紙の本
世にも奇妙なマラソン大会
2020/07/11 18:50
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投稿者:雄ヤギ - この投稿者のレビュー一覧を見る
標題作を含む複数の作品が収録されている。砂漠でマラソンというだけですごいが、そこに西サハラ問題が絡んでくるのもまたすごい。他にも短めの不思議な話が収録されており、どれも高野さんに深堀してほしい話ばかり。
紙の本
サハラでマラソン!?
2020/07/11 20:14
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投稿者:mamo - この投稿者のレビュー一覧を見る
酔った勢いでマラソンを申し込む。場所は何とサハラ砂漠!?
初マラソン。それも最長15kmしか走ったことがない人が。
少しでも走った経験のある人なら、何と無茶なことを!と大声を上げるところだが・・・
さて完走できるのか??
表題作のほか、著者のキャラクター全開のノンヒクション3編を含む。
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タイトル作品『世にも奇妙なマラソン大会』を含む、中編と短編が10作品も掲載されている。
今まで走った最長距離が15kmなのに、いきなりフルマラソンに参加してしまうという、なんとも無謀で高野氏らしい(?)お話だ。大会3週間前の夜中に突然思い立ち、しかも舞台はサハラ砂漠なのである、普通じゃないでしょ?
マラソンの話も非常に面白かったが、個人的には『名前変更物語』がツボだった。とある事件が原因で、入国が出来なくなった国に再入国するためだけに、離婚して名前を変えるノンフィクション作家なんて…、電車の中で笑い死にするとこでしたよ。
でも人生で一度くらいは、思う存分間違ってみたいもんだね。
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おお、文庫化されるんだ!と我が事のように喜び、予約して購入。単行本を持っていてもやはり買っちゃうのは、ファンとしてはコンプリートしなくては、という気持ちと、高野さんの文庫はいつも解説が面白いからだ。いやほんと、「ムベンベ」の宮部みゆきさんをはじめ、井原美紀さん、蔵前仁一さん、大槻ケンヂさん…、どの人もこの人も熱く高野本の魅力を語っていて、本当に読ませる解説になっている。
今回の解説は山田静さん。これまた、そうそう!そうなのよ!と頷きまくり。初めて会ったときのことを「印象に残っているのは理路整然とした真面目な語り口だ。もっとバンカラな変わり者(ごめんなさい)と想像していたので、正確に伝わるよう言葉を選んで話す姿勢が素敵だなあ、と思った」「落ち着いた声も素敵で」とあるのにはまったく同感。
そして、「どれをとっても筋が通っている」「何を読んでもわかりやすいし、何より説得力がある」のだけれど、「彼の知りたいこと、やりたいことはいつもどこか間違っている」。アハハ、これもその通り。その本質を「脳内大人が存在しない」「小学生男子」とも書いていて、笑いながら納得した。
本当に、いつもながら、結構こみ入った状況をすんなり飲み込めるように書いていく、高野さんの文章力にはほれぼれするし、心の動きにも共感を誘われる。そもそもの出だしは思いっきり「間違ってる」けれど。
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他の本で行き詰まっているので、こちらに〝寄り道〟。生き方そのものが「エンタメノンフ」なので、何を書いても面白い。表題作はサハラ砂漠でのマラソン体験記。そもそもちゃんと42.195kmなのだろうか?ブルガリアでの話やパスポート名変更の話など、そもそも舞台自体は非日常だが、やっていることは日常に繋がる話で妙に身近な話に思えるから不思議である。読書で行き詰まったときのリハビリにお薦めの本。これでまた読み続けられそうである。
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「私には間違う力があると言われている」と言う著者。
面白いから見たい、やってみたいという気持ちだけで、間違ったことをやってしまう高野さん。
解説の山田静さんも言うように、「小学生男子」そのもの。でも、ウケをねらっているわでもなく、至極真面目に向き合っているというか、好奇心に素直。
タイトルとなった世にも奇妙なマラソン大会は、
深夜のネットサーフィンで見つけたサハラマラソンにのりと勢いで、出場メールをポチッとおしたところから始まる。「普通」は見つけても、15キロしか走ったことがないとか、開催まで3週間しかないのに、出場することはためらうのに、そうした問いは浮かばず、走り出したら止まらない。
辺境のマラソン大会は運営がざっくりしており、現地に行ったものの、いつ始まるのか、だれがスタッフか?などわからないランナーがたくさん。混沌としながら過酷なレースは始まる。
こんなにもぶっとんだ世界、きちんとしたルールがなくても回っている世界がある。間違う力があることで、みえてくる世界もあって、どうにかなるもんだなと思う。
喫茶店、電車の中で読んでいたら、声を出して笑ってしまいました。
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ブログに掲載しました。
http://boketen.seesaa.net/archives/20140525-1.html初めてのフルマラソンが44歳・サハラ砂漠って、ホントにありえない。腰痛対策で軽いジョギングをした程度の経験しかないない人間が、いきなりマラソン大会に出て42.195キロのフルマラソンを走る。
それだけでも、誰もが「バカじゃないの。やめとけば」というところだが、それがサハラ砂漠というのだから呆れるしかない。
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処女作にして永遠の青春小説『幻獣ムベンべを~』及び、渾身の辺境ルポ三部作『アヘン~』、『西南シルクロード~』、『謎の独立国家ソマリランド~』辺りが著者の代表作だと思うが、個人的には軽めのUMA探索記やおバカ・チャレンジ系も好んで読む。酔っぱらってのネットサーフィンなら私もする。「世界にはこんなこともあるんだ!今度皆に話してやろう」と思う私と「じゃあ、いっちょ見てくるか」と旅立つ著者。語学&異文化適応の天才とは言えても肉体派とは思えぬ著者がほぼぶっつけ本番でサハラマラソンに挑戦する姿には頭が下がる。結果は?
