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「雇われて働く」とはどういうことか。
労働法という切り口で、正社員と非正社員の働き方について記された本。精読はしてませんが、転職力のある「プロ」を目指しましょう、というのがメッセージのようです。
昔は「雇用」は「雇傭」という字を書いたそうで。「傭兵」の傭の字は、物々しさがありますね。
正社員とは「いつでも」(残業)「どこでも」(転勤)「何でも」(やるべき職務が限定されていない)やらなければならない存在、構造的には奴隷と対して変わらない、というのは極端だけど、分かりやすい。
(さわ)
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正社員、非正社員、労働法の限界とこれからの働き方についての本。
法律で保護され厚待遇の正社員以外の人は、プロ意識を持って、転職力を養う必要があるということ。働くと言うことに夢が見れないですが、これが現実だと思うと悲しいですね。堀江貴文氏の著書と比較すると、彼の本が、企業の勧めや、仕事への喜びを語っているのに対して、自己防衛なイメージが付きまとう。
生きずらい世の中ですね。
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非常に考えさせられました。
本書で指摘されている、「漫然と正社員でいると、何でも屋であることが求められ、それがその企業の中では評価されるが、一旦その企業を出ると、それが全く評価されない」、というのはまさに実体験として実感したことです。
職業生活を送るとはどういうことか、を真剣に考える為の資料として、高校生や大学生に読んでもらいたい本だと思いました。
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大内伸哉『君の働き方に未来はあるか?』光文社新書、読了。労働法の専門家の著者が「労働法の限界と、これからの雇用社会」(副題)を考察する。雇用と請負、正規と非正規雇用の違いを、日本型雇用のメリット、デメリットを分かりやすく解説。これから就職するという学生に読んで欲しい一冊。
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有休日に読了。今日はゆっくり読書の休日。
雇傭というものの本質と、そこに寄りかかることが会社と自分双方にとって不利益を招くということがよくわかった。
安易な転職を進めるのではなく、ロハスを奨励するのでもない。予想される日本の未来を踏まえて、非常に真面目に書かれた、良心的な内容。肝に銘じたい。安住先を求めれば求めるほど、真の安住は遠くなるという、当たり前の話。厳しい。
メモ
労働法のパターナリズムpaternalismの甘く危険な罠。権利と甘えの区別の必要性。会社は何もしてくれない、と言う前に、自分でやるべきことをやり、会社のではなく、社会的な評価を上げる。
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派遣労働や60歳再雇用などを手厚くした結果、正社員の待遇が引き下げられ続けているという指摘はいままで気がつかなかった。正社員になることは従属関係(奴隷状態)を意味するが、それのデメリットとメリットを比較するという考え方。イタリアでの現状比較のうえで、仕事のプロとは何か、仕事のプロを目指す必要性を説く。読み手(ホワイトカラーを想定)に対して、常に読み手の利益を考えた本の構成に著者の思いやりを感じた。
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正社員という優位な立場で働く人たち。
ただし、会社に従属するという関係のデメリットは負う。
しかしながら、このような従属するという関係性も今後はうすれつつある。
時代の流れとともに、会社に従属せずにプロ化する必要性が迫ってくるだろう。
なんでもできる人材は要らず、むしろ秀でたものがある人材のみが生き残れる時代が来る可能性がある。
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「人生の戦略として大切なのは①自分の適性と今後の産業界の動きをしっかり見据えながら、自分の目指すべき方向を掴んでいくこと。②同じような意識をもって人生の戦いに挑んでいく人たちとの横のネットワークを作っていくこと」
働くのがもう嫌だと思っていたけど、本を読んで、能力が向上しない自分への苛立ちが発端であることに気付いた。
自分のことを見つめ直したいと思う。
