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きんもちいーい!
爽快、さっぱり、わかりやすい。
帯にはお仕事小説を超えた生き方小説、とあって、いやでも、そんなことさえ考えなくていいんじゃないのかな。
とにかく、感じいい。
作者の人がきっと、素直でまっすぐなんじゃないのかな、とさえおもう。
奥田英朗、荻原浩あたりのお仕事小説の爽やかさと、宮藤官九郎あたりのチームワークとかがいい感じに混ざって、最高に後味のいい読後感に仕上がってます。
会社勤めをしてるとわかる。派遣を選択した矜恃、でも揺れる気持ち、派遣にプライドがあるほど正社員とは線を引き、だけどときどき沸き起こる仕事の姿勢への疑問や、自分の立場への不安感。
さらに工場、というすこし特殊な環境だからこそ、この規模で多くのファクターをいれて小説が仕上がったのだとおもう。部署ごとの確執、本社と支社、男尊女卑思想、システムの変更、コミュニケーションエラー、社内恋愛、仕事と結婚、などなど。
欲を言えばもう少し主人公に海外とのやりとりをさせてあげて、国ごとに違うカルチャーギャップとかもいれてもよかったのでは、とおもう。町工場とのやりとりが、ビビッドであまりにリアルだったので、ちょっと欲張って。
赤毛のアン的なストーリーは苦手なのだけど、それでもこの本が読めたのは、工場(調達)やメカニックなど、ディテールへのこだわりがしっかりしてたからだとおもう。なくてもいいのかもしれないけれど、それがあったからこの小説には、単なる小綺麗なオフィスラブアンド奮闘記以上の芯のようなものがうまれたのではないかな、と。
奥田英朗の『マドンナ』『ガール』や、荻原浩のユニバーサル広告社シリーズ、もしかしたら少しだけ、五十嵐貴久の『年下の男の子』『ウエディング・ベル』がすきなひとならたぶん、楽しめること請け合い。春のぽわっとした陽気にあった、作品です。
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読後感は良
ただ「お仕事小説を超えた生き方小説」とあるけど、そこまででもないような。
イマイチのめり込めなかったような。シンクロ率70%くらいだったかも。
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新しい職場は地味な部品係。最初の約束とは違うじゃないと思いながらも真面目に取り組む苑子。仕事のデキる人は畑違いの仕事でも優秀なんだな。うらやましい。
仕事は完璧にしたい苑子、ヘラヘラしているけど柔軟な作田、足を使え体を動かせという鬼塚、仕事に対する信念がそれぞれにあって、興味深かった。
自分の希望する仕事内容とは少し違ったけれど、契約延長するくらい居心地の良い、しかも自宅から近い職場が見つかってラッキーだったよね。
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英文事務のはずが、自動車部品メーカーで部品係も兼務することになってしまった派遣社員・苑子が主人公のお仕事小説。
頑固な性格ゆえぶち当たる壁、揺れ動く心境が痛々しく刺さる。でも、周囲の人と衝突しながら、支えられながらどんどん成長していく姿が晴れやか。スッキリ清々しい読後感でした。
自動車部品メーカーの仕事を垣間見れ、面白かった。
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どうしたら良かったんだろうね。
上手く行くときと行かない時の差。
後悔して、思い返して、あの時ああしておけばとか、さっきのはこう言った方が良かったのかなとか、色々考えるけど正解は分らないし、その後悔自体が、実は後悔するようなものじゃなかったりすることも。
わかんないんだよ。
今の自分の精一杯で生きるしかないんだけど、本当に疲れるよね。
そんな時に、「悪意」と思われるようなものを受けると本当にダメになる。
でもそれが本当に「悪意」なのかもなかなか判別できなくて。
それで聞くべきことをきけなかったり、逆に悪意を自分から受けに行ってしまったり。
何が正しいのかなんて、どうしておけば良かったのかなんて、本当に分からない。
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前の職場で受けた心のキズが癒えぬまま、新たな
派遣先へ向かった本郷苑子29歳。そこで英文事務を
するはずが、なぜか作業服で部品係を兼務
することに…。今度の職場もハズレなのか?お仕事
小説を超えた生き方小説。