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投稿者:ハム - この投稿者のレビュー一覧を見る
なかなか読む人を選ぶかなと思います。好みにハマっていれば、何回も読み返したくなるかもしれませんが、個性が強い。
紙の本
隣国の素敵なお話
2021/03/03 22:28
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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
この本の訳者の一人であるヒョン・ジェフン氏は、日本の書店で韓国人作家の作品を見かけるのは難しい、というか翻訳されている海外の作品自体も少ない、なぜなら日本の読者は日本人作家の作品が好きだかという。私もつい最近まで欧米の文豪の作品は読んでも隣国の作家の作品を読むということはなかった、「日本人作家の作品で充分だ」と。ところが、つい最近、台湾の作家・呉明益の「歩道橋の魔術師」を読んで、外国作品なのにノスタルジーを感じ、「カステラ」で弱者の生きる道が示されていることに感動を覚えた。「甲乙考試院 滞在記」(名作だ!)で作者は「人間は結局独りであるという事実と、人間が一人で生きていけるわけではないという事実を同時に、身にしみて実感した」と語っている、名言だと思う
紙の本
荒唐無稽な話に拒否感が無ければおすすめ!
2015/09/30 09:53
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投稿者:りー - この投稿者のレビュー一覧を見る
ホラ話が好きな親しい友人の独り語りをのんびりと聞いている様な気持ちにさせてくれるトンデモ短編小説集。独白に近い口語体で綴られる物語は、予想もできない、だけどどこか気が抜ける様な展開と村上春樹風の比喩表現と言葉遊びとがリズミカルに絡み合い、シニカルでありながら暖かい独特の雰囲気を醸し出している。社会に対する風刺だとか皮肉も利いているし楽しい話ばかりでもないのだけれど、それでもなんとなくその語りに引っ張られて、ふっと心が弛んでゆく様な、ちょうど夏の夕暮れをゆっくりと眺めている様な気分になれる癒しの一冊だった。
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妙なファンタジーである。初期の春樹に似てるなという印象。カンガルー日和を思い出した。タヌキとかキリンとか、動物はなんのメタファーだろうか。カステラに象徴される、ふわふわしたナンセンスさ。その中に仕込まれる現代韓国のリアリズム。
韓国が舞台である本を読んだのは初めてだ。登場人物は進学しても就職に困っている普通の青年であったり、だらだらとした人間関係を続けたり、世界や時代を飛び越えたり。ああ、兵役があって、メンタルが変わって戻ってきたりするんだなとか。ベトナムのボートピープルが吉祥寺のスワンボートに出現する日も近い。
お隣の国のそういう現状を知る機会はなかなかない。ダイオウイカって流行ってるのか、アイヴァス『黄金時代』にも出てきたな。
最後の一作『朝の門』の集団自殺にあぶれた青年の置いてけぼり感は毛色が違うがたしかに出来のいい短編。賞をとったこの一作は原書にはなく日本だけのボーナストラック。
翻訳大賞授賞式で日本人の翻訳者が「日本に一番近い外国文学です」と熱弁をふるっていたのが印象的。そういえばこの表紙には翻訳者の名前が載っていない。
一部の人々による差別が当然のように目の当たりにする昨今、彼らの本がなぜ読まれなかったのか、このタイミングでの翻訳大賞の受賞はそんな日本の現状を打破したいという願いもあることだろう。
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韓国の文章の書き方なのか著者のオリジナルなのか、見た状況や思った事や会話も「」なく改行せず一塊につづきばっさり一行フレーズが入る。突飛な出来事と突飛な出来事をパッチワークのようにつなげ最後にセンス良く着地させている。前半の短篇はユーモアもあり新鮮に読んでいたがだんだん読むのが苦しくなってくる。突飛な出来事と突飛な出来事はコラボせず広がらず奥行きを持たないから。この短篇集の根底にあるのは韓国の若者の閉塞感や絶望感なのかもしれない。カステラのように甘く柔らかく喉が詰まりそうな生活が描かれていると思う。『朝の門』だけは異質でこの作家がもっと飛躍する予感がある。村上春樹風なのが日本では好き嫌いがでそう。もっと韓国の文学が紹介されるといいなと思う。
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ストレートに面白かった。現代の狂った世の中へのささやかなシュプレヒコールという感じ。この空気感、なんかわかるわ…と思わせて疲れさせておいてからヒョイっと予想外な場所に落ちつかせる。言いたいことはドロドロしたことばかりなのに読んだ後は何故かスカッと爽やか。絶妙なバランスだと思う。
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韓国小説っておもしろい!
