紙の本
いろいろな短編が詰まった一冊
2020/04/04 16:41
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投稿者:つきたまご - この投稿者のレビュー一覧を見る
いろいろなジャンルの詰まった、かなり質の高いアンソロジーでした。
ミステリと一言で言っても、犯人当てから不思議系まで、様々なものを楽しめました。
心に残ったものをいくつか紹介すると、
「アリバイさがし」
これは、主人公の女性が上品でした。
アリバイ探し自体よりは、物語としての成り行きに注目してしまう話でした。ミステリかと言われると「?」ですが、かなり好きな話。
「終列車」
正直、難しくてわからなかった。。。
「マニング氏の金のなる木」
結末は、正直予想はついたものの、良い話だった。
「拝啓、編集長様」
さすがクリスチアナ・ブランドという感じの話でした。
手紙形式で語られる物語で、続きはどうなるのかとハラハラしながら読んでしまいました。そして、まさかのラスト。。。
「子守り」
これは怖かった。かなりゾッとしました。
この続きを想像してしまって、また怖い。。。
こういう、短めの短編がたくさん入ったアンソロジー、大好きです。
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肩の凝らないミステリ小説として手にしたつもりが、奇抜なプロットと鮮やかなトリックに肩透かしをあびながら『ハヤカワ・ミステリマガジン創刊700号記念アンソロジ-・海外篇』を読み耽っていました。何れの作品も味わい深く、甲乙つけがたい16の短編集です。敢えて好みの作品を挙げると、レジナルド・ヒル『犬のゲ-ム』、イアン・ランキン『ソフト・スポット』、ジェラルド・カ-シュ『肝臓色の猫はいりませんか』、エドワ-ド・ホック『二十五年目のクラス会』、ロバ-ト・ア-サ-『マニング氏の金のなる木』・・・止まらない。
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主に単行本未収録作品を集めたミステリアンソロジー。オーソドックスなミステリから奇妙な味の作品まで、いろいろ楽しめます。
お気に入りはクリスチアナ・ブランド「拝啓、編集長様」。短めの作品でわりとあっさりしているのだけれど、だからこそこのラストには驚かされました。
ルース・レンデル「子守り」も好き。なんとも邪悪な読み心地の作品でした。これはとても怖い。
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ミステリ・マガジン700号記念アンソロジー。単行本未収録のものから編んだとのこと。犯人当てあり、「奇妙な味」あり、サスペンスありとバラエティ豊かな傑作ぞろいで大満足。フレドリック・ブラウン「終列車」、クリスチアナ・ブランド「拝啓、編集長様」、ピーター・ラヴゼイ「10号船室の問題」あたりがお気に入り。
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「マニング氏の金のなる木」(ロバート・アーサー)が印象に残った。銀行の金を使い込んで、捕まる前に隠したマニング氏。出所後、お金は簡単には取り出せない状況になっており、取り出す手段にまじめにこつこつ取り組むマニング氏。手段と目的、幸せとは、寓話的でいい話。
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短編集ゆえストーリーに深みを、トリックに巧緻さを求める向きには食い足りないかもしれないが、錚々たる名手による小品はそれを補って余りある魅力を放つ。
個人的には、『毒薬の小壜』のシャーロット・アームストロング、『偽のデュー警部』の読者へのささやかなプレゼントのようなピーター・ラヴゼイ「十号船室の問題」が購入の決め手。
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国内篇が良かったので、勢いで海外篇も。いやいやこれまたさすが。ゆっくり楽しんで読んだ。
単行本未収録作から選ばれているので、すべて未読というのも嬉しいところだ。奇妙な話やホラーや本格ものやいろいろあって、ミステリというジャンルの広さをあらためて感じる。
そのなかで、ロバート・アーサーというまったく知らない作家の「マニング氏の金のなる木」が、すごい名作とは思わないが、妙に心に残った。こういう「よくできたいい話」ってそんなにたくさんないのでは。
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SF者として生きてきたため、ミステリマガジンは縁遠かった。でも、このセレクションはどれも面白いですね。カーなんか最高だし、切なくなる「マニング氏の金のなる木」や、フレドリック・ブラウンなんかも不思議な味わいで人生をえぐる物語でミステリの幅も広がってます。最高。
