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あぁ、すき。
と読み終わって、いや一編目を読みながら思った。
柴崎さんの書くお話、合うときと合わないときと個人的にはあるんだけど、今回はかちりとはまったなぁと思う。
関西弁以外のお話の方が多いっていうのも珍しかったな。どちらかといえば苦手なのでそれは良かったかも。
なんとなく雰囲気が良いよね、と思ったし、日常感がリアルなのも決して退屈でなく面白かった。
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ひとつひとつの短編は面白いんだけど、いくつかずつ、微妙に絡んでるので、その関連性で戸惑った。
タイトルの付け方や目次のレイアウトでグルーピングしてくれたら良かったのに。
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恋愛になると異常行動をとってしまう。年に一回電話するとか、なんでもいいから会いたいとか。やめた方がいいって知ってるのに。思い通りになんてならないのに
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初めの短編の「五月の夜」のラストがすごくかっこよくて、鳥肌がたって、それだけで5つ星。
高校生の話とか20代のアイドルの話とかもあるけど、やっぱり同年代くらいの話が一番気になる。
みんなこういうひそかな思いって抱えてるもんなのかな。
みんながそうなら安心するけど。
でも、自分の求めている相手にもこういう思いがあるのかと思うとちょっと嫉妬しちゃうかな。
なんか柴崎さんの感覚的な作品って久しぶりな感じがした。
感性が似ているからなのか、安心して読める。
恋愛に対する不器用な感じで、それに対して、引け目を感じていないところがいい。
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連作5編。
彼氏に宛てた恋文を発見したことから始まり、その相手や見に行った写真展のモデル、出会った相手の義弟や電車で見かけた高校生、そしてモデルのヘアメイク。
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久々に柴崎友香の作品を読んだがやはりダメだった。苦手意識が先行をしてしまっているのもあるのかもしれないがあまりグッとこない。恋愛小説の短編集だが基本的にさっぱりした恋愛小説なのでサクサクと読める。この作品に登場する女性陣が女子力が高く見えるのは私に女子力が無いからなのだろうか。
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彼の部屋でラブレターを見つけた女、好きな人だけに振り向いてもらえないOL、まだ恋を知らない女子高生、数カ月で離婚したバーテンダー、恋人に会えない人気モデル、元彼の妻のブログを見るのが止められない二児の母……。みんな"恋"に戸惑っている。
『きょうのできごと』から14年。恋とか愛とかよくわからなくなった"私たち"に、柴崎友香が贈る、等身大の恋の物語。
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「五月の夜」 「さっきまで、そこに」 「ほんの、ちいさな場所で」 「この夏も終わる」 「雨が止むまで」 Too Late,Baby」 「九月の近況をお知らせします」
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ゆるく繋がった連作集である。並んだタイトルだけ見ても著者らしく、何気ない日常を切り取っているのだろうな、という印象を持つ。自分の想いに戸惑い、もてあましながらも、日々の暮らしは、自分や自分を取り巻く人たちを漏れなくあしたへと運んでいく。流れには逆らわないが、たまにはどこかに引っかかったりしながら、少しずつ前に進んでいる。相変わらず、ちょっとした会話や反応が生きている。なんてことないのに惹きこまれる一冊である。
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ほんとうは、柴崎友香であっても、単行本は買わないで文庫を待つ派なんだけど、帯の「あの子は、あの人に触られてるんやなぁ。」に惹かれて買ってしまった。
ハッとしたらつけるドッグイヤーが、たくさんついた。
“なんでまんな、そんなにやあやこしい感情を、わざわざ持とうとするんだろう。かっこわるいくらい動揺して、はしゃいで、行き場のない思いを抱えて、羨んだり妬んだりもしないといけなくて、思いが通じたら通じたでいつうしなうかとおびえて、周りの人間関係も複雑にして、それでもどうしようもない気持ちなんて、どうして必要なのか、よくわからない”
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短編集です。
ひとつひとつの物語としても楽しめますが
他の物語に脇役で出ていた人が次では主役になっていたり、その後がわかったりと
連作短編になっています。
特に好きなのは彼氏へのラブレターを見つけてしまう話。特に何か行動を起こすわけじゃないけど
自分の彼のことを誰かが好きなんだという事実を知るって、なんだか不思議。
でもそういう状況は現実でも起こりうるなーと思い、
共感できました。
あとはモデルの乃夏ちゃんが主役の話がよかったな。
彼への気持ちとか、どうしようもなく会いたくて
裸のまま電話出ちゃうとか、そういうのってあるなあとしみじみ思いました。
共感のしやすさは、柴崎さんの持ち味だと思います。
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ごく普通の日常を丁寧に描いてこんなにも読ませるのは、さすが。何気ないやり取りのスケッチも、この作者が書くとちょっと素敵だと思える。会話や人物は現実感の範疇だけど、絶妙というか刺も毒もなんだか可愛いというか。恋をモチーフにした短編集。満足です。装画がくらもちふさこ。
同じような題材を扱っても、さいきん読んだ藤野可織とはまた印象がまるで違って面白い(あたりまえだけれども)。
