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とてもおもしろい。ファスト風土の地方都市を舞台にどうにも満たされない女の子達を描いてる。東京育ちなのであまり共感はできなかったけども、リアルな気がする。
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あ~、思春期こじらせちゃってる痛さとか、世間知らずの生意気さ、若者特有の根拠のない自信とかがビンビン刺さる。
昔の自分を思い出して赤面するような。
タイトルが秀逸だなぁ。
どこにいたって退屈で、他人を当てにするだけの痛さ。
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夕方のバイパス、ロードサイドに立ち並ぶチェーン店の看板たち。こういう景色を「ファスト風土」と呼ぶらしい。
廃れた地方の街で、いつか自分も何者かになれると漠然と思っている女の子たち。
地元のモテ男、椎名を巡って繋がる短編集。
田舎の息の詰まるような空気の描写がリアル。
「君がどこにも行けないのは車持ってないから」のファミレスの描写が秀逸だったな。
“フロアの通路を歩くときは毎回、品定めするような尖った視線を浴びる。知ってる奴じゃないかチェックしてるのだ。みんな誰かに会いたくて、何かが起こるのを期待してるんだと思う。あたしだってそう。”
あと「東京、二十歳。」の、上京して渋谷のミニシアターに映画を観に行くシーン。
自分だけが特別なアンテナを持っていると思って観にいった映画は満員御礼で、次の回のチケットしか取れなかった。
各話に共通して登場する、地元のモテ男、椎名。一番初めのお話で、椎名の現在が描かれていたのが逆によかったな。
あの時あんなにキラキラしていた椎名は、ちゃんとお父さんになっていて、なんにもこじらせてない普通のひとだった。
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8作品による連作短編集。
どの作品にも、椎名くんが出てくる。
地方都市の普通の女の子の話。
何か普通の話過ぎて、そうゆう事もあるよね〜的な感じ。
びっくりする話はないけど30代、40代の女子向けかな〜
'14.08.15読書完了
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人に薦められた本を読む第11冊目
中学・高校時代の友人に薦められ。いわゆるロードサイドストーリーといわれている短編集。唯一全編を通じて登場する「椎名」は、地方に縛り付けられている登場人物達の羨望の的となるキャラクター。ただし、話が進む毎にそんな彼も、どこにでもある地方都市の風景の一部に過ぎない事が徐々に明かされていく。恐らく生まれ育った地方を打ち捨てて都会に出た誰もが、抉られる様な激しい痛みに身悶える一冊。自分も類に漏れず地方から都会に出たクチなので、登場人物達が身を浸す退屈の描写を読む度に、過去のフラッシュバックが襲いかかってきたし、またそれを無事脱出できたという優越感と、同時にいつでも同じ境遇に戻らざるを得ない可能性があるということにただひたすら怯えてしまった。これは地方出身者にオススメ、といっても現状に満足している人達じゃないと心臓に悪過ぎるかも。
「私たちがすごかった栄光の話」一度都会に出たものの、疲れ果て地方に戻ってきた主人公。「やがて哀しき女の子」羨望の的だったクラスのアイドルも…。「地方都市のタラ・リピンスキー」ゲーセンで不毛な毎日を潰すゆうこの唯一の希望は。「君がどこにも行けないのは車持ってないから」惰性で好きでもない男と関係を続ける彼女は最後に。「アメリカ人とリセエンヌ」唯一の友人であるアメリカ人の友達のブレンダと。「東京、二十歳。」憧れの家庭教師と同じ生活を夢見、単身東京に上京した私。「ローファー娘は体なんか売らない」くたびれたオジサンに体を売る内に、本気で恋をするものの…。「16歳はセックスの齢」16歳で処女を捨てようと約束した友人が眠り病に侵されて。
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女子をこじらせ、
自分の本当の居場所はここではないと思い続け、
運良く仕事で東京に住むことになり、
何もかも嫌になって帰ってきた私のためにあるのかと思える小説。
「ここは退屈迎えに来て」にすべてが詰まっている。
東京に住んで明確に分かったことがある。
東京にあって地元にないものは、私にはなかった。
あるのは『東京に住んでいる私」という、
あまりにも儚く頼りないなけなしの見栄だけだった。
毎日中央線に乗って新宿へ行くあの通勤ルート、
西新宿の高層ビル街を歩く足取りは、
いつまで経っても覚束なかったし借り暮らしだった。
でもそれを確認するためだけにでも、東京に行ってよかったと心底思う。
「東京に行っていたら」というなけなしの感情に取りつかれなくてよかった。
だからこの子たちの感情は痛いくらいに解る。
だから、行きたいと思った子は一度東京に出てみたらいい。
