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674ページもの内容でしたが、経営学をかじりながら、その理論の本質を自分なりに咀嚼した上で、実践への昇華を目論んでいる企業人として、大変勉強になりました。
マネジメントや組織論をベースに約70名の学者が名を連ねていましたが、まだまだ知らなかった方も多数登場しており、自分の経営学に関する知識の浅はかさを再認識(笑
本書は、経営学者達の理論の紹介だけでなく、コンサル会社を経営している著者(ご夫婦の共著)の所見が各章で明記されており、こちらの主張に多々共感する点が多数あり。やはり、コンサル業というビジネスの実践者という立場故かなとも感じました。
理論の紹介に関しても、ストーリー立てた形になっており、翻訳書にありがちな難解な文章でもなく、スラスラと読み進めることができました。監訳が、国内のリーダーシップ組織論の第一人者である金井先生ですからね。先生の著書は、初学者の私からも読みやすいので。
また、著書は合理的な欧米人思考的な仕上がりとなっております。プロセス重視ではなくアウトプット重視であり、またモチベーションの章でも、人(ヒューマン)の内在的な面ではなく、業務成果をいかに出すかという仕事視点の理論で組み立てており、日本人の思考形式との相違にも気づかせてくれます。
1980年代くらいのアメリカ経営学を知りたい方は、是非ご一読を。