なんであんまり翻訳されてないんだろう。(はじめて読んだ…)
素直に第一声はこれだと思います。
第一回日本翻訳大賞を受賞しただけある、するする読める訳語と、ちょっと村上春樹を思い出させる描写、資本主義社会の圧倒的な不条理感とそれを現代文学らしい(意味不明な)出来事や解釈たちで描いた短編集。
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満員電車に乗客を押し込む男が、毎朝父親を押し込む中で宇宙の静けさを体感する話「そうですか?キリンです」。
競争社会の中で疲れた人々が集まる遊園地のスワンボートの池を描いた「あーんしてみて、ペリカンさん」。
ある日唐突にハルク・ホーガンにヘッドロックされた男が、右脳と左脳に分裂してしまう話「ヘッド・ロック」。
本書の奇矯で軽妙な世界には惹かれる。太陽系を離れて地球外生命体と遭遇するヤクルトおばさん等、全編を通して、意味不明で頓狂なギミックが、やりたい放題。
それらが小気味よく現代社会を揶揄する展開が、読んでいて笑いを誘われる。それでありながら、そのアプローチが過酷な状況との真剣勝負であることも、すんなりと諒解させられる部分もある。
本書のほかにも翻訳があるようなので、いつか読んでみたい。
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資本主義や自由競争で疲弊した人々を不条理でシュールな出来事や
動物が襲ったり癒したり救ったり叩きのめしたりする韓国作家の短編集。
かなり奇妙な世界観だけど、結構好き。
特に印象に残ったのは(どれもインパクトあるけど)、
冷蔵庫に大事なものと害悪なものを入れていった結果衝撃の結末を迎える表題作、
競争社会に背を向けた人たちがタヌキになる「ありがとう、さすがタヌキだね」、
農業共同体を営む元学生運動の闘士を様々な悲劇やUFOが襲う「コリアン・スタンダーズ」、
ある日突然ハルク・ホーガンにヘッドロックで襲われた男が狂気に憑りつかれていくサイコホラー「ヘッドロック」等。
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短編集。冒頭の「カステラ」「ありがとう、さすがタヌキだね」と最後の「朝の門」がよかった。軽妙な文体が、主人公の生きづらさを際立たせつつ癒やしていくような、そんな作品が並ぶ。訳者ヒョン・ジェフンの解説も簡潔だがおもしろかった。
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決して明るくない状況も軽快に語ることで、こんなにも救われる。どちらかというと「失敗」している人たちのほとんど大きな成功のない物語なんだけど、絶望し切らず生きる方へ踏み止まる。それぞれの章のタイトルも文章もユーモアあふれていて、ウィットにとんでいて、なんだ結構人生って面白いじゃんと。各章のタイトル、フォントが平野甲賀さん!!よき。
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不思議な結果になる、という短編集で、カステラからはじまり、キリンやマンボウや様々な動物になるという結論のものである。
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冬 10代 女性
初めての韓国作家の本でしたが興味深かった。
詩的というか発想が思いつかない感じで正直読むのが大変でした。
逆に他の韓国作家の作品を読んでみたくなりました。
とりあえず話題になってた「82年生まれ、キム・ジヨン/チョ・ナムジュ」を読もう。
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この作者は、『ピンポン』に続き2作目。短編集である。閉塞的な環境の下、救われない主人公たちが、不運な状況を嘆き苦しんでいる。どうにかして乗り越えようと、喘ぎ、抗っている。結末はどれもスッキリ終わるわけではない。これからも、理不尽な状況は続いていくのだろう。それも、生きていくということの辛さなのかと、主人公たちに共感する。
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韓国人の人気作家の短編が11.若い人の発想はややついていけない感じだが、韓国の放送や一般的なことが解説してあって、それなり楽しめた.ハングルが少し読めるので、復習しながらの読書だった.