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アフリカ北西部、西サハラの砂漠で開催されるマラソン大会に、ノンフィクション作家がノリで参加。
ヨーロッパ中のアスリートに囲まれながら、へろへろになりながら砂漠を走るというお話。
灼熱の砂漠でマラソンなんて、酔狂なことをよく考えるなぁ。
でも何百人もの参加者がいて、途中棄権もせず何時間も走り切るなんて、すごい。
砂漠を走り続けると、砂漠の砂にも色々な表情があって、
「呆れるほど個性豊か」
砂漠なのに「土地が豊か」とさえ思うという。
砂漠でマラソン、ちょっとやってみたいと思ってしまった。
走るのはちょっとで良いから、砂漠で満天の星をみたいなぁ。
このマラソン大会は一応、西サハラの地域の独立を応援するチャリティだという。
この本を読むまで、西サハラという地域も、その地域がモロッコと対立して独立を主張していることも、難民キャンプがあることも、その難民キャンプでマラソン大会があることも、全然しらなかった!
マラソンの話の他にも、旅先であった不思議な人、奇妙な体験なども収録されている。
全部、へぇ!と言いたくなるような、世界についての知識がちょっと広がる内容。
そして、著者の適当っぷり、後先考えない感じが笑える。
電車のなかで何回わらったか。
旅にでたくなった。しかも変な旅。
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ネットサーフィンしていたら、サハラ砂漠で行われるマラソン大会に参加!?
今まで走った最長距離は15キロ!?
なのにフルマラソン!?
相変わらずの高野節でサックリ読めます。
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さすが高野さん…と言いたくなる表題作。素人は決して真似してはいけないと思う。辺境に行き慣れてる高野さんは多分人よりも体力があるのだろう。そうでなければとても無事には帰ってこられないであろうマラソン大会。
短編集ながら読みごたえはばっちりで、高野ワールドを手軽に楽しめる感じ。
ただ「岩と薔薇」の「女はちやほやされるから外国に行っても楽」っていうのはすごい偏見だと思った。私は語学を生業にしているけれど、女だって容赦ないスピードで話され、分からなければイライラされ、知らなければ怒られる。ナンパ目的の人としか付き合わないなら別かもしれないけれど、真面目にやっている人たちの苦労は男女ともに変わらないと思う。
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表題作である「世にも奇妙なマラソン大会」はサハラ砂漠におけるマラソン大会なので、実際には超過酷なはずなのだが、読んでみると痛快なエンタテインメントになっている。
マラソンの目的などはもやはどうでもよく、他人がやっていないことにチャレンジしていくフロンティア・スピリットは素晴らしい。
「ブルガリアの岩と薔薇」は薔薇族に掛かっているのでしょうか?これも実際に体験すると背筋が寒くなるような話ではあるが、普通の人では決して飛び込まないような世界にどんどん入り込んいくところが高野氏の本領発揮といったところでしょう。この話を書き上げているのだから十分に虎子を得ていると思われます。
「名前変更物語」は、アドベンチャーというのは出発する前の準備段階からすでにアドベンチャーであるということを面白おかしく物語ってくれています。人がやらないことの為には手段を選ばないことに感心させられます。アドベンチャースピリットというのは日常生活の中でもやろうと思えば発揮できるものなんですね。
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すごくおもしろかった。表題作のほか4編。高野さんの長編の冒険モノももちろんおもしろいんだけど、わたしはこういうちょっと地味な雑事っぽいというか、細々した話が大好き。入国審査のブラックリストに載ってしまっていて入国ができないインドになんとか入国ししたくて、名前を変えようと地味な苦労をする話が最高だった。すごくおかしい。奥さんとのやりとりもすごくおもしろいし。
あと、ブルガリアで岩のような薔薇のようなおっさんに迫られる話も。すごくおかしいんだけど、なんか「女性というものの立場」みたいなことを考えさせられてたりして。
どうでもいいけど、高野さん、学生時代から危険地域とか秘境とか行ってて、親御さんとか反対しなかったのかなあと思っていたけど、「コンゴなんて死んでも行かせない」と言われたときに「じゃあ、死ねば」って答えたって話がでてきたんだけど、高野さんでもそんなこと言うんだなって、なんか思った。
ほんとうに、高野さんの本にははずれがないな。
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fm cocolo の番組で DJ のヒロTさんが紹介。面白そうだったのですぐに購読。夜中に酔った勢いでインターネットでポチッとエントリーしたマラソン大会がとてつもない大会だった・・・。著者は早大探検部の船戸与一氏の後輩。とんでもない大胆なところが面白い。
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花泉図書館。
いや~、今回も笑わせてもらいました。
周囲への「巻き込み感」がハンパない。
著者本人は、周囲から「間違う力」が備わっていると評されているようだ、と序章で述べていたが、その力をもってすると「巻き込む力」も発揮できるのであろう。
往々にしてその人生が魅力的な人ほど周囲を「巻き込む力」が優れているのかもしれない、巻き込まれたほうはたまったもんではないが。。。
しかしながら、影響をコントロールできる地点に居れば著者のような生き方を眺めることは格段にオモシロいワケで、そういう人にはドンドン本を書いてもらいたい。
まさに「本の数だけ人生がある」、ではないか。