電子書籍
米国の組織的アプローチに学ぶ事が多い
2017/01/15 14:43
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投稿者:ごみ - この投稿者のレビュー一覧を見る
米国の陸軍情報部が部内のための広報誌「情報広報」に掲載された日本軍に関する解説記事から日本軍の実像を読み解く。
従来、国内では日本軍の特徴を白兵主義、精神主義と言われてきたが、米国論理での異なった日本軍の分析が興味深い。
また、戦時中に敵軍に関して情報を収集・分析し、広報誌で自軍兵士を啓蒙していた米国の組織的アプローチに学ぶ事が多い。
つまり、広報誌によって、敵の戦い方、心理を事前に知ることで、優位な戦術、恐怖心の抑制により、貴重な兵士を死から守り、全体コストの圧縮を考えていた点。そうした兵士(人)へのアプローチに大きな差があったと思えた。
米国コスト:徴兵者の家族の生活保障、戦死者への補償、世論への影響
紙の本
敵はよく見ている。
2015/12/26 22:09
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投稿者:タナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
何事でもそうだが、相手をよく研究する事が、勝利への近道である。
我々は自己を高めればなんとかなると言う事に傾倒し続けてないか。
米軍の報告書は、その点を良く分かりやすく指摘している。
我々は、その教訓を忘れてはならない。
電子書籍
太平洋戦争時の日本兵
2016/12/31 02:35
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投稿者:ゴジラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は太平洋戦争時にアメリカ軍相手に戦った日本兵について米軍報告書という資料から論じたものとなっています。
本書に引用されている図のひとつひとつが大変興味深いです。
紙の本
太平洋戦争時の日本兵
2016/12/31 01:42
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投稿者:ゴジラ - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本は太平洋戦争時にアメリカ軍相手に戦った日本兵について米軍報告書という資料から論じたものとなっています。
本書に引用されている図のひとつひとつが大変興味深いです。
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米兵による冷静な日本兵の観察で興味深い。食べ物などの話は面白い。しかし、後半の作戦部分は繰り返しの感がある。
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第二次大戦中、米陸軍軍事情報部は日本軍とドイツ軍についての部内向け情報誌Intelligence Bulletinを発行していた。その目的は、プロパガンダによって米兵の敵愾心を煽ることではなく、どのように対処すれば日本軍、日本兵との戦闘に勝利することができるかを指南することにあった。マニュアルが事実に反していれば戦場では命取りだ。米兵の体験談や日本兵捕虜の証言などを踏まえて、同誌は日本兵の行動パターンや日本軍の戦術や兵器を綿密に分析している。本書はこうした米軍側の記述に注目し、集団戦を得意とし個人になると途端に脆くなる等身大の日本兵と、米軍の攻勢に対してそれなりに「合理的」に戦術を変えていった日本軍の姿を明らかにする。現代の日本人と日本社会につながる指摘も多く示唆に富む。結局われわれは彼らの後裔なのだ。
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日本兵および日本の軍隊に対しての、まさに
戦闘中のアメリカ軍からみた考察資料です。
随所で指摘されていることは、自分の考えで
行動することが不得手。想定外の出来事に対しての
対応力が脆い、という部分です。
天皇や靖国のために戦っているのではなく、
味方の虐待や体罰が怖いから闘っているに過ぎない、
とまで言い切る米兵の証言まであります。
上から言われて「やるぞー」とか「センニンギリ」と
かを絶叫する(させられる)ところなどを読むと
やはり戦略もなく、気合で乗り切ろうとする方向性が
読み取れてきます。
冒頭に書いた致命的な欠点、予期せぬ事態に対処
できないというところでは、防御のみでなく
攻撃の部分にも関係しています。
日本軍は攻撃の際に、大声をあげます。威嚇することで
恐怖を与えて後退させることを目論んでいるのですが、
そこで米兵が踏みとどまって交戦してきたら、日本軍は
混乱すると・・・・。
負けるべくして負けた戦争、ということが
よくわかります。
ここでこの戦争をどうこう言いたくはありませんが、
例えば対戦車肉攻兵。文字通り、戦車(日本軍に
対して地上戦では一番驚異の兵器でした)に
一個人が突撃して、運転席まで到達して爆弾を
投げ入れるという、確率の低い作戦です。
普通の人では、できないでしょう。
このことについて、著者はこう語る。
「なぜ日本軍がそのような攻撃にうってでたかという
答えは導き出せない。実際には、当事者たちが
合理的だと思ったからこそ、そのような挙に出た。
ただし<合理的>だから正当だったと主張する
のではない。問題は合理性の中身であり、そのごく
狭い意味での合理性実現のために多数の人命が
犠牲として供された」
