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各章で「ここまでの内容のまとめ」がある。研究の話と調査旅行の話などがうまく織りまざっていて,サイエンスライティングとしてうまいなあと。
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バイオロギングを使った海洋生物や鳥類の生態、生理の研究を行っている研究者の本。
バイオロガーを生物個体に取り付けるという、技術の進歩により実現した比較的新しい分野の研究が、物理という道具を使い切り刻むことでさらに一歩前に進んで行く。それがさまざまな生物を例に出ていて面白い。その生物がまたマウスとかではなく極地にいる個体とというのがわくわく感を増大させる。
物理をしっかりものにしている科学者だからこそこのような実験モデルを組み立てられて、得られた貴重なデータから面白い発見ができるんだなと感心してしまった。
物理をもっと勉強しておくべきだったという気にさせられた。
実験現場でもある極地環境エピソードも面白くて笑ってしまう。
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マッコウクジラは2000m以上潜るし、あほうどりは46日で地球を一周する。マグロは時速7km程度で泳ぐし、ゴロゴロしてそうなゾウアザラシは1年のうち10ヶ月は大海原を泳ぎまわってる。バイオロギングの手法でもたらされた動物たちの大変興味深い姿。と同時にバイオロギングの進歩そのものにも感心するところ大。面白かった!
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動物の体に記録機器を取り付けるバイオロギングによって得られた成果をユーモア溢れる筆致で紹介するもの。大変、面白いです。マグロは80キロでは泳がないとか、興味深い事実が満載!
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ものすごく読みやすい科学の本。
動物に計器をつけてデータを集め、行動を調査する「バイオロギング」という手法でわかったこと。
海を泳ぐものと空を飛ぶもの。
南北の移動と東西の移動。
高くまで飛ぶ、深くまでもぐる。
速い遅い、軽い重い、運動量の多い少ない。
多様な世界を多様なまま理解しようとする生物学と、
多様な世界の普遍の原理を見つけようとする物理学。
なぜこの体はこうなんだろう、なぜこう動くんだろう、
人が知らない場所であの動物はなにをしているんだろう、
という「いきもののふしぎ」を軽快な文章でつづっていく。
内容がすごく面白い。で、楽しい。
知的な面白さと、遊びの楽しさと。
ひとつの話が実は次の話の説明にもなっている。
同じ原理がいろんな形で語られる。
ひとつひとつの話が興味深くて、順番に読み進めるときちんと理解できる。
わかりやすい文章というものは伝えるために練り上げられたものなんだなと実感しながら読んだ。
自分のやっていることが好きで誇りをもっている人の話は面白い。
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観察の難しい水中の動物や渡り鳥の生態を、バイオロギングという、センサーを付けてログを残す手法で調べる話で、著者の具体的な経験、歴史、今後の展望などをまとめている。
取得したデータから、どの動物にも当てはまる法則を導くために物理を利用する。生物学なのに物理学を利用するのが興味深い。
ロシアの湖でのアザラシの調査で、潜り方のパターンが体脂肪の違いによることを発見し、逆に体脂肪を算出する方法を導き出したところが面白い。
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バイオロギングという動物の活動を記録するという科学があることは知っていたが、その研究の話。失敗あり、喜びあり、苦労ありだが、仮説をたて、それを立証する過程もおもしろく語られている。NikeのFuelBandなどのライフログ機器もおなじバイオロギングだ。鳥が飛びながらも、運動量がすくない話がでてくるが、私も仕事しているふりをしてしる時間があることも明らかになってしまうのだろうか。
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おもしろかったです。
バイオロギングというわりと新しい研究分野の本です。
バイオロギングというのは野生の動物を捕獲して、センサーをつけ、回収したデータを生態学や物理学を使って分析し、動物が泳いだり、潜ったり、飛んだりしているときにどんなことが起こっているのかということを研究する分野だそうです。
とても読みやすく、すごく興味深い話や勉強になる話もたくさんあってよかったです!