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御節のようなアンソロジー。
早々たる作家が並んでどれもこれも良作なんだけど、そこには当然好みがあると言うね。
ロバート・アーサー『マニング氏の金のなる木』、クリスチアナ・ブランド『拝啓、編集長様』が好き。
これが売れて、本格よりなアンソロジーが出ますように。南無南無。
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『ミステリマガジン』創刊700号記念アンソロジー、海外篇。日本篇と同時発売。
日本篇と同じく豪華なラインナップ、同じミステリジャンル内ながら豊富なバリエーション、買って損はない内容となっている。どれか1作を決めるのは本当に難しい。
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好みの作品
「マニング氏の金のなる木」ロバート・アーサー、「二十五年目のクラス会」エドワード・D・ホック、「子守り」ルース・レンデル、「十号船室の問題」ピーター・ラウゼイ
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シオドア・マシスン「名探偵ガリレオ」を再読すべく購入。その昔、大学図書館の『ミステリ・マガジン』で読んだ短編。
アリストテレスを批判してピサ大学の同僚からも忌避され始めた狭量な青年数学教師ガリレオが例の実験中起きた殺人事件に巻き込まれ……というお話。さらっと書いているようで本格推理になっているのがさすが。こういうふうに書ける才能というのは稀有なものだと思う。買ったまま読んでない『悪魔とベン・フランクリン』も読まんと。
ちなみにこのアンソロジー、面白いです。編集者の技能もすばらしく、特に以下の3作を並べているあたり、著者それぞれの得意技爆発。まるで平成維震軍、越中、木村、小原のヒップアタック、稲妻、ランニング・エルボー・ドロップみたい。なにを言っておるのかわからんが。
フレドリック・ブラウン「終列車」
パトリシア・ハイスミス「憎悪の殺人」
ロバート・アーサー 「マニング氏の金のなる木」
堪能しましたです。もうブラウンなんか、タイトルだけで怖い。
他も面白いよ。ぜひご一読のほど。
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ハイスミス「憎悪の殺人」、レンデル「子守り」、C・ブランド「拝啓、編集長様」と女性作家はやっぱり怖い…。男性作家はそれと比べると結構お気楽だが、レジナルド・ヒル「犬のゲーム」はおばさんっぽいイギリス男の気持ち悪い怖さを感じた。ジャック・フィニイ「リノで途中下車」はギャンブルの危ない魔力感が半端ない、心臓に悪い作品。ジョイス・キャロル・オーツ「フルーツセラー」はげんなりする読後感。これをラストに持ってくるのはひどい…。好きなのは、映画チックなシオドア・マシスン「名探偵ガリレオ」と、クラシックな香り漂うロバート・アーサー「マニング氏の金のなる木」とエドワード・D・ホック「二十五年目のクラス会」です。
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目次
・決定的なひとひねり A・H・Z・カー
・アリバイさがし シャーロット・アームストロング
・終列車 フレドリック・ブラウン
・憎悪の殺人 パトリシア・ハイスミス
・マニング氏の金のなる木 ロバート・アーサー
・二十五年目のクラス会 エドワード・D・ホック
・拝啓、編集長様 クリスチアナ・ブランド
・すばらしき誘拐 ボアロー、ナルスジャック
・名探偵ガリレオ シオドア・マシスン
・子守り ルース・レンデル
・リノで途中下車 ジャック・フィニイ
・肝臓色の猫はいりませんか ジェラルド・カーシュ
・十号船室の問題 ピーター・ラヴゼイ
・ソフト・スポット イアン・ランキン
・犬のゲーム レジナルド・ヒル
・フルーツセラー ジョイス・キャロル・オーツ
書籍未収録のフレドリック・ブラウンの短篇が収録されているとなると、買わないわけにはいかない。
結果、フレドリック・ブラウンらしいと言えばらしい結末。
けれどやっぱり彼は、ミステリよりもSFがいいと思う。
そのほかの作品についても、本格派のミステリが好きな人や、重厚な作品が好きな人にはお勧めできない。
ちょっと不可解な謎が、角度を変えるとこう見えるといったものや、証拠はないけど心象では黒とか、全体的にすっきりしない作品が多い。
これはミステリマガジンがこういう作品ばかりを掲載していたのか、それとも編者の趣味なのか。
一番推理小説らしかったのは、「二十五年目のクラス会」。
ミステリと推理小説はイコールではないと思い知った一冊。
(小説としては面白かったものもありましたが)