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若い人が読んでも参考になるが、今、働いている人も参考になる本である。これからは、ただ正社員を目指すのでなく、転職力を持った正社員でなければならない。
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働き方を、労働法の観点から問題提起する良書。これからの時代の働き方はどうあるべきか。
残業削減の議論だけではなく、一人一人がプロとして生きていくべきだという主張に賛同。
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「働き方」を労働法の観点から解説している良書。東レ総合研究所宮原部長お薦め。
P89ー90 ブラック企業家どうかの判断には、企業と個人の相性の面がある。個々の企業がブラックかどうかを判定するよりも、働く側にとって企業を選ぶ際の情報開示をしっかりとして、企業をブラックと呼ぶかどうかの判断は個人に委ねるべきである。例えば、勤務時間が長くてメンタルで問題がある社員がいるけど、育成をしっかりとしてくれてやりがいがある仕事をどんどん任せてくれる企業があるとして、WLBを重視している人にとってはブラックでも、働きがいを強く求めている人にはブラックでは無い。
p150 イタリア的な働き方の本質;イタリアでは、産業別に労働協約がある。労働条件の交渉は産業別に経営者団体と労働組合の間で行われる。企業別の協約は産業別の協約を補完する意味合いしかない。従って、イタリアでは大企業に就職しないと高い給料を得ることができないということはなく、自分が専門とする仕事についてどれだけ難易度が高い仕事が出来るかが重要となる。
P172 日本企業にとって正社員とは「いつでも」「どこでも」「なんでも」やることを前提に非正社員よりも恵まれた環境を与えられているという側面がある。ブラック企業の犠牲にならないために、自分のスキルが商品であるという意識を持って「転職力」を高めておく必要がある。
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正社員は労働法に守られている。
これからは労働法もどうなるかわからない。正社員の数も減っていく。
めざすべきことは、やりたくない仕事はしなくてもよい、自分になること。
正社員は、守れれている代わりに、いつでも、どこでも、何でも、しなければならない。
雇用は他人の指示に従って働く、=指揮命令、指揮監督。
請負は仕事の結果がすべて。他人に頼んでもよい。
雇用は仕事を教えてもらえる。
日本では、長く働いたほうが得になる給料システムを設計している。教育訓練にかけるお金を考慮している。
非正規社員は長く働くことを想定していないので教育訓練はあまりない=長く働いても技能は向上しない。
残業代込みの基本給、は間違っている。残業代を放棄できない。
正社員とは、企業が長期的に抱え込み幹部に育てようとしている社員。そうでなければ、正社員の形でも使い捨てにされている、という表現をされる。ブラック企業もそのひとつ。
ブラック企業をやめてしまうと他に転職の道がない場合が一番困る=転職力を持つこと。
解雇を制限する法律は2003年にできた。労働契約法。それまでは判例で規制。
天職市場が未整備であれば、解雇に伴う不利益が大きい。解雇を制限するルールが必要だった。
解雇の代わりに補償金を払うルールを導入すべき、という議論。=割増退職金と同じ。
専門業務型裁量労働制、企画業務型裁量労働制。
イタリアでは、企業側の人間と労働者側の人間に分かれる。
日本は労働生産性がイタリアより低い。イタリアではメリハリをつけて働いている。
イタリアでは労働組合が産業別になっている。
イタリア人のモチベーションは、何でもやることで出世を目指すのではなく、業界のプロとして技能を高めること。
日本の労働組合は、企業の中の一組織。
イタリアは、ジョブ型雇用といえる。
何でもやる社員、は転職力にとってはネック。
スキルには3つある。
最低限仕事をするスキル、その会社で通用するスキル、専門的なスキル。これを磨くのが転職力を高めること。
ILOの宣言で、「労働は商品ではない」=奴隷のように売り買いしてはいけない。は、事実か?
訓練への投資の経済的インセンティブ=MBAを取得する費用は、会社が貸し付けたことにして一定期間勤務すれば免除する。
かつては、アメリカでは労働食い合いは独占禁止法に反するものとして違法とされていた。
労働時間規制の限界=指揮命令下に置かれている時間。カウントができない時間が増えている。
労働法はパターナリズム。家父長主義。強者が弱者に配慮するという行動規範。弱者はいつまでたっても弱者。強者になるには転職力をつけること。