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『駅前の唯一のビジネスホテルのシングルルームで、とりあえずテレビをつけて(どんなにさびしい場所も、テレビをつけると間抜けになるからいい)』ー『Too, Late Baby』
勝手な思いではあるけれども、解りにくい柴崎友香の小説が好きな自分としては、表紙にくらもちふさこが描かれてしまうような本を手にすることに、少なからず抵抗感を覚えるのである。そして、いつもに比べて頁を繰る速度が早くなってしまっていることが、心穏やかならざる状況を反映しているということに気付いて、さらに違和感のようなものを抱く。
少しだけ弁解するならば、自分は中学生から高校生にかけての時期に少女漫画の月刊誌を購入していたので、くらもちふさこに対する抵抗感はほとんどない(筈)。だから、この抵抗感はその絵柄から来ている訳ではない(思う)。
違和感の元を辿りつつ思うのは、柴崎友香が重ねてきた年月が、作家が持っていた小さな言葉の棘を鞣しつつあるのかな、ということ。四十代であるからこそ描けるものは勿論あると思うし、作家の並べる言葉の連なりにも年齢による深みのようなものは反映されているとも感じるけれど。決定的に異なるのは、ここから何処に行くのかがオープンクエスチョンで済まされる年齢を越えつつある作家自身、問題を先送り出来ないことに一番に気付いていて、反って解りやすい答えを求めてしまっているようにも感じられてしまうこと。そんな風に読み解いてしまおうとする自分自身の脳の働きは厄介だなとも思うのだけれど。
例えばここで長嶋茂雄を例に取ることは可笑しなことだろうか。天才と呼ばれたプレーヤが、実は努力の人であったこともまた知られた事実ではあると思うが、その努力とは詰まるところ、自分の感覚と現実との解離を埋めようとする行いではなかったのかと想像する。高い身体能力は、脳の感度の高さと身体の反応の素早さの組み合わせが上手く働いて初めて成り立つもの。しかし、身体の反応は歳と共に急速に衰える。実は柴崎友香の文章に起きている変化はそれに似ているのではないかと思ってみたりする。しかしそんな筈がない、と急いで思い返すのだ。
柴崎友香の身体能力、特に動体視力は高いと、これまで何度も感じてきたけれど、この連作短篇ではそれが少し弱く感じられる。描く視線の高さは普通に立った人の目の高さであるにもかかわらず、俯瞰したような瞬間の切り取り方、そしてそれを言葉に変換する様が秀逸で、それが柴崎友香の特徴だと思うのだが、この本の中の視線は周囲を一瞬で捉えようとするというよりも、むしろ一点に集中する。それが重ねた年齢によるものなのか。
それでも、所々で読み返したくなる言葉の連なりに、出会うのだ。その時に思うのは、やはり、この作家の身体からのフィードバック信号に対する感度の高さ、というようなこと。頭と身体のバランスの良さ、なのだ。
ひょっとしたら、この連作短篇に描かれている主人公が、作家の年齢と一致しないことが一つの要因なのか。これまで柴崎友香が描いてきた主人公たちと余り変わったところもないようだけれど、それれ反って災いしているのか。小説の中の主人公の身体に、作家の身体能力が入り切��ていないような気がする。これまで等身大の主人公を描くことで発揮されていた作家の身体能力が、ここでは上手く発揮されていないようにも思う。
この連作短篇に登場する主人公たちでは、きっと作家の思いを受け止め切れないのだ。そうだとしたら、次の小説では四十代の主人公が描かれるのを、是非読んでみたいと思ったりする。その時、感じるであろう初めての柴崎友香に期待したい。
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全部で7編からなる短編集。
献本でいただいた一冊となります。
主人公は、10代、20代、そして30代と、様々な年代の女性たち。
それぞれの心のひだを浮びあがらせているような、
そんな印象を受ける物語が綴られていきます。
一見するとバラバラに独立しているかのような感じですが、
所々でちょっとづつつながっているのが、個人的には好みです。
作者の方はちょうど同世代のかた、それもあるのでしょうか、
初めての方でしたが、なんとなく世界観などがスルッと入ってきました。
恋をしていた人、恋をしている人、
そしてこれから、恋をする人、、
人はいくつまで“恋”にときめくことができるのかな、なんて。
今クールのドラマ「続・最後から二番目の恋」を思い出しながらつれづれに。
個人的には、“かなえ”ちゃんたちのその後と、
万里子ちゃんたちの“家族”のその後が、気になりました。。
どことなく古びたフランス映画のような香りも感じました、
単館系のオムニバス形式でかかってそうな、そんな一冊です。
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どの話の登場人物も少しだけ繋がっている連作(?)短編集。初めて読む作家さんに胸を期待に膨らませて読んだ。
・・・これ、やっつけ仕事じゃないですかね?キャラクターも話も文章も「なーんか、どっかで読んだ事ある」感じ。半年で離婚するバーテンの話は書き下ろしなのに、何が書きたかったんだい?って感じです。本当に。全体的に投げっぱなしな印象を受けました。読んだ後も、全然何も残りませんでした。三日経ったら、全て忘れてしまいそうです。
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連作短編集。彼氏が隠していたラブレターを見つけてしまった彼女だったり、ラブレターを渡した人だったり、クラスのノリに反感を持つ女子高生だったり...何気ない日常が、とりとめもない形で進んでいて、読んでいて心地よかった。
柴崎さんというと、関西の作品というイメージがあるけれど、今回は違っていて、余計に、さらさらと流れていく印象があったのかも。
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短編集。結末が描かれていないから、ちょっともやもやが残る
その後二人はちゃんと幸せになれたの?って。