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ヨーロッパ近現代史を見ながら、「歴史の中でよくある法則」をピックアップ解説してくれます。
・科学力とは軍事力
・組織が外に出るときは内が固まっているのが必須条件
・危機は団結を生む&独裁を生む
・勝つ組織は変化に対応できる組織
などなど、あらゆる時代にありがちな法則がところどころにまとめられていて、これらがあてはまるところにも注意書きが入っています。おかげで、今まで読んだ世界史関係の本の中で最もわかりやすい本と思いました。
読んでいる間は個々の時代の話を読んでいる気がしますが、読み終えると大きな視点で理解できたような気がします。
そして、ただ理解するだけでなくて考えさせられることも。
読み終えて思ったこと・・・
「なるべく真実に近い歴史を学ぶことは大事ですが、それを他人や他国を攻撃する道具にしてはいけない」
これに気づいて、ここ最近読んでいた本に対する違和感が理解できてちょっとスッキリ。
また、ヨーロッパ主要国+近現代史に登場する国の国民性について解説してくれているのも分かりやすかった。
できれば手元に置いて何度も読み返したいので、Amazon探すか。
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予備校講師が贈る、「ヨーロッパ近現代史入門」&「歴史の見方入門」。
本書の性格は二つ。
まずは、現在の世界がなぜこのようなのか、を理解するために、ルネサンス以降のヨーロッパ史を分かりやすく解説している。
歴史の流れを説明するのに、数多くの方法がある中で、入門書ということでシンプルに因果関係を整理することで、何故このような流れで展開していったかを大変理解しやすく解説している。
もう一つの性格は、今後も歴史を勉強していくにあたって有用と思われる「歴史の見方」を読者に身につけてもらおうという試みである。
「歴史の見方」と書いたが、その中身は「歴史の法則・パターン」といったものになっている。もちろん、人間社会の出来事に完全に普遍的な法則というものは存在しえないのだが、やはり「こうなったら、こうなる」というある程度の傾向はある。
それを実際の歴史に即して学んでいくことで、今後ほかの歴史を学ぶときや、現代の政治社会を見る際に、その背景を理解する力を養い、次の展開を予測する基礎とできるものである。
二つの試みに一貫している姿勢は、とにかく噛み砕いた平易な言葉で因果関係を説明していくことで、ここまで築き上げられてきた歴史も我々と同じような「人」が積み重ねてきた、身近なものだということを感じ取ってもらおうという著者の想いであるように思う。
歴史的事実を学ぶ本としては物足りないものの、それを補って余りある、良い入門書になっていると思う。
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詳しい事までは網羅されていないようですが、中世以降の歴史を一通り眺めることのできる本でした。戦争の場面などは、勢いのある文体で描かれており、飽きさせない構成で非常に良かったです。また、本書のテーマでもある、「歴史の見方」も明確に述べてあり、今後の歴史の学習に活きてくるのではないかと思います。世界史を学び直そうという方にぜひお勧めしたい一冊です。
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世界史がメイン。とっても面白かった!!!
いまの社会に訴えかけることも多い、歴史を流れでつかむために最適な良書。
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今現在に生きる歴史の見方が綴られた入門書。
ISISの残虐性が叫ばれている現在、もちろん彼らを擁護するわけではないが、たかだか数百年前の時代にはもっと多くの人間を巻き込んだ縄張り、宗教の覇権を巡る闘争が国家によって行われていたのだ。いつの世も人間の本質は変わらないと気付かされた。
そうした欧州の長い血に塗られた歴史を見ると、EUという共同体の脆弱性を不安に思うばかりである。
地図の掲載がなかったため、星四つ。
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・独裁の利点は、大胆かつ迅速に組織を動かせること。独裁が成り立つ条件は二つ。一つは短期間であること、もう一つは独裁を行う側とそれに従う側の間で合意が成り立っていること
・7世紀頃までは絹の道が中国とインドやペルシアをつなぎ、12世紀には海の道を使用したイスラーム商人がヨーロッパとアジアをつなぐ形で活躍した。13世紀にはモンゴルがユーラシア大陸を征服することで東西交流が活発化した。そして、近代に入ると世界の一体化の中心はヨーロッパ人に移る。大航海時代(15〜17世紀)には、ヨーロッパが世界へ進出して「近代世界システム」を構築する
・ガンディーが『偉大なる魂』と呼ばれた理由。問題の解決のために、自ら先頭に立ち、己の命を投げ出す覚悟をもって戦った
・1937年盧溝橋の偶発的な武力衝突事件をきっかけに日中戦争がはじまる。政府も日本陸軍も中国への派兵にははっきりと反対の意思を持っていた。にもかかわらず、いざ閣議となると、場の空気により中国への派兵に同意するという意思決定がなされた。近衛首相には意思決定者としての当事者意識、責任者意識がなかった
・マレー沖海戦を境に、それまでの大鑑や巨砲中心から航空機中心の先頭に変わった。米英はその変化に即座に対応したのに対し、日本はそれができなかった。変化を察知する洞察力、変化に対応する決断力、日本にはこれが欠けていた
・主権国家、それ自体が戦争の原因である。EUは、主権国家を否定することにより、各国の国境をなくして「新しい共同体」をつくるという発想
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ジュンク堂をぶらついていて、新刊コーナーで見かけた。面白そうだったので、電子版がないか調べたけどなさそうで、エピソードゼロと2冊セットでお買い上げ。
忘れかけたので、残りを一気読みした。見方は面白かった。特に現代に来ると自分が知っている時代だけにイタイ感じもしつつ。エピソードゼロも楽しみ。ついでに、出口さんの歴史本へ進みたい。
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中世から近代に至るまでの歴史を、対立関係を整理してわかりやすい構図で、宗教支配時代から宗教改革を経て絶対主義時代、革命を経た立憲君主制、帝国主義、世界大戦までの連続した流れで説明してあって非常に面白かった。教科書やよくある世界史本では個別の出来事が羅列して記載してあることが多いが、歴史の中で共通するエッセンス(歴史の見方)という切り口/視点でとてもオススメです。
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学生時代は、どんどん混線してわけわかんなくなって無理、としか言えなかった近現代史をはじめて面白いと思った。なぜイスラエルが戦争しているのか、共産主義はなぜ非難されてるのか、ベトナム戦争はなぜ起きたのかなど、言葉を知ってはいるけどよくわかってなかったことが繋がって、細かいことはきっとこの後忘れちゃうけど、歴史の流れっていうのをグワアーッと体感できて良かった。
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世界史初学者にとっての入門書としてはかなりの良書。受験生時代に日本史を学習して感じたことだが、歴史上の出来事には必ず道理があり、その文脈を理解しないことには歴史の体系的な理解は不可能である。歴史に学ばないことは現代社会を虚無に生きるようなものであると心に刻み、歴史の最先端を走る人類の一員としての視点を養わなければいけない、この本は私にそう思わせてくれた。
「歴史の見方」として紹介される18の項目は大きく理解を助けてくれた。少なくとも個人的にはこのような原理を示してくれた方が混乱しがちな歴史も呑み込みやすいので良い点だった。
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読みやすさ、情報量、文の魅力、どれをとっても満足できる出来だった。特に現代史においての忖度ないはっきりとした表現は理解の助けになったと思います。
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題名にある通り「歴史の見方」という複数の視点である種の「抽象化」がなされるため、要所要所で「まとめ」的な記述が入る構成になっており、単なる歴史叙述に留まらない。よって、読んでいて「なるほど」と思える部分があり、結果的に理解が深まる内容になっている。