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妹より譲受本。
とびきり屋見立て帖 シリーズ
私は時代物はあまり読まないですが、妹からくるこの本は好きです。
夫婦仲がよい真之介さんとゆずさん、そして奉公人さん達の成長も描かれていました。
作者の急逝が残念ですし、もう次が読めないと思うと残念です。
ご冥福をお祈りします。
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山本兼一さんを初めて知ったのは「利休にたずねよ」でした。
その時にお茶の世界の奥深さ、利休の考える美、に惹かれました。
この作品は、茶道具が好きで茶道具の販売をしている夫婦が、お店に持ち込まれた道具から引き起こされる事件を解決していくお話。
茶道具を愛でる夫婦の言葉の端々、夫婦が周りの人に対して愛情深く接する姿勢に、ほっこりしました。
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シリーズものと知らず、つい「赤絵そうめん」から読み始めて、「千両花嫁」、「ええもんひとつ」と読んできて、本作がシリーズ最終作。
「千両花嫁」が一番面白く、それ以降は、真之介とゆずの道具屋を切り盛りする日常がそれほど大きな盛り上がりや緊張感もなく恬淡と描かれている。読んでいて、ちょっと物足りない−あえて言ってしまえば少々退屈に思えてしまうほどだ。しかし、ひいき目で見れば、このわざと抑えたように感じは、あくまでも推測だが、本作品を長く続けたいという作者の愛着みたいなものもあったのかなという想像も働く。
幕末の京を舞台に、壬生浪士(新選組)の近藤、芹沢らの登場が多少の緊迫感をもって物語に起伏をもたせている。特に芹沢や、それからゆずにずっと横恋慕の若宗主のいやらしい書き方が大変上手で、毎回はらはらどきどきさせられる。坂本龍馬、桂小五郎ら志士との絡みも深まり、維新に向かって真之介とゆずの物語が今後どういう展開を見せるのか...と期待が高まるところでの作者急逝は、非常に残念としかいいようがない。
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連作短編6編
芹沢鴨は,相変わらず憎たらしいが,若宗匠はだんだん可愛げが出てきて,ゆずさんこっちと結婚しててもうまくやりはったんではないかと,むしろそちらの夫婦のやり取りの方を見てみたかったような気もした.とはいえ,夫婦の息もぴったりで,使用人の雰囲気もとってもいい.国宝級の品々が何気なく出てくるのにはびっくり!だが、その蘊蓄も楽しみです.
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真之介の目利きが自分と同じたびに嬉しく思っているゆずが可愛い。真之介とゆず、お互いに尊敬しあい、大切に思っている関係が素敵。展覧会で見た楽茶碗や利休の茶杓を思い出しながら読んだ。茶道具の良さを教えてもらえる作品だった。もっととびきり屋の話を読みたかったな。好きなシリーズだったので、続きがないのが残念です。
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好きなシリーズです。時代物のほのぼのってのは気楽に読めます。幕末の京都が舞台なので、新選組とか桂小五郎とか出てきます。道具屋夫婦で茶道具などが題材になっていますが、なかなか雰囲気が出てます。嫌味のなさはいいんですが・・ユーモアは不足かな?色気は最初から期待してないし(笑)
短編に分かれてると読みやすい。気分転換にいいですね。
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夫婦で古道具屋〈とびきり屋〉を営む真之介とゆずが様々な厄介事を解決していくシリーズ第四作。
今回はお茶道具の回。
堆黄(ついおう)の菓子器、都鳥の香合、鈴虫の茶碗に樂茶碗、そして利休の茶杓。
前作に引き続き、鋼(あかがね)屋・吉右衛門の信頼を勝ち取り高価な道具を扱わせてもらったり、恩人の桝屋・喜右衛門に自在置物を沢山預かったりと商いの幅や値が広がっている。
幕末の剣呑さはますます募り、大砲が轟いたり一時桂小五郎や三条実美が都落ちしたり、殺人事件も続いたり。
〈とびきり屋〉も喜右衛門に頼まれて暗号役のようなことをしたり、高価な道具を毎晩蔵に片付けたり枕元に置いたりと忙しい。
壬生浪の芹沢鴨は新撰組と名前を変えても金儲けの話に食い付きがめつい。何度も高価な道具を取り上げられそうになるが、近藤勇の助力や夫婦の力で取り戻す。
一方で茶道の若宗匠はゆずへの未練はまだ少しあるようだが、それよりも道具愛の方にシフトしていてだんだん好意的になってきている。
終わり方からするとまだ続編を書かれる予定だったように見えるが、残念ながらこの作品が出版される前に山本さんは亡くなってしまった。
この後起こる時代の激変を〈とびきり屋〉はどう乗り越えるのか、番頭・伊兵衛の恋の行方は、真之介はゆずの父・善右衛門と真の和解が出来るのか、などなど気になることはあるが、それは全て読者の中で完結させるしかない。