電子書籍
儚い彼岸の景色を見た心持ちになれます
2015/02/16 16:56
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投稿者:はな - この投稿者のレビュー一覧を見る
美しく儚い関係はこんなにもせつないものなのかとほろ苦い気持ちで読了しました。
叶うならば、かりそめの家族が今この瞬間にもそのまま旅を続けていてほしいと、願ってやみません。
紙の本
マンガ文化の成熟
2019/07/02 22:21
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投稿者:たあまる - この投稿者のレビュー一覧を見る
2014年度のマンガランキングで上位入賞したという、近藤ようこの『五色の舟』は文化庁メディア芸術祭マンガ部門の大賞受賞とかで、要するに非常に高く評価されているようです。
「くだん」が出てくるというので読む気になりました。
小松左京の「くだんのはは」以来、くだんには気を引かれるのです。
かなり特異な、場合によってはゲテモノすれすれの設定のマンガです。
興味深く読みましたが、子どもたちにはとてもおすすめできない。
でも、大人が楽しむマンガがしっかりある、というのはマンガ文化の成熟を示すものなのでしょうね。
紙の本
大好きな漫画です。
2017/04/09 21:54
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投稿者:M77 - この投稿者のレビュー一覧を見る
戦中の見世物小屋一座がくだんに出会う話。
ブレーメンの音楽隊のイメージもあるのかな?あれよりずっと静かで優しい。
清子さんは本当は自分が学校に行きたかったのかもしれない。
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投稿者:はろーはろー - この投稿者のレビュー一覧を見る
何か懐かしく、何かおどろおどろしい世界が広がっている。昔の空気を感じるのだが、何か違う。漫画という表現方法のなかでしっとりと落ち着いた雰囲気を出している良い作品である。
電子書籍
不思議で悲しい話
2015/01/28 12:32
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投稿者:ろん - この投稿者のレビュー一覧を見る
血のつながりのない障害者一家が
戦時中を助け合いながら生きていく話が主軸で
しかしメインは後半のSFチックな展開なんだろう。
SFといっても小難しいようなものではないので良かった。
近藤ようこさんのイラストもマッチしてました。
電子書籍だと紙の半額近くの金額で読めるので
買ってみて損はないかと思います。
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まさに奇蹟の一冊。みんな言ってるけど、津原泰水のあの原作をビジュアル化してしまうなんて。ひとつひとつの場面は思い描きやすいが、それをつないでいくことは不可能と思っていた。
そして生まれたものは原作を離れ新たな神話となる。産業奨励館のある風景の美しさよ。
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どことなく「七瀬ふたたび」のラストシーンを別のモチーフで展開させたような作品。原作者の後書きにもあるように
「W3」の変奏曲としても読めそう。
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必読。ただその一言です。
名手・津原泰水の手になる短篇「五色の舟」(短篇集『11』所収)、そのコミカライズですね。
見世物一座の少年、和郎を語り部とする本作は、原作からして傑作といえるものでした。津原泰水一流の高密度な文体を見事に視覚化した本書もまた、原作に勝るとも劣らない素晴らしいものです。
いずれも何かしらの欠損を抱えながら、互いに「家族」として日々を過ごす見世物一座の人々。彼らが出会う、未来を予言するという化生「くだん」。そして和郎が見る「五色の舟」の夢……あくまで静かに語られる物語の末に和郎たち家族が迎える運命は、幸福でいながら喪失感に満ちています。
わけても終盤のモノローグ、そして最後に描かれる俯瞰の構図はあまりにも切ない。和郎と、彼の半身ともいえる少女・桜のやり取りが強く胸に迫ります。
とにかく読め、としかいえない一作。是非。
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自らの奇形の身体を見せ物にすることで糧を得、時には奇形どうしのまぐわいをも見せる見世物一座。一座はあるとき「くだん」が産まれたとの噂を聞きつけ、それを一座に加えようと思いたち……
過去も現在も未来もすべてを言い当てる「くだん」、家族として身を寄せ合い生きる奇形の人々、そしてますます激しくなる戦争、それらが渾然となって幻想的な雰囲気をもたらす。そして、それと同時に「くだん」にSF的な機能を果たすことで、ただの幻想に流れず「くだん」の存在意義にまで踏み込む。このバランスの絶妙さ。
もとの原作がいいのか、近藤ようこのアレンジがいいのか。これは原作も読んでみないと。
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それは1冊の漫画でしかない。
読後に感想を言葉にできないというか、この複雑な気持ちの揺れを表現できる「ことば」をもたない。感情を言葉の檻にとじこめたくないとすら思う。10人読めばきっと10人とも違う感想をもつんだろうなと思わせる1冊の漫画。人だけじゃなくて、読む環境とか読むタイミングでとかでも、いろいろとかわってくるんじゃないかと思う。でもきっと、みんな読んだあとでは自分自身から目をそらしている部分があったことに気がつくんじゃないかな。
ぼくはずっと、こういう風に言葉にできない感情を引き起こす本や漫画を読み、音楽を聴いてきた。その言葉にできない感情と向き合い続けることの積み重ねが、今のボクを作ってきたんだと勝手に思ってる。ほんとに勝手にね(笑)
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津原泰水の小説が原作とのことで手に取りました。
五色の舟に乗るのは、血の繋がりがない異形の家族。
それぞれが一人で生き抜くには過酷な第二次大戦当時。
くだんが見せる未来は夢幻でも、家族には変わらない。
ひととひとが美しく結び付いた作品です。
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これはいい漫画ですわ……!戦時中の見世物一座の矜恃と生き様。そして件と平行世界。最高のエンタメっすわ……
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タイトルからして白黒キンドルで読むのは
どうかと思ったが問題はなかった
SFにもコミックにも詳しくないため
あんまりうまく評価できないが
戦時中の妖しさと空気感が
SF的な要素と相まって
独特の雰囲気
うまいのかうまくないのか
よくわからない絵も雰囲気に合っている
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小説より先に漫画版を読んでしまったのがよかったのかどうか。どちらから読むか少し迷ったんだけど。近藤ようこは坂口安吾「戦争と一人の女」と夏目漱石「夢十夜」を読んだことあるが、サラリとした筆致が原作の不思議な感触と合っていて、すごいとは思わなかったけど悪くはなかった。「11」の巻頭「五色の舟」の漫画版は、5人のフリークスの話だからグロテスクになりそうなんだけど、近藤ようこのタッチはそういう身体的なところを意識させず、可愛い利発な男の子、女の子として見せる。ただ想像し始めると結構しんどいのだけど。「くだん」は小松左京の短編が私には非常に印象深いのだが、絵で見るのは初めてかも。近藤ようこ版はなんか可愛い。とりとめのない不思議さ。
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原作未読なるも、家族が不意に買ってきたので読む。
近藤作品は割と好きなので、スルッと入り込めた。
第二次世界大戦末期の西日本で、
血の繋がらない疑似家族が見世物で生計を立てている。
一家の主は
未来を予言する、牛と人のハイブリッド「くだん」を
買い取ろうとするが……。
無惨な世の中に抜け殻を置いて、
幸福な別の時空に足場を移す=「舟」を乗り換える、
という発想が凄い。
悲しいし、切ないけれど、
夢でも幻でも仮初めでも、彼らが幸せなら、
そちらの世界が永遠に続けばいいと思った。