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あらゆる意味で怪物サイトである「はちま起稿」。客観的に見て、最も成功した個人サイトの一つであるのではないでしょうか。
方方に迷惑をかけ、あちこちから憎悪を受けながらも、いまだ更新を続けており、広告収入により(スポンサーがいるんですよ!凄い)運営が成り立ち、複数の人間が食っていけてる。
これをたった一人で成し得た、清水鉄平という青年の手記として、実に貴重である。
要約すれば、アクセス数こそ承認であり成果である。彼は、それを愚直なまでに追い続け、青春の全てを投げ捨てて成功を掴んだのである。
地元で成功の糸口を掴んだ彼は、そのままの感覚で東京に出て、ますますビッグになっていく。
さながらロックスターの物語のようである。さらに身内に騙されて身を持ち崩すという見事なオチまでついている。
映画であればここで猛省し、真人間に公正するところですが果たして。
本著で貫かれているのは、先に挙げた「アクセス数こそ承認であり成果」という哲学。
さながら、一昔前のテキストサイト管理人のような感覚のままに、自分の感性を疑わずここまでやってきた。
そしてほぼ独学で、週刊誌のような扇情マーケティングと、悪質な情報を連発することにより客を中毒状態にすることを体得している。
そして独学であるが故、自分の感覚による尺度で「人に迷惑をかけてはいけません」などとのうのうと言い放つのである。
これは本当に参った。まともな感覚では、あんなサイトを運営し続けることは出来ないと思っていたけど、本当にまともな感覚ではなかったのだ。
最後に、本著は「ブログ運営のノウハウを明かす」とある。確かに明かしている。
その内容自体は、アクセス数を目的として行動していれば、普通に思いつく内容。
ただそれをこの清水鉄平という人物が運用してはじめて、「はちま起稿」というサイトが誕生するのだ。
評価は、星5つにするか迷ったが、1つで。ただ、サイト自体に色々「思い入れ」のある人にとっては凄く面白い内容であると思う。ちなみに中古で買いました。