は促進されますが、次々と新しい製品が出たりサービスが更新されたり、それをキャッチアップするだけで私たちの生活が便利になっているのか、分からなくなってしまっている人も多いのではないでしょうか。
そこで現在、注目を集めている学問が「考福学」と言われる分野です。その入門編として、この分野の権威でもある慶應大学の前野先生が人間が幸福感を感じるメカニズムについて、学術的な分析を踏まえてまとめた内容となります。
そもそも幸福感とは何かと言えば、短期的・瞬間的には美味しいものを食べたとか、愉快な時間を過ごしたといったことが挙げられます。一方で中長期的には、家庭を持ったり仕事が上手くいくといったことが想像しやすいですね。幸福学としては、どちらかといえば中長期的な幸福感の持続に注目して、それらを形成する4つの因子について分析しています。
第1因子 「やってみよう!」因子 (自己実現と成長の因子)
第2因子 「ありがとう!」因子 (つながりと感謝の因子)
第3因子 「なんとかなる!」因子 (まえむきと楽観の因子)
第4因子 「あなたらしく!」因子 (独立とマイペースの因子)
これらの因子をいかに日常生活の行動レベルにまで落としこむかが味噌なのですが、一方で意識的・無意識的な因子も存在しているわけで、なかなか一筋縄ではいかない課題でもあります。いずれにしても、自分の身近な人たちを観察してみると、幸福そうな人たちにはある程度の傾向が見られますから、先ず隗より始めてみることをオススメいたします。
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ちょっと怪しいタイトルなのでちょっと読んでみようという気持ちだったのですが、おもしろいことがけっこう書いてあった。
まず地位財と非地位財の考え方は、興味深い。
自己実現と成長の因子、つながりと感謝の因子、前向きと楽観の因子、独立とマイペースの因子の四つの因子がひとの幸福にとって特に大きいものであるらしい。
幸福は、目指すものではなくメカニズムを知るものであるということば、ああ、確かになあと思った。
第二章あたりからひとが変わったみたいに文体が軽快になるのが気になった。それゆえに、ことばが軽いなあと思うところもあり。
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幸せになる方法を体系的にまとめる学問『幸福学』、簡単に読める新書かと思ったが、意外に内容がしっかりしていた。幸せになりたかったらマイペースでいろというのが本書の要旨です。
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幸福学という新規の学問分野を紹介した書籍。著者は慶応SDMの人。
内容はHowToというよりは体系書の基礎入門本という感じ。
新書だから読みやすい。そして、ポイントも4つにまとめられており、分かりやすい。
1 やってみよう
2 ありがとう
3 なんとかなる
4 あなたらしく
が幸せの4因子らしい。
最後の章は幸福学をアピールしたいのか、なんか自分の政治的イデオロギー的な話になってしまい、やや興ざめ。個人的に星2,5。
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we need PDCA for become a well-being.「幸福」もダイエット等と同じく、分析が必要。そして短期でも長期でも、happyでもwell-beingでも、とにかく幸せになりたいなら、自分はどうなることによって幸せになるのかを理解し、実践することです。内的幸せの4つの因子(自己実現、周囲への愛、楽観主義、メタ認知)と外的要因により幸せが好循環するグループ、フォーカシングイリュージョン等により、物欲、名誉欲等、世俗的幸せの循環に囚われたグループ、前述の因子や要因を認知できないことによる不幸循環グループに別れる。ピグマリオン効果は念ずれば通ずのギリシャ神話比喩。
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幸福とはなにか、どうしたら幸福になれるのかを、豊富なサーベイ実証データにより説得的に解説。その研究紹介例もさることながら、神経科学を中心にしていた筆者が、なぜこの研究に辿り着いたのか、その経緯を描いている点が何よりも一番面白かった!
