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皆様とても好評なので、読んでみました。ファンタジーは結構好き。
著者の上橋さんとしては2巻までで完結している考えだったようですけれど、謎というか伏線の解明が4巻ではっきりするので、個人的にはここまで書いてくれて良かったと思いました。
ファンタジーではその世界での主人公があって、そこに何か理由があります。この世界の主人公はただ力を持っているのではなくて、それを解き明かして深めていける。秘めた力というか、静謐な物語でした。
“一面の花ざかりだった。いい匂いがして、うれしくて、歓声をあげながら走りまわって、花の中に寝転がると、母もそばに来てくれて、一緒に花の中に寝転がり、手をつないで、くっきりと青い空を見上げた。
そのとき、母の目から涙がこぼれたのだ。
青い夏空に、ぽっかりと浮かんでいる雲を見上げながら、母は静かに涙を流していた。
“新芽をびっしりと枝につけた木々のあいだを行くと、木漏れ日までが明るい緑色をしているようで、先を行くジェシの髪も背も、緑に染まってしまいそうだった。
“「…世界は広くて」
エリンはつぶやいた。
「人はとても小さいから、一人で、すべてを見ることはできない。でも、人は言葉を持っているから、自分が見つけたことを人に伝えることができる」
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NHKで何年か前にアニメでメディア化しています。知っている人も多いかと思われます。
1人の少女の人生が描かれている壮大な話になっているのですが、何を書けば皆さんの読書欲を掻き立てる事ができるでしょうか。冒険をしたくなったら読む!と思っている本です。
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小学生の頃の愛読書でした。勿論今も。
当時の私はエリンと近い年齢だったので、彼女を自分に重ねて読んでいました。
母との壮絶な別れを経て、沢山の人々に支えられながら成長していくエリン。
そして、彼女の生きるその世界観。政治的な設定や、闘蛇や王獣の生態に至るまで、細部まで細かく描かれている。
あの時この本を読んだことが、結構今の私に影響しています。
読んでない人は是非読んでほしい‼︎
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王獣を描いたファンタジー長編小説。4冊と外伝を一気に読了。舞台はリョザ神王国。 獣ノ医術師の母と暮らす少女エリンが、母を失ったことをきっかけに、蜂飼いのジョウンや彼の幼馴染である王獣保護場のエサル、真王、大公、真王の護衛士イアル達と出会いながら、様々な事件に翻弄されていく物語。
さすが上橋先生!と言いたくなるほどのスケール感。そして毎度のことながらディティールにこだわった徹底された世界観。本当にその王国があるかのような感覚に陥る。王獣ってどんな姿をしているんだろう、と文字の描写だけで想像しながら読み進めたので妄想が広がった。アニメ化もされているらしいので見たいな。
今回は、バルサとは違って武力があるわけではない、言わば普通の女の子が主人公。探究心に駆られながら、王獣をあやつる選ばれし存在になっていくのだ。その過程も実に緻密な描写で引き込まれる。
今回はタイプの男性キャラクターいます。神速のイアル。エリンの思い人だ。彼は悲痛な過去を背負いながらも、沈着冷静に自分の運命を全うしていく。どんな出来事も俯瞰で見る、という彼の仕事の姿勢もなんだかかっこいいのだ。
外伝では、そんなイアルとエリンが結ばれたきっかけを描いている。微笑ましい。エサルの過去の恋模様も描かれる。本編の4冊にはスケール感は劣るが、本編を読んだ後、かゆいところに手が届く、そんな内容になっている。
そして上橋さんの魅力である、食べ物の描写もうまい。ファコが食べたくなった。
ファンタジー小説、やっぱ好きだわ。
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これまたスゴイの書いているのですよ。
しかも挿絵無し(表紙のみ)なので、
闘蛇と王獣がどんな姿なのか、想像できる自由度あり。
もちろん登場人物も同じ。
匂い、手触り、音等、
上橋作品は感覚の描写がとても優れていると思います。
今回も、多彩な描写があって楽しめました。
そして・・・外伝!
