紙の本
著者の奇想天外な想像力と、それを見事に翻訳された訳者の語彙力に驚嘆。
2020/10/08 10:41
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投稿者:Koukun - この投稿者のレビュー一覧を見る
1) 三銃士の息子から、古代の戦争で使われたカタパルトが、どうして宿の中庭にあるのか問われた宿の亭主の返答に、思わずプッ。
「 それは池に大きな波紋をつくるためでございます。日曜日になると、手前は女房とともに、近くにある池のまわりを散歩するのですが、女房の奴、池に波紋ができるのを見るのが大好きでして、、、、、。手前は石を拾っては、池に投げ込み、波紋をつくっていたのでございますが、女房の奴が、そんな小さな輪じゃ満足できないと申しまして、、、、、。大きな波紋ができないせいで、夫婦の間に波紋が生じてしまったのでございます。そこで、骨董屋でこのカタパルトを見つけた時に、おお、これなら、大きな波紋をつくって、我が愛しの女房殿を満足させることができると、そう思いまして、その場で購入したのでございます 」
2) 三銃士の息子が、闘牛士のキュウリモミータに会うためにスペインへ行くことに。マドリードに到着すると、ある人から、「 キュウリモミータは、気の弱いスペイン人のための、人道闘牛場にいる 」と教えられる。なぜなら、「 キュウリモミータは、普通の闘牛士ではないのです。もともと気弱な性格で、血を見るのが怖いのです。なにしろ、でんでん虫と闘うのも嫌なくらいで、でんでん虫にも、全然無視されるくらいなんです 」
こういう面白さの連続です。
原文はどんななんでしょう!
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『三銃士』のパロディ小説。
カミといえば『クリク・ロボット』のバカバカしさに腹を抱えて笑った読者も少なからずいると思われるのだが(あれは面白かった)、こちらも負けず劣らず。んなアホな、とツッコみつつも、冒険小説のキモを押さえたプロットで読者を引き込んで行く。
収録されているユーモラスな挿絵はカミ自身の手によるもので、これを眺めるのもまた楽しい。
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『三銃士の息子』の冒険譚。
カミはやはり素晴らしいw
先ず三銃士の息子が三銃士全員の血を引いているというとんでも設定。しかもその三銃士の中にアラミスはいないんだよ! (アラミスは僧籍に入ったからか?)
些細なところまでこだわっているくせに、訳者に地文でツッコミを入れられるような適当さも持ち合わせ、かつ荒唐無稽な話でありながら骨組みはしっかりしている。
作者手ずからの挿絵と共に非常に楽しませて頂きました。
そしてポケミスでありながらこの装丁は何とも素晴らしいの一言。
万人受けはしないだろうけど、自分は好きだ。
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一番印象に残った人物はアラミスです。クリク・ロボットのカミによるユーモア長篇。三銃士の息子が美女と正義のために突っ走る。あの名台詞、「ひとりはみんなの〜」の拡大解釈がすてき。そしてこの先スポンジやクレープを見るたびに笑えるんだろうなと想像してまた笑っている。
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デュマの「三銃士」の続編というかパロディというか。
おばかで笑える!ユーモア冒険小説。
17世紀フランス、その名も高い三銃士アトス、ポルトス、ダルタニャンの血をひいて生まれた息子がいた。(三銃士といってもなぜかアラミスは出てこなくて、ダルタニャンが入ってます)
三銃士全員の息子というとぼけた設定で、番犬ならぬ番羊?を従えてパリにやって来ます。
父親たち!のいいところばかりをとった勇敢な若者に育っていました。
ダルタニャンの(だっけ?)元従者のブランシェは、パリで食料品店をやっている。
ブランシェが縁あって育てた娘ブランシュ=ミニョンヌはすっかり美しくなり、何者かに狙われていた。
十人の悪党が彼女をさらおうとするが、その怪我にいるのは誰あろう、公爵‥?
三銃士の息子は美女を助けて、奇想天外な大活躍。スペインにも渡ります。
そこで出てくる「人道的闘牛」というのも面白い。つまり儀式にのっとって全部やるけど、全然殺さないんですね。作者は闘牛に詳しかったんだそう。
イラストも、カミ自身によるもの。
元々、風刺イラスト画家で、シャーロック・ホームズのパロディなども書いていた作家さん。
古い作品ですが、レトロ可愛い。
熱意溢れる仕上がりで楽しめました☆
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すっごいおもしろかった!!やっぱり『カミ作品&高野さん訳』は素晴らしいな!!
<訳者あとがき>の一行目にあるとおり、「抱腹絶倒のユーモア冒険小説」な、ご都合主義すぎるバカミスではあるんだけど、そこがいいんだ!!
で、「抱腹絶倒」の大部分は、訳者の高野氏の翻訳がやっぱり素敵で、ダジャレ・韻を踏むをがっつり繰り出し笑えるお話に仕上げている、すごい手腕!
やっぱり高野さんのファンにならざるを得ない~♪
おもしろかった!
そしていい話だった!!