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ある有袋類。睡眠時間(うとうと時間も含む)はおよそ16時間。エレガントな消化器官を持ち合わせているため、消化効率がすこぶるよく、羊の3分の1の草でよい。ただし、食物繊維のかたまりを食すので、一回の食事を完全に消化するには二週間もかかる。エレガント!
水分もあまりとらない。羊の20%でよい。代謝のわるい生活をしているのは乾燥地帯で生きのびるため。糞は立方体。糞で縄張りをするため。コロコロされては不都合なので、きちんと立方体の糞をぽと。のろまなようで、敵が来ると意外に素早い。近くの巣穴に頭を突込み、おしりでフタをする。おしりの軟骨はブーツ並みに固く敵を寄せつけない。セクシー?
この有袋類はウォンバット。p187。たった1ページでこれだけのことをユーモアのある筆致で教えてくれます。たとえばほかに、ヤシガニの項を読むと、アイスキュロスの悲劇性についての深い考察を読者に喚起します。
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本屋にて表紙買い。
……装丁は綺麗、収録されている図版や写真はすべてカラーで見やすく秀麗。
網羅されている動物も、無脊椎動物から哺乳類まで、陸海空すべての範囲に渡って全100種以上…… と、ものすごく豪華で充実した内容、なのだけど……
なのだけど。
なんだろう、この、全体に漂うチープ感というか、深夜の海外通販番組を見たあとのような読後感……。
(「ハーイ、ボブ! それはなんだい?」で始まるアレです、アレ)
おもしろくないわけじゃない。買ってソンした、と思う内容でもない。なんだけど、なんともしょっぱい読後感の、不思議な一冊。
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ダントツで奇妙なのがアオミノウミウシでしょう。その美しい仮面の下には残忍な殺し屋が隠れています。いわば海のファム・ファタール。
…なんて解説をイラストや写真とともに読んでると、時間が経つのを忘れてしまいます。こういう本こそ家においておきたいよね。
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生き物たちの個性
世界にはたくさんの生き物たちがいる。
人間はその頂点に立っている、というのは思い上がりで、なおかつ最も奇妙な生き物だ。
そんな奇妙な生き物が奇妙な生き物図鑑を読んでいる図、なんともおかしな光景だが、まあいい、頁を開いてみよう。
無脊椎動物から始まって、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類と続く。
それぞれからお気に入りをあげていこう。
爬虫類
ヤシガニ:ヤシガニに挟まれた時は、くすぐる。
「この生き物があなたの左足を粉砕しようとしているときに、にっこり笑って「こちょこちょこちょ」といいながら、そいつのお腹をくすぐるというのは、どう考えても尋常な人間ができる反応ではない」
魚類
クマノミ亜科:逐次的雌雄同体
「クマノミの男の子たちが大人になったらなりたいもの。それは、宇宙飛行士でも電車の運転士さんでもない。「彼」が本当になりたい物は「彼女」だ」
両生類
チチカカミズガエル:酸素の薄い地での生き残り戦略に適した形
「ヴィクトリア朝時代、博物学者たちがその青く澄んだ湖水深くにいる奇妙な姿のカエルを発見する。彼らは(中略)このカエルくんを命名するとしたらこれしかない、と決めた。その名は水中に住む陰嚢」
などなど、あちらこちらにウイット、ユーモア、毒のきいた言葉がちりばめられている。
はっきりいって、大笑いだ。
何ともおかしな行動、見た目、名前。
しかし名前はともかく、生き物の多様性には驚かされる。
どうしてこんな形になったのか、といわれればそれは全て生き残り戦略で、無駄な争いをさけて進化してきた結果なのだ。
動物に対する興味をより強くしてくれる一冊だ。
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文字通り、変な生き物ばっかり集めた本。すごいねー。世の中にはびっくりする生き物たちが多いねー。って感心します。
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奇妙な生き物を、ブラックユーモアを交えて紹介。
早川いくを『へんないきもの』シリーズに似てる印象。
情報量はこちらの方が多い。
著者が外国の人ということで、日本人には馴染みのないジョークが気に入れば楽しめると思う。
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このたぐいの本、後悔するだろうな、と思っているのについつい読んでしまう。
話のタネとして面白いことは面白く、ときどきはへーと思うこともあるのだけれど、
「(日本では)素揚げにしたものや生のままのハチ(文脈からして蜂の子のことではない)が好んで食べられる」
「推定ではイギリス人は年間1キロの節足動物を消費しているという」
みたいな誤訳なのか誤解なのか(→訂正。エビ・カニは節足動物だった)、はたまた冗談なのかよくわからない記載がちょくちょく出てきて、ほかのところを信じて大丈夫なんだろうか。
1つの動物について1~2ページの記載。本当に知りたいことは書いてない。
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訳が微妙なのだが、大人が載っても大丈夫な背中を持つトガリネズミとか、「エルヴィス分類群(アリクイとセンザンコウとか)」等、結構な情報は一応アレな語り口で説くので、うーん。
ニュージーランドのコウモリのもふもふの中に生息する社会性生物がそこそこツボ。