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博物館という、知的な場所だけどなんとなく怪しげでミステリアスな場所を舞台に謎を解き明かしていく、サイエンスミステリ。
自称「博物学者」、あだ名「ファントム」…博覧強記の箕作と女性新人学者の環が、博物館の内外で起こる謎を解き明かす。
キャラがしっかり立った各ジャンルのスペシャリスト達、巧みなストーリティングで一気に読ませる。 張り巡らされた伏線も見事に効いている。
連作短編6編、それぞれイイ。
これは面白い。シリーズ化して欲しい。
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どんなものも捨てないで貯めこむ箕作と、まったく生物に興味がない片付け魔のバーコードレディ。このまったく正反対のコンビが醸し出す雰囲気がとても楽しい。
博物館という、学識の宝庫だけど縁遠い場所が、ちょっと身近に感じられる。
あんまりなんでも貯めこむのも問題だけど、どんどん捨てればいいってもんでもないよなあ、と思った。
第6話で、おお?という展開になったので、ぜひシリーズ化してほしい。
読んでるだけでも勉強になって、それもまた楽しい。
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博物館を舞台にしたミステリー、連作短編6編。
各章ごとの扉の絵がいかにも博物誌的で素敵だ。物語も身近なようで深遠なバックボーンがあって、知識も深まる。主人公たちも個性豊かで、嫌みがなくていい感じ。
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博物館の変わり者研究員・自称博物学者の箕作類と新人研究者の池之端のコンビが、博物館で起こる事件を解決していく連作短編集。変わりものというわりに結構人懐っこい感じがする箕作でしたが、読んでいて面白かったです。博物館で扱う専門分野が広く、読んでいて難しいものも多いですが、雰囲気が良くて面白く、会話がテンポよくて気にならずに楽しく読めました。シリーズ化してほしい。
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博物館の裏側やそこにちなんだ謎解きは面白い。ただ最近ワトソン役の女主人公にどうも好意が持てない作品が多い。
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博物館が舞台の連作短編6篇。
鉱物・植物・剥製・化石・昆虫・人類とどれも興味を引くものばかり。
旧標本収蔵室に住みつき、ファントムと呼ばれる箕作(みつくり)。人のことは変な呼び名で呼び、自らは死語になりつつある「博物学者」を名乗る。
「どんなものも絶対に捨ててはならない」を博物館の第一原則と公言し、博物館の収蔵物と私物の様々なものに囲まれて過ごしている。
かたや、新人の博物館員・環は片づけ魔。専門はコンピュータで、ひそかに生き物よりコンピュータのほうがかわいいと思っている。博物館に務めているものの、収蔵物に関する知識も興味もほぼない。
この正反対のコンビが博物館で起こる日常系(?)ミステリを解決していく。
宮沢賢治が集めた鉱物標本、ねじれた花弁のナスと誰も傷つかない復讐、「送りオオカミ」の語源となったオオカミの習性、デニソワ人の少女と現生人類の少年のロマンス(想像)……。創作も含め、どのモチーフも興味深く楽しい。
最終6話では箕作さんが行方不明になって、どきどきひやり。そして研究者として嘱望されていた彼が「ファントム」「博物学者」になった理由も垣間見れる。
登場人物の名前が各章のテーマにうっすら係っている(た、たぶん)ところも楽しく、なにより箕作さんがすんごく好みなので、激しくシリーズ化希望!
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専門用語というか正式名称がつらつらと。頭に入ってこないので飛ばし読み。キャラは面白そうなんだけど・・・。
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話は面白かったけれど、キャラクターが微妙。
変人ホームズと振り回されるワトソンという図は、嫌いではないはずなのに。
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「この分野で書こうと思ったんだろう?」でした。あと主要の登場人物の箕作と環は位置関係が「trick」の二人に似ているなぁと思い浮かびました。話は博物学を主要とした謎解きで章ごとに分かれていても全体が一定の波長のような淡々さで、正直飽きが来るんですがそれを補うように癖のある箕作と彼に突っ掛かる環の掛け合いが上手い具合に入り込んでいる。また自分の知らない学術用語が多く調べながら読んでいました。どこかしら(つまらないな)と思わなくもないのにもつい次へと頁をめくってしまうなんとも不思議な「珍味的な一冊」
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自然史博物館の旧標本収蔵庫(通称:赤煉瓦)は大正時代に建てられた博物館最古の建物。そこで新人研究者・池之端環はファントムこと変人博物学者・箕作類と出会うことに…でこぼこコンビが博物館にある標本にまつわる事件を解決していく!