「やらなかった後悔」を呪う人生はやめた方がいいから。
「国道沿いで悶絶する魂を見守るような雰囲気があるとも感じた」
あとがきのこの言葉にいちばんしびれてしまった。
どこへも行けない彼女たちの魂への餞みたいな言葉だ。
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「東京」という憧れの対象の町と子供時代の同級生の「ヒーロー」
その二つを中心にして、焦燥感と劣等感に包まれた女性たちの物語
「東京」と「地方」という対立関係は鮮明で、地方にいる人は、それだけで劣等感を感じてしまう。
日本における「東京」は、それだけ特別な町。
その東京の特別性は、「東京タワー」で見事に描かれ、この作品はそのことを再び思い出させた。
東京へ行けば、何者かになれるのではないかという、強い憧れは、小学校時代の「ヒーロー」への憧れと似ている。
しかし、「ヒーロー」が、結局は平凡な人生を送るように、「東京」へ行ったからといって、何かを得られ、自分が何者かになれるわけではない。
実体のない憧れは、虚しいが、そのことをわかっていても現状に満ち足りるということは難しい。
だからこそ、自分は特別ではないということを、認識できる年齢になっても、虚しさを見ないようにし、あこがれ続けるという嘘を自分に対してつき続けるのかもしれない
作者の年代とドンピシャで重なるので、そのときどきの文化が懐かしい。
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なんだか自分を見てるような作品。
世代も全く違うのに重なる。
読了後はなぜか頭をよしよしされたい気分に。
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なんか映画観たい…→これタイトル惹かれるけど評価そこまででもないな…お、小説あるやん、で出会った一冊。結果、その巡り会いに感謝したくなるほど自分好みの作品だった。
田舎の「退屈」から抜け出したくて都会に憧れる年頃の女の子達の物語。思春期というもの自体が好物ってのもさることながら、山内マリコさんの文体もまた好みであっという間に読み終えてしまった。シンプルなんだけど引き寄せられる表現力というか、瑞々しいんだけど適度に濁っているところがたまらんのです。
同じクラスにいる他の誰とも違う「特別」でありたいという願望を胸に秘めつつ、その期待を東京に、都会に重ねる少女達。生まれも育ちも神奈川県だった自分には一生味わえない感覚を、小説を読むことで追体験できたような気がした。ちょっと生々しさもあるけどだからこそ生きている人を描いている作品になっていて、青春が好きで思春期が好きな自分にとっては、この方向性をもっと糧にしていきたい気持ちがあるので他の作品も是非読んでみたい。
若干ネタバレ気味になるけど、3話目「地方都市のタラ・リピンスキー」は久しぶりにハッとさせられた。この手の作品は読んでる途中で「こうくるんだろうな」みたいな予想を意識しちゃうんだけど、無防備の後頭部をガツンとやられた気がして、残りの話数も一気に楽しみになった。あとこれきっとマジアカでしょ、マジアカだ。間違いない
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なんか薄暗くて品もないけど可愛くて切ないそんなかんじです。
女子高生な感じとか出てくる固有名詞がリアルだ。各話のリンク具合が絶妙で面白い。
地方都市のタラ・リピンスキーとアメリカ人とリセエンヌがすき。
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東京コンプレックスだな…
ずっと地方にいる人にはわからない雰囲気だと思うし
ずっと東京の人にもわからないだろう
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連作短編集の醍醐味は、章と章のいろんなつながりが作品によって違うこと。
2章にまた椎名くんを発見して、こういう意味での連作ね!と楽しくなった。
地方の街並みの描写がもう秀逸。手に取るようにわかる。
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ありふれた地方都市で、どこまでも続く日常を生きる8人の女の子。著者「今でも地元に帰るとこんな気持ちになります」
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東京から田舎に来た人間にはなかなか響くものがあった
セックスを断るのはセックスをする以上に消耗するから はめっちゃ解る。
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地方都市の鬱屈を抱えて生きる女性(女の子)たちの連作短編。
全編を通して「椎名くん」という憧れの男性が描かれている。
時代をさかのぼる掲載順なので、最終話では椎名くんは「中学で一緒だった永遠の憧れ」なのだが、中年になった彼を読者はすでに知っている。
そこに一抹の切なさとたくましさを垣間見る。