紙の本
言葉と音の4編
2017/04/15 03:40
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投稿者:Todoslo - この投稿者のレビュー一覧を見る
本書収録「今井さん」ではインタビューを文字にするテープ起こしが印象的だった。作家だけではなくラジオの世界で活躍する著者らしい作品だ。
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「今井さん」「私が描いた人は」「鼻に挟み撃ち」「フラッシュ」
10代の頃からいとうせいこうさんが好きなのに、本は初めて。
冴えている人の小説にあたしが追いつけていない。
理解したいのにそれが出来なくて悲しい。
幸せとは言えないようで全く不幸ではなさそうで。
壊れてるのに気持ち悪くなくて。
「今井さん」は“ぞわっ”てなった。
怖かった。
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前衛的過ぎてわたしには楽しみきれませんでした。せいこうさんの頭の中どうなっているのだろう…。表題作に触発されて、ゴーゴリの『外套』は読んでみたくなりました。こういう連鎖はとてもありがたい。
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表題作の『鼻に挟み撃ち 』
カーキ色のコットンパンツ、白いボタンダウンシャツ、黒いカーディガン、紫色の薄いダウン、を着た「わたし」はその服装からしてせいこうさんそのものだな、と思っていたけれど、途中のパニック障害だった告白によってそれは確信をもって示されていく。私小説とも言える現実とリンクした世界、またはエッセイ的なリアリティの中、ゴーゴリの『鼻』『外套』や後藤明生の『挟み撃ち』が絡まりあって、いつの間にか虚構の新御茶ノ水駅前に立たされてる。
どこまでが本当? どこからが虚構?
戦争法案が可決し、憲法も改正されるような空気、遠くでテロが起こり、報復と称した大量殺戮が許容され、でもまだ本当には日本で戦争は起こらないだろう、と何となく目を逸らして目の前の平和だけを見ようとする雰囲気。そっか、私たちの鼻も失われてるのかもしれない。国会で起きてること、世界で起きてることはテレビや新聞の向こうにあるお話。どこまでが虚構か分からない。
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御茶ノ水で奇妙な演説をするマスク男と、それを隠れて聴く男。彼らにはそうしなければならない理由があった…。いとうせいこうにしか書けない、可笑しくて哀しい、人生4つ分のふしぎ。
作者はときどきTVで見かけるものの、あまり私の印象には残っていない。表題作は、読む人が読めばかなりゲイジュツ性が高いのだろとは思うけれど、どうも私の好みとは合わなかった。
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