これがあってこそ、全篇が締まるということ。
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主人公の必死に生きようとする姿に心を揺さぶられる。
彼女を支える登場人物達もみなそれぞれに事情を抱えながら生きている。
細かく作り込まれた設定で、登場人物も多いが飽きずに読める。
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『獣の奏者』を読むのはたぶん3回目
今度は次男が中学校から借りてきた
普段、あまりファンタジーは読まないのだけれど
『ロードオブリング』は楽しく読めて
『ハリーポッター』は最終巻は読めず
でも、『獣の奏者』は、あまりにリランとエリンのやりとりがおもしろいのと
エリンの「考える」作業がおもしろいので
しかし、結末は……
もっとこうすればよかったのでは? と眠れなくなる
前回、読んだときに、私だったらこうする、と思いつき、
今回、次男から、お母さんだったらどうするの? と聞かれ、
すっかり忘れていた……
哀しい
最後まで読んで、もう一回考えよう〜
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何度読んでも感動する本。
エリンの芯の強さ、時代の流れの中で自分の意思とは相反することをしなければならない辛さ。背負う覚悟。とにかく愛に溢れている。
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王獣と闘蛇という獣の存在と、そこに関わる人間たちを軸に、獣が生まれた意味、人間の在り方を壮大に描いた作品。上橋菜穂子先生の本はどれもそうだが、世界を作る力がすごい。食べ物や時間の単位など、物語の中で自然と存在している全てがこの物語のために構築された概念であることが、この物語の世界を、豊かにしていると思う。
そして、全てを理解して、全てを背負うものとして描かれている主人公エリンの在り方は、風の谷のナウシカを想起させられる憧れと強さを備えた存在で、とても魅力的だった。
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エリンの生きざまが、自分の信念を貫き通している。
色んな人をまきこんで迷惑をかけるようなシーンも沢山みられたなぁ。
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いやおっっっも!!!
人間という獣の愚かさと崇高さ
「学ぶ」ということはどういうことか
がダイレクトにぶつけられた感じがした。
QuizKnockの須貝さん(東大で博士号を取得されている)という方が、とある動画で仰っていたことと似ているように感じた。
須貝さんはその動画の中で「科学は人に伝えることが目的」だと仰っていた。
きっと小さな事象だとしても解き明かすのに莫大な時間が必要で、1人の人生をかけたとしてもそれは足りないものなのだろうと思う。
作中でエリンが解き明かしたいこと、分からないことが多すぎて、検証したりしたいのに時間が足りない!というのは現代の研究者たちからも聞こえてきそうな悲痛な叫びのように感じた
これだけ発展した世の中であってもこの世の全てを解き明かしているわけなんて無くて、実はほんの一部に過ぎないのかもしれない。
けれど、エリンのように考え続けてやめることのなかった先人たちからのバトンによって多くのことが解明されているわけで。
そういったものをファンタジーという舞台で表している高橋菜穂子ワールドえぐ(語彙力)
結末としてはメリバというか、どういう話として読むかによって変わってきそうだと思うけれど、どういう所に重きを置いたとしてもなにかしらの感動を得る作品だと思った。
純粋に物語を楽し見たい人には勿論だが、学ぶということに疑問を持っている人や、学ぶとはどういうことか深く考えたい人、物事を真っ直ぐに見ずに少し穿った見方をする人(この場合悪口ではなく、色んな視点から見れる人、正しいとされていることに疑いの気持ちを持てる人という意味である)に特に勧めたい。
きっとなにかを小さなことかもしれないが得ることが出来ると思う。
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何年も前に一度読んだが、この度再読。
上橋菜穂子作品は、守り人シリーズは受け付けなかったが、獣の奏者と鹿の王はぐいぐい読んだ。
聞き慣れない言葉が少し難しく、以前はぼんやりしていたものが、今回はきちんと理解できた。
同時に、もう少しなんとかならなかったのかなーという感想も。
ストーリー的には、作者も言っている通り1・2巻だけの方がきれいにおさまっている。
3・4巻は、そうだったのかと納得するものと、それはこじつけでは…と思ってしまう部分があり。
でもおもしろいので、最後まで読む価値はあると思う。
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主人公のエリンやその周囲の人たち、王獣や闘蛇など「生きとし生けるもの」が誰から生まれ、誰かと番いになり、誰かの親になり、そして死んでいくという命の営みについて、力強く書かれていました。
エリンたちの生き方を通じて、自分の生き方について考えるきっかけになりました。
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児童書だと思っていたので、あとがきで「人生の半ばを過ぎた人へ」と書かれていてびっくりした。
生きとし生ける物への賛美!!!!って感じだ。
闘蛇を操る音無笛が王獣の鳴き声を真似したやつで、王獣を操る音無笛はさらなる上位の獣の鳴き声を真似したものなのかと予想してたんだけど、違った…。。。。
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守り人シリーズから続けて読破。闘蛇と王獣を中心として、命を育むこと、宗教、神話などを絡めた壮大なストーリー。めちゃくちゃ面白いか?と聞かれると頷けないが、面白くない?と聞かれると否定したくなる。読書中に涙ぐむシーンも多々あるのだが、それぞれ登場人物に強い共感を持てないからこのような感想になるのだと推測。