博物館が舞台で知らない言葉・知識がたくさん!学名とか難しかった(-_-;)でも、普段馴染みがない分、引き込まれました!
実際あった事実やフィクション、一部の仮説をモチーフにしていて面白かった。
北京原人の骨が紛失してるとは知らなかったので思わずネットで調べたりしちゃいました(^_^;)
もっと読んでいたかった・・・続編期待しちゃってます!
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化学的切り口が、面白い、ルカの方舟も読んだので、リアル、STAP細胞的な事、とか、偽物を、博物館が買ってしまったなんて、在りだわ~
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博物館での、連続短編集。
まさかこれ、いい雰囲気とかになる落ちはないよな…と
思っていたのですが、大丈夫でした。
さすがにこれと、ちらっとでもそちら方面はない、かと。
博物館の片隅に住み込んでいる男。
ものを片付けず、ひたすらにため込み、館内にある物を
捨ててはいけない、という男。
片付け魔の主人公とは、まったく真逆。
しかし博士、という職種についているなら
そういうものかもしれません。
次々と必要物が増えていく世界でしょうし。
そんな彼がふらふらと、館内にて、館内の事で
色々と解決してくれます。
が、その脳内にはどれほどの知識が詰まっているのか。
全く未知の世界なので、どれが本当でどれが違うのか。
巻末あとがきにはありましたが、やはり小説とは
うまく嘘をつくんだな、と再確認するものでした。
専門が分からなくて…とかいう前に、まったく
突っ込みどころも分かりませんでしたし!
2話目が一番平和…だったかと。
知っている人間しか首をかしげるものでもなかったですし。
とはいえ、相手の男。
まってもらっておいて、その言い草はどうなのでしょう?
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前回の“リケジョ”もそうだけど、この人の本は私の知らない世界を教えてくれるわ。まだ読んだの2冊目だけど。今回は博物館が舞台。6篇の連作短編集。北京原人化石紛失事件が実際に起きたことだったとは。実話ではないけど、モロッコにある化石を他国に取られ、自国のものにできないという話はぐっときた。犯罪にはなるけど、自国を富ませるために、というのは今の日本にはないのではないか。戦後の成長はそういう意識が強かったんだろうけど。だから韓国とか中国とかにいい人材を取られちゃうのかな。面白かった。
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池之端環は、自然史にも生物学にも全く興味がない。病的なほど片付け魔な環が生業とするのは、雑多な情報をエレガントに分類するアルゴリズムやプログラムを作り出すこと。一カ月前に就職した国立自然史博物館で、環はパソコン相手に仕事をする予定だったが、部長から、新人研修がわりとして、『赤煉瓦』と呼ばれる旧館の標本収蔵室で整理の仕事を命じられる。
いつものように赤煉瓦で整理をしていた環は、『赤煉瓦のファントム』と呼ばれる男に出会う。その男は、赤煉瓦に住み着き、研究をしている《博物学者》の箕作類だった。博物学からなくなった鉱物と少年が持ち込んだ「呪いのルビー」、植物学者の作る復讐のブーケ、脚の折れた狼の剥製……。箕作と環が出会う、博物館の不可思議な謎たち。
博物館を舞台にした日常の謎の連作短編集。博物館だけに専門的な話が非常に多いが、分かりやすく書かれているので、ひっかかることなく楽しく読んだ。箕作氏がとてもいいキャラなのでシリーズ化してほしいなあ。
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なかなか好みの作品だった。
人物も魅力的だし、題材が理系よりで知的な雰囲気がある作品だ。
その割には、文章は硬くなく、読みやすい。