事実はきちんと残しておかなければいけません。
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米国から見た日本陸軍という事で、これはこれで偏見もあり客観的とはいい難いような。捕虜からのヒアリング情報が結構記載されているがコレに関しては、捕虜が本当の事を言ってるとは限らないし。都市部出身は親米で命を大事にし、田舎出身は教養もなくバカで戦死階級特進を喜ぶってのもどうなのかなと。日本人捕虜はペラペラ情報しゃべって敵軍に協力的ってのは昔から言われていた事だが、これが捕虜として大切に扱ってくれる義理という解釈は面白いけど。
精神論についてはムラ社会とか集団主義とか今まで言い古されてきた日本人論を繰り返しているにすぎないかな。日本人の敵は日本人だったのかな?という思いが少々強くはなったが。人命軽視についてはそれなりの根拠はあるという感じだけれど。
戦術等のテクニカルな検証についてはそれなりに妥当性はあるかもしれないが、あまり掘り下げると結構マニアックになってしまい読者を限定してしまっているような。
現代人は現代の価値観からでしか過去を捉える事はできないのは仕方のない事だが、こういう本を読む際のスタンスというか虚心になる事の難しさは痛感した。
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合理的な選択とは、誰にとっての合理的な選択だったのか。
日本軍という存在を知るのに、身内の資料だけでなく「戦った相手側からの分析された情報」をも資料にする。
戦後この研究に一般人(私)が触れるまでに、時間かかりすぎたのではないか。
ようやく歴史になりつつあるあの時代を知るのに良い書籍です。
ホントはどう戦ってきたかを知ることが出来なかったのは、何故なのかよく考えたい。
我々の祖先の戦いであり、我々は子孫なのだからこれは知らなかったではすまないレベルで今の現実と向き合いたい。
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「日本兵たちの多くは「ファナティック」な「超人」などではなく、…ごく平凡な人々である。」
「上下一緒に酒を飲み、行き詰まると全員で「ヤルゾー」と絶叫することで一体感を保っていた。」(本書P245)
その場しのぎの作戦で逃げ場のないところでの苦闘を強い(もちろん、補給も増援もない)、負傷者を“役立たず”と見捨て、生き残った者には玉砕を強要する。
なんだ、この国は何も変わっちゃいないじゃないか。なにも、わざわざ“取り戻す”までもない。
靖国神社に執着する人たちがいる理由もよくわかった。
彼らは平凡な人々を犬死にさせることに身勝手な居心地の悪さぐらいは感じているから、“死ぬまで働け”の玉砕精神を無理やりにでも「合理化」する装置を必要とするのだろう。
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米軍の戦訓広報誌Intelligence Bulletinに記載された日本陸軍に関する解説記事を通じて、日本兵のありのままの姿を描いている。いわば米軍が見た敵としての日本軍。広報誌である以上、多少のプロパガンダ的要素や主観は割り引かなければならないが、決してステレオタイプではない姿には興味が引かれる。
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当時のアメリカ軍人が読むものですからプロパガンダ要素もあるのだとは思いますが、そこにはある意味等身大の日本人も映し出されます。
集団戦においては組織力を発揮するが指揮官が倒されると自己判断によって戦闘継続できないとか、ほかの中隊に愛情を持たず上官の命令がない限り手伝おうとしないとか今日の日本人でも通じるような生々しさ。
ハッタリ戦法や自爆攻撃の多用、命を救われたと感じた日本兵捕虜の従順さの心理まで、なるほどと思わされます。
米軍の記録なので中国戦の様子はわかりませんが、東南アジア、オセアニア戦の様子を知りたいならお勧めです。
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第二次世界大戦中のアメリカ陸軍内雑誌が日本兵について扱う記事から当時の日本兵の特性について迫ります。日本兵とはなっているがほぼすべて陸軍に関するものです。
日本兵については「万歳突撃」による玉砕とかが有名ですが、兵站が足りて戦えるうちはそのようなヤブレカブレな戦術ではなかったし、徐々に戦術も進化していったようです。ただ米軍の戦車に対抗する有効な防御手段は無く、自滅的な戦術に頼るしかなかったようです。
日本軍の米軍が日本人と中国人を見分けるのにどうしていたかだとか陣地の挿絵とか興味深い内容が多かったです。本書によると日本兵は射撃が下手で全然当たらないということみたいですが本当なんですかね。
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日本陸軍の様相を、米軍の戦訓広報誌の解説から探るもの。太平洋戦線で米軍が日本陸軍をどう評価していたのかが窺える一冊だ。
現代からすると当たり前なのだが、物量と装備の差は作戦や用兵で何とかなるものではない。
とはいえ、だからと言って戦闘を放棄することはできないわけで、結果としてファナティックな様相を呈することになる。これは読んでいて辛かったなぁ。
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米軍から見た日本軍。敵からの視点ではあるものの、今までの帝国陸軍とは違う、特別でないという一面を垣間見ることができました。