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出会ってしまったら、それをなかったことにはできません。なんとかしてあげたいという思いが生まれます。自分にできることを一生懸命考えて、自然と身体が動くことってあると思う。それって本来、全ての人間に備わっているものではないのかなって、この本を読んで思いました。
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青のない国で男が見つけた見たこともない花。
これは「青い花」なのではないかと大騒ぎになるが…。
本自体がモノクロームと青のみで構成されています。
青のない世界に青が表れて、男の気持ちや状況に合わせて画面全体の色の構成が鮮やかに変わっていくのはとてもよくできていると思いました。男は、真偽ではなく、自分にできることを、自分の思うことをすることに決めるのですが、それはなかなか普段行うには難しいことだなと思うのです。
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青か青じゃないとか、どうでもいい。ただ、自分にできることを一生懸命する。そう思い至った男の心情のはなし。
大事なことはなにか、それを問いかけている。
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大人向け絵本。
人と話すより花と話すほうが好きな男が、山の中で見たこともない植物を見つけた。大切に持ち帰り、大切に育てる。やがて言い表せない色をつけた息をのむほど美しい花が咲いた。…
他人の決めた価値観ほど、不安定なものはない。自分が美しいと感じたものが美しい。
読み終わったあと、深く心に残る作品。とてもいい。
『小さい書房』さん、これから追ってみようかな。
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山のふもとの小さな町にひとりで暮らす男。
人と話すより花が好き。休みの日は山で鳥の声を聞き、木漏れ日の中を歩く。
ある日、男は山道で見慣れない植物をみつけて、持ち帰る。図鑑で探しても見つからないその植物が見たこともない美しい色の花をつけた。
青が広がっていく毎にページにも青が増えていく。
青、私にとっての青ってなんだろう。
今の生活での青って?
読後にふと周りを見回してしまう。
「伝説の青であるかはもはや問題ではなかった」
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大人向けの絵本です。
「青色」は神話上の神々の色とされ、神がいなくなった時から地上からも姿を消した色。主人公はたまたまその幻の「青色」の花を見つけるところから物語はスタートです。
青か青ではないか。そんなことはどうでもいいこと。モノの価値は自分が決めることであって他人の価値観ではない。たとえ嘘であっても人を幸せにすることもある。
実際には何が本当かわからないこともある世の中で、自分の価値観を持って生きることの大切さを感じました。
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本に巻かれている帯の一文「何が大切かは、自分で決める」
そう、そう、これは重要だよね。
「何が大切かは、自分で決める」。全面的に、賛成。
だけど、「何が、大切か」って、ハッキリ分かっているところと、微妙なところがあるのよね。
両立しがたい二つものを抱えて、両方とも大切に見えたり。
大切なものがたくさんあって、目移りして、どれか一つを選べなかったりしたり、
自分にとって大切なものがハッキリしていても、周囲の人たちや家族は別のものを大切にしていて、自分が大切なものを主張すると関係性が崩れる気がしたり。考え込んで、結局、「何が大切か」を自分で決めきれていない状態になったりします。
だからこそ、「本当に大切なものは、何か」という問いに、自分自身が向き合う必要があるのだと思います。
「青のない国」は、一人で暮らしている男が、珍しい花を見つけて、育て始めるところから始めます。その「花」の価値が、周囲の人々の言動により、変化していきます。
「花」の価値がとても高くなった時、あることをきっかけに、それまで大勢の人が見て感動していた「花」は見向きもされなくなります。
しかし、再び、その「花」を見たいという人との出会い、男は「何が、大切か」に気が付きます。
この本は、「何が、大切か」を考えるための価値のものさしが、どのような物事に影響されるか、左右されるかを示しています。
さまざまな人間関係の中で生きている、大人の今だからこそ、読みたい1冊。
自分にとって「何が、大切か」、その軸、ぶれていないか?
見直すきっかけになると思います。