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幸せの因子分析
1.やってみよう
2.ありがとう
3.なんとかなる
4.あなたらしく
地位財(所得、社会的地位、物的財)による幸福は長続きしない。逆に抽象的な非地位財(健康、自主性、帰属意識、自由など)は安心、安全に必要だが、両方あると人間は地位財を優先してしまう生き物。長続きする幸せは非地位財。
友人が多いことは幸せに繋がらない。むしろ多様な友人がいるほうが幸せ。
美しいものを鑑賞するより、美しいもの創るほうが幸せ。
幸せになるヒントがコンパクトにまとまっていて読みやすい。
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本書の白眉は「幸福とは直接めざすものではない」と喝破しているところ。刺さりました。
幸せを願う人は多いのに、幸せだと感じている人はそこまで多くない。その答えがここにある。幸せは、何か別のものを追いかけた結果、副作用として得られるもの。直接手に入れようとしても決して届かない。
内田樹さんの贈与論に通じるものがある。自分が欲しいと願うものは、他人に贈ることによってのみ入手可能、というあれ。
幸せを感じている人に共通して観察されるという「幸せの四つの因子」論も面白い。
1) やってみよう因子(自己実現と成長)
2) ありがとう因子(つながりと感謝)
3) なんとかなる因子(前向きと楽観)
4) あなたらしく因子(独立とマイペース)
だいたい私自身にも当てはまります。
ただし、アンケートをインターネットで1500人に対して行った、という母集団の偏りは気になります。趣旨自体は変わらないと思いますが、本書には出てこない重要なパターンとして斎藤環のいう「ヤンキー」があると思われるからです。
本書には上の4つの因子の得点によって5つのパターン(クラスタ)が提示されていますが、そのどれでもないパターンがヤンキーです。
著者の冒頭の定義に従えば「well-beingとは限らないがhappyではある」グループです。インターネットでのアンケートでは出逢えない人たちです。
クラスター番号 :123456
自己実現と成長 :++0ーー0
つながりと感謝 :++0ーー+
前向きと楽観 :+ー0+ー+
独立とマイペース:+ー0+ー0
著者の今後に期待します。
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工学出身者(元キャノンの技術者)が主観的幸福額に取り組み定性的に記している。ベースがアンケートと弱いが、幸福とは自己実現、楽観性、他者に左右されない評価軸、利他性であるとする。若いうちは地位財を求めがちだが、実は非地位財が主観的幸福には重要とであり、フォーカスが間違ってしまっているのが大半の人であるとしている。
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前野先生がどんな動機で、どんな風に幸せ研究にアプローチしていったかがとても分かりやすくまとめてあった。幸せの4つの因子「やってみよう!」「ありがとう!」「なんとかなる!」「あなたらしく!」も納得。
あとp188で紹介されていた「許可証」もとても素敵。
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序章の50年前よりGDPは6倍になったけど、幸福感は全然向上していない。科学技術の発展や物質的豊かさを手に入れたら幸福が増すと考えられていたのに、実際は違ったという書き出しがもっとも衝撃的だった。技術や物質が発展しても幸せにならないとすれば、いったいどうしたら幸せになれるのか?現代に問いかけられている深刻な問いだと思った。
内容全般は、大学の講義を聞いているような感じに思われた(著者は大学教員)。大学での取り組みが書いてあり学生の試みで面白いと思ったのが以下2つ。
・○×△カレンダー
毎日の終わりに今日一日を振り返り、幸福なら○、幸福でないなら×、どちらでもないなら△をつけ、その理由を書くというもの。今まで自分がこれが幸福だと思っていたものと認識が違うと発見できる人が多いらしい。
・引き算のワークショップ
今あるもののなかから○○を使わないと決めて暮らしてみること。学生さんは靴をはかずに暮らして外出時も裸足で電車に乗ったが気づかれなかったことや、著者も財布なしの暮らしに挑戦したら意外に困らなかったなど、今あるものがなくても困らないということに気がつくというのがおもしろかった。
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人の目を気にする刹那的行き方の
1)不幸せの悪循環ループ
から抜け出ようと、金、モノ、名誉などを目標に(フォーカシング イルージョン)するが、こんなものはつかの間の幸せ、つまり
2)誤った幸せのループ
なので、"システムとしての幸福学の理解”を進めて
3)幸せの好循環ループ
へ入る。
つまり
①やってみよう
②ありがとう
③なんとかなる
④自分らしく
という幸せの4因子で周囲の人のために動くと、より幸せになるノダと著者は言う。
普通の「平穏無事の幸せ」は感動や興奮の少ない坦々とした日々だが、その上を行く「達人の幸せ」は【小さな美しさを愛でる繊細な力ある境地】である。
「古池や 蛙飛び込む 水の音」のような世界。
すでに解っているようなことかもしれないけれど、整理して書かれているので、頭の中がすっきりクリアになります。
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peak-end
p131 誰もが天才だ。。しかし、魚の能力を木登りで測ったら、魚は一生、自分はだめだと信じて生きることになるだろう。
p193
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この本は「幸せ」の曖昧さを改めて提示する。ロボットを作ろうとした科学者の気付きをという視点が面白い。現代の天馬博士だと思う。
この本は危うい。工学の様でもあり、哲学でもあり、エッセイでもあり、自己啓発本にも見える。結局のところ、どのアプローチも結論を出せてない。国、言語、その人の経験で幸せの意味は多様となる。道徳よりも曖昧な存在なのだ。何よりも言葉、言語に依存する研究はそれだけで客観性は無いと思う。
筆者もこの問題には気付いているのだが、書かざるをえなかった。それはロボットと真摯に向き合ったからである。モノを作るということは、新たな問題をあぶり出し科学をより進化させる。
科学におけるフロンティアは今までオカルトと思われていた領域に進むことなのだと思った。