紙の本
宮城谷三国志が完結してしまう哀しさ…
2014/06/29 19:23
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投稿者:やびー - この投稿者のレビュー一覧を見る
連載当初から、単行本が出るのを待ち焦がれ、敢行が続き終演へ向かう寂しさを味わった読者も多いでしょう。
宮城谷先生の大ファンである私には冷静なレビューを書く事は難しいと、最初にお断り申し上げます。
三国志を物語(演義)では無くて正史を書こうと思い至った経緯。人物に対する評価等、エッセィを通じて勉強になる事ばかりでページをめくるのも惜しんで読み進みました。又、尊敬する白川静先生を教えて頂いたのも、宮城谷先生のおかげだったなぁ…って、思い出しました。
宮城谷先生の描いた三国志の醍醐味は物語(演義)では表現出来ない、政治や思想、哲学。時代の大きな流れが人に与える影響をどの様に変えて行き結果をもたらすのかを描きたかったのでは…?と、想います。だからそこ、何度も読み返した三国志を再認識させられる気持ちで興奮しながら読めました。…外伝の敢行を持って無事に書き終える事が出来てうれしいです。
…新連載として、多様性な時代背景と魅力的な人物に触れた先生だからこそ、かつては嫌いだった「劉邦」を描く気持ちになられたのではと、思います。
三国志が終わった寂しさから新たな期待へ待ち焦がれる日々を楽しみに、敢行をお待ちしています。
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宮城谷昌光は、好きな作家のひとりである。
中国の歴史だけでなく、組織に関しても非常に含蓄のある言葉が聞けて、成程と感心することばかりであった。
小説を書くにあたっての、氏の生活態度等も興味深く読ませてもらった。
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宮城谷先生の三国志完結を記念して出された二冊のうちの一つで、宮城谷先生ご自身による解説や対談などをまとめて収録したものである。
やや話がダブるところもあるが、興味深い記述も多く、物珍しい対談も収録されていて(吉川晃司さんなどは本当に物珍しい)、なかなか面白い一冊だった。
特に宮部みゆきさんとの対談などは、作家業に関する話としても読み応えのあるところだ。随所にそうした、三国志の話に限らない面白さが見られた。
宮城谷版三国志は(出た折りには)平積みで売られていたし、文庫化もされているから、興味はあるけど読んでいないような人も少なからずおられることだろう。
この一冊は、そうした方にも勧められる身の詰まった一冊である。まずはこれから、という始め方も悪くはないだろう。
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歴史小説を書くのであれば、その時代に入って行けばよい。その時間と空間はそこにしかなく、そこに生きている人もそこにしかない。忘れないことが肝要。歴史は振り返ってみるものではなく進んでいってみるもの。三国志読本というよりは宮城谷小説のスタイル論。モチーフとして三国志を扱ったというだけのことか。誰も踏んだことのない三国志を始める戦慄と恐怖。世界を敵に回す勇気と覚悟。歴史を正確に描こうとするあまりの脱線。幾多の困苦を乗り越えての三国志。終始頷きまくり。後半の対談集は綺羅星のごとき布陣。中には、なんと吉川晃司。しかも読書量はとてつもない。宮城谷氏と堂々とわたりあっている。驚かされた。吉川晃司曰くありとあらゆる三国志を読みつくした末の到達点が宮城谷三国志。虚構は虚構。真の史実なればこそ人は見える。そんなことを実感させられた。
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宮城谷昌光の対談集。
やはり、対談するからには、それなりの知識量を持ってかからないといかんですね。対談なのだから。
一方的に吸収するだけでなくて、ギブアンドテイクが出来ないと面白くないです。
それだけの知識を蓄えることが出来るのは、いつのことやら。別に、対談する予定はないのですがね。そんな人物でもないし。
ただ、好きなことを話すということにしても、知識量は大事ですよ。
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【「三国志」をめぐる多彩な論考と知的対話集】堂々完結の正史「三国志」をめぐるロングインタビューや、井上ひさし、宮部みゆきら九名との貴重な対談を収録。決定版ガイドブック。
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タイトルは「三国志」がついていますが、それに限らず。という内容です。最初の方は宮城谷さんの三国志の解釈がついていますが、大部分は各界の歴史が好きな方との対談が記載されています。これも、みなさんなりのいろいろな解釈があって面白いです。
個人的には、真ん中くらいに記載されている、中国史の見方がとても参考になりました。やっぱり自分なりにノートをつけるとよいかな~と考えています。
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単行本のおまけに書いたものや,雑誌の企画もの?~対談は水上勉(2004没)・井上ひさし(2010没)・宮部みゆき・吉川晃司・江夏豊・五木寛之・白川静(2006没)・平岩外四(2007没)・藤原正彦・秋山駿(2013没)・マイケル=レドモンド。そのほか,自作解説や講義など~ まあ,人が代わっても同じようなことを云うのだから,同じような主張がくりかえされても仕方ないけど,まとめられた本として一人の人間が読んでいることも察していただけないと困ります。面白かったのは,八卦の話かな・・・乾(けん・天)・兌(だ・沢)・離(り・火)・震(しん・雷)・巽(そん・風)・坎(かん・水)・艮(ごん・山)・坤(こん・地)。彼は一度も中国へ行っていないのも吃驚だが,連載を5本抱えていて部屋を換えて1枚半を書くのがノルマってのも驚いた
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三国志という題名が付いているがおおまかには
前半は三国志についての解説
後半は著名人との対談
という感じで本の構成がされている。
この本を通じて作家が表現の仕方、言葉や漢字一文字に対してもいろいろな思いがあり作品を作っているのが理解できたので、今後はそこまでの注意をはらいながら本を読んでいきたいと思った。
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作者の博識ぶりも凄いが対談者の方々も三国志に限らず詳しい。
吉川晃司氏がファンであると同時にかなり勉強されていて驚きました。
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宮城谷版「三国志」の完結を記念して、作品に関連する対話やエッセイ等を集めた本のようだ。
宮城谷 昌光の作品はけっこう読んでいるが、この手の本は初めて。
もともと詩人志望であったことは、はじめて知った。