淡水湖に住むバイカルアザラシの話が一番好きでした。
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独創的な研究をされている科学者である著者のユーモアあふれる調査の記録。
動物の体の構造については、とても不思議に感じていたが、どれも理に適っているところが、ただ単純にすごいと思う。
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ペンギン、アザラシ、クジラ、ウミガメ、アホウドリなどの様々な生き物のバイオロギングでの研究結果が、分かりやすく書かれており、とても面白かったです。
物理の話も、簡単に書かれていて、私のような物理苦手な人間でも理解出来たし。バイオロギングの歴史も、楽しくて、分かり易かったです。
章の最後に、その章のまとめをしてくれるのも、良かったです。
そして、これからのバイオロギングの行方も楽しみになりました。
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研究者本。バイオロギングの話。最新の研究者の話なので興味深い話が多い。しかし、文章ばっかりで、データや図や地図などが全然無い。データを示すなら図は必須でしょう。また、タイトルとは異なり、物理の話はほとんど出てこない。別の分野のやり方を持ち込む、世の中の技術進歩に乗る、蛸壺化しない、フィールドに出る、などの筆者の研究に対する姿勢はとても参考になる。
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タイトルで予想したのとは違って、どっぷり動物たちの本。主役はバイオロギングという、動物の移動を調査する手法。マグロは時速80Km以上で泳ぐとよく言われるが(そういうサイトがいっぱいある)実際には平均で時速7km、瞬間的に出すスピードでも20-30kmがせいぜいだそうだ。もちろんその根拠にはバイオロギングによる科学的な計測結果があるわけで、大変説得力がある。マンボウが浮袋がないわけも興味深かった。
動物に計測器を取り付けてトレースするバイオロギングはいろいろ楽しいことを教えてくれそうだ。いずれ機器が小型化して、すずめとかセミとか野良猫とかにつけられるようになったらきっと楽しいだろう。
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ペンギンそのもの、というよりバイオロギングについての本。渡り鳥の生態はどうやって調べるのか、世界で一番のろい魚は? アザラシ回収装置って何? と、バイオロギングを使って謎に満ちた生き物の生態を調べる方法についていろいろなエピソードを交えて面白く紹介してくれています。個人的に興味のある生き物ばかり登場して、バイオロギングの方法もとても興味深かったので、とても楽しく読めました。
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最近はバイオロギングという手法で動物の行動を追うことができる。アホウドリが46日間で地球一周したり、アザラシが741メートル潜ったりとする生態がわかってきた。生き物ってすごいねと純粋に思った。機能美の集大成って感じだ。著者のユーモラスな文体が読みやすく、それでそれで?とどんどん話を聴きたくなるところがいい。中に生き物のイラストとかあったら、もっとわかりやすかったかも。そこがちょっと惜しい。
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国立極地研究所に勤める生物学者である著者は、バイオロギングという調査方法を駆使して、これまでほとんどわからなかった野生動物の生態を調べている。バイオロギングとは、調査対象に小型カメラや記録計を取りつけ、得られたデータを分析することで動物の生態や行動を調査する技術だ。これはいわば、「未来からやってきた双眼鏡」なのだが、それを可能にしたのは、デジタル技術の急速な発展だという。GPSや人工衛星を使った追跡システム、親指の先サイズの革命的な記録計であるジオロケータなど、これらのおかげで特にこれまで追跡の難しかった大気中の鳥や海の生き物たちの暮らしぶりが、少しずつわかってきた。
アホウドリは46日間で地球一周する(速い!)、ウェッデルアザラシは1時間近く息を止められる(長い!)、クロマグロの泳ぐ平均時速は7km(遅い?)など、バイオロギングの普及とともに、え⁉と目が点になる調査結果が次々と報告されている。
さまざまな技術が進み、いつか米粒ほどの機器が誕生したら、裏山のアリにでも背負わせてみみたい。