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ビットコインをいうものを耳にしたことがあるのですが、恥ずかしながら何のことかわからず、地域通貨との違いも分かっていないのが現在の私です。
表紙の「従来の通貨の概念を360度変える」というタイトルに興味を持ってこの本を読むことにしました。通貨発行数量の上限が決まっている、年毎に発行量を減らす、デフレを狙っている(p66)等のことがわかりました。
ということは、通貨の流通速度が徐々に減少してしまうのでは、という懸念を抱きましたが、今後更に類書を読んで理解を深めていこうと思いました。
以下は気になったポイントです。
・ビットコインを一言で表すならば、インターネットを使った「P2P:参加する全てのコンピュータが同じ役割をもち、中心がない」のデジタル通貨である(p1)
・政府がビットコインを禁止する(台湾、ロシア等)のは得策とはいえない、禁止するとアンダーグランドに潜ってしまい、悪いことにしか使われないシステムになる(p16)
・アップルは、ビットコインの「ウォレット」アプリを載せなくしている。その理由は、ロシアがビットコインを合法と認めていないからだろう(p17)
・ビットコインは、それが使われていく市場が広がっていくなら、つねに希少になるように設計されているので、今よりも悪い経済社会が訪れることになる(p21)
・ビットコインの物理コインは現実的には使うのは難しい、プライベートキーが本当に埋め込まれているのか、またその口座に残高があるかどうかも確認が必要(p26)
・現在のところでは、ビットコインコミュニティは、取引ごとに新しい「アドレス」をつくることを奨励している、取引相手にアドレスを教えても、もろもろの取引の様子を見られずに済むので(p36)
・ダウンロードしたアプリが不正に改竄されていないかどうかは、「ハッシュ値・ダイジェスト」をもちいて確認できる(p48)
・ネット上で商売を始めて、オンライン決済を導入したいとしたら、BTD(ビットコイン)での支払い受付は、導入コストがほぼゼロ(p49)
・BTCが送金元から送金先へ確実に移動したと確認できるまで、顧客は払った場所にいつづける必要があるので、コンビニで買い物する場合は、プリペイドカードにBTCの額面をチャージしておいて決済するのが実際的(p51)
・貨幣で物が買えるのは、みんながそれを貨幣であると信じているから。(p60)
・貨幣は誰かが制度として作ったというよりも、私たちの生活のなかで交換を成り立たせるために、自然発生的にできたもの、言葉と似ている(p64)
・ビットコインの最大の欠陥は、インターネットに繋がっているのが大前提なので、そうでないと使えない(p81)
2014年4月29日作成
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薄めの本。しかし、ビットコインについてバランスよく説明されている。筆者は総論的にいわゆる仮想通貨を歓迎しているようだが、各論的にはビットコインについては批判的である。その辺の論拠がちりばめられた一冊。ビットコイン入門としてはふさわしい本だ。
考え方についてはかなりの説明がされているが実際の扱い方については、この本を読んだだけではわからないように思った。この点が残念。
p014.ビットコインでは、新たなBTCの供給量はしだいに少なくなるように工夫されていますので、今後も需要が変わらないか、あるいは大きくなるのであれば(すなわち社会に求められていくのであれば)、値段が上がる傾向があります。ただし、持っているだけでどんんどん値段が上がっていくものなら、人々はあえてそれを日常の支払いには使いませんから、貨幣としてはその点で破綻しているともいえます。
p064.地域通貨が特徴的なのは、それを使うことで社会に新たな競争や区別を導入しないという考え方でつくられているということです。仲間としてともに地域で生活していける環境をつくっていくためですから、当然です。一方、ビットコインはその中核に競争の考え方があります。
p066.ビットコインでは、デフレが起きるような設計がされていますが、うがった見方をすると、富める者たちがそれを利用してさらに儲けようとしている、ともいえるかもしれません。貧者にとっては、インフレでもデフレでも、あまり関係ないのかもしれません。貨幣の価値が上がろうが下がろうが、そもそもたいして持っていないからです。そして、貧富の差が拡大している現在、人口のほとんどは貧者だともいえるのです。
p070.貨幣は、信用や信頼感にあふれるリッチな人間関係の代替物だと考えられます。
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ビットコインのアウトラインから技術的な仕組みまでを大まかに解説。「制度的なものからの逃避」を目的に考案された通貨なのに、その設計自体に「希少性=権力の固定」というすぐれて制度的な概念が忍び込んでいる、という皮肉の指摘が面白い。
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ビットコインの本連続で読破です。これも内容的には他と大差なく、特別に得られる知識はありませんでしたね。
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ビットコインに対しての著者の考えを説明するために、ビットコインとはどのようなものか、が書かれた本。
2H程度でビットコインの概要理解できるような読みやすい本だった。
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P2Pデジタル通貨、信用ではなく暗号学的な作業証明に基づく電子的支払いシステム。
仮想というところがわからなかったのですが、決済、すなわち価値のやりとりに使える、という説明で何となく理解できました。
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中学生に話をするように心がけること。素晴らしい前提だと思う。ビットコインの解説を紙幣、通貨の歴史や本来の存在意義への考察を含めた内容が非常に簡潔に纏められている。
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ビットコインについて分かりやすい解説書。中学生にも分かるようにと心がけてあるだけに、平易な言葉で書かれてある。非常に分かりやすい、が、ビットコインが今後どのように使われていくのかはまだ未知数だなと思った。金持ちがさらに金持ちになるような仕組みかもしれない。
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2014年の本ですがこれからビットコインについて知りたいという人には十分役に立ちます。本書は「入門編」「使い方編」「そもそも編」「しくみ編」の4部で構成されています。この中で「そもそも編」ではビットコインに否定的な意見を持つ筆者の視点を知ることが出来ます。「通貨とはなにか」について自分なりに考える良いきっかけになりました。
特に、発行数上限が近づくにつれて希少性が上がり「先行者有利」なまま「持てる者」と「持たざる者」の格差が指数関数的に広がっていく現状のビットコインの設計については、「これが本当に最善なのか」今一度じっくりと考えないと行けないのではないかと思いました。この辺りの「より良い通貨」の設計というテーマについては岩村充教授の『中央銀行が終わる日: ビットコインと通貨の未来』でより詳細に議論されているのでこちらも一緒に読むと面白いです。
PoW等の仕組みについてさらに詳細に知りたい方には大石哲之さんの『ビットコインはどのようにして動いているのか?』(Kindle本)がオススメです。
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従来の通貨の概念を360度変える」 その通りで、元に戻って、中学生にもわかるといいながら、理解できなかった。4年前の本で、実現前の理想論かな。その後の現実の動きがあり、紛失騒ぎがあり、投機目的化しており、4年の時間のずれを感じる。
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2018年4月7日読了。ビットコインに関する2014年時点での解説書。薄い本で巻末は技術解説であり、完全な素人向けではないが読んで色々理解できるところもあった。著者のスタンスは「ビットコインの設計思想には不備があり不完全な通貨と言えるが、将来的にブロックチェーンの技術が活用されていくことは間違いない」というものか。「仮想通貨」の呼称が正しくないこと(円やドルも「実通貨」とは言えず、貨幣そのものが「仮想」の要素を持っている」、自由を志向するビットコインが結局中央集権的な強大な力を呼び込む設計になっていること、ビットコインは富の集中化を招き、格差の拡大を助長するのみで現行貨幣の問題を解決できないこと、ネット接続が前提となるため実店舗での使用はプリペイドカードなど別の仕組みがないとできないこと、ビットコインに価値があり将来的に価格が上昇するのであれば誰も決済に使用しない、という貨幣としての欠陥があること…。問題やリスクを挙げればきりがない、ということか。推進派の意見や本も見てみたい。