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マーケティングの基本のキと名高い本。よく知られた本だけあって、内容は広く浅く、考え方のカンドコロが抑えられている印象。
ところがこの広く浅く、に難点があって、オマケ程度のストーリーにあまり意味を見出せなかった。もうちょっと情報量増やせたんでは、と思ってしまう。
主人公の女の子が失敗し、マーケティングの玄人的なオジサンがヒントを与えて女の子が成長していく……という形式のストーリーなのだけど、発売から5年近く経った今では陳腐化しており、大抵どこが間違っていてどう考えればいいのか、想像がついてしまう。掲題の「100円のコーラを1000円で売る方法」なんかは、GoProなんかで既に有名になりすぎているし。
ただし、モノを考えるきっかけとしてはとても役に立ったな、と思う。本書の内容を自分事に還元できたことによって、自分が今していることが何か、に思い至ることができた。
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マーケティング理論は知っているものが多かったが、ストーリー仕立てですっと頭に入ってきた。
理論だけを知りたければ巻末の付録を見れば大体把握できる。
---巻末付録から
1.アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか
→市場思考の事業定義
事業の定義を顧客中心に考える必要性。
鉄道はあくまで移動手段。車や飛行機もおなじ移動をするための手段である。
2.お客さんの言いなりの商品は売れない
→顧客絶対主義の落とし穴
顧客が気がつかない課題を考え、解決策を想像することが求められる
3.顧客の要望に100%応えても0点
→顧客満足のメカニズム
4.値引きの作法
→マーケットチャレンジャーの戦略
S社のADSL事業が他者と比較して1/2程度の金額で販売して後から利益を回収できたのは、ISDNにインフラコストをかけていた通信会社と比べて、マーケットリーダーになれたから。マーケットリーダーが価格戦略を仕掛けてきた時に対抗できないため、値引き戦略はマーケットリーダー以外が行うのは難しい。
5.キシリトールガムがヒットした理由
→バリュープロポジションの定義
新しい価値を創造するコトがブルーオーシャン戦略では必要。
キシリトールでは、「虫歯を予防するために歯医者に行く」という価値を作った
6.スキンケア商品を売り込まないエステサロン
→競争優位に立つためのポジショニング
ライバルと明確にコト習う位置付けを顧客の心の中に作り上げることが必要
7.商品を自社で売る必要はない
→流通チャネルの構造と、チャネル設計に関する意思決定
なぜ会計事務所が顧客に「社長の会計」の価値を最大限に提供するための最適な流通チャネルかが描かれている。
会計事務所、「社長の会計」の事業、コンサルタントの山倉の視点でWin-Winになる関係を構築している
8.100円のコーラを1000円で売る方法
→値引きの怖さ
高級ホテルで100円のコーラのルームサービスを頼むと、ライムと冷えたグラスを一緒に持ってくる。
体験を売っている。
9.なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか
→コミュニケーションの戦略的一貫性
広告が目立って話題になっても、戦略的に整合性がないと失敗に終わる。
(メモ)
書籍の紹介の中で会計ソフトのCMにスマップを使うコトがコミュニケーションの一貫性がないという説明で使われていたが、この本を読んだ日の前日深夜にスマップ解散報道が流れた。
10.新商品は必ず売れない
→イノベーター理論とキャズム理論
潜在顧客にはリスク歓迎型とリスク重視型がいる。
アーリーアダプターとレイトマジョリティへの販売戦略は全く違うアプローチが必要。
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お風呂で半分、電車で半分。ストーリー仕立てでわかりやすく読みやすいので一気に読み終えた。しかし本書の内容を実践する為には、その理論を理解する必要がある。もしドラ同様に、読み終え感動(人によるが)するだけではいけない。行動起こし、実践するのがいちばん楽しいのだろう。
自分の職業や、趣味に明日から実践してみよう。また、巻末の参考文献も読んでみたくなりました。
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宮前久美というやり手のビジネスウーマン。
10年の間に 武勇伝をうみだした 伝説のオンナ。
それが 商品企画部に 移動になった。
そして 第一声が『今の商品はがらくたばかり』といい、
あたらしく 商品を企画すると宣言する。
部長のもとに 与田 という得体の知れない人間に、
商品企画の提案の許可を取らなければならないと言う。
宮前久美は、なぜか、あまり勉強していない、天然ちゃん。
与田の前には 知らないことばかり。
『バリュープロポジション』
①顧客が望んでいて
②ライバルが提供できない。
③自社が提供できる。
なるほど、そこに ターゲットを据えなければならない。
『プロダクトセリング』100円のコーラが、
『バリューセリング』1000円で売れる。
キムタクは マーケティングコミュニケーションにあうのか?
いや、いや。
このねーちゃん やはり 天然なんだね。
この根拠のない自信は どこからでて来るのだろうか?
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軽快な小説のようでおもしろかった。
・顧客満足=要望に応えることではない
・マーケットリーダーとチャレンジャーの戦略は違う
・イノベータ理論とキャズム理論
感想:井上かわいそすぎる
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本田慶太さんより寄付
現場の営業の考えだけでなく、より高く広い視点でサービスを作る(売る、広める)ためにはっと気づかされる事が多いストーリー性のある読みやすい本です。
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"帯に”読み物としても面白く~”なんて書いてあって何の事やら?と思っていたら、本当に読み物だった。笑
理論を並べてある本なのかと勘違いしていたが、物語形式だったので、入ってくる知識量はやや少ないが非常に面白く読めた。
主人公が型破りかつ思考が狭すぎて、同じセールス職としては「こんな人間いないだろ、、」とツッコミたくなる事も度々あったが、総じて良い本でした。
半分以上は既知の概念だったので、ビギナー向けの本なのかもしれない。
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◆アメリカの鉄道会社が衰退したのは”鉄道サービスを提供すること”という概念に縛られたから
バスや飛行機に顧客が流れても、関係がないと思い込んでいた=顧客が望むものとのズレ
市場志向 ⇔ 製品志向
化粧品会社が”より良い化粧品を売る事”と考えるか、
”ライフスタイルと自己表現、そして夢を売る事”と考えるかで同じ製品でも事業定義が全く違う
(後者の場合は化粧品に勝る美容アイテムが表れた場合にもスイッチしていく)
◆顧客満足のメカニズム
顧客満足=顧客が感じた価値ー事前期待値
⇒期待値を超えることの重要さ/事前のオーダーに応えるだけでは、顧客満足は一定を超えない
◆マーケットチャレンジャー/マーケットリーダーの戦略
ex)ソフトバンクのADSL戦略
市場の半額のコストと、機器無料でシェアを一気に伸ばしたのは有名な話
ISDNとは別に回線を引く必要があった為、ISDNに多額の投資をしていた企業はなかなか動けなかった
ADSL市場はほぼ未開拓だったため、超赤字を抱えようともこの戦略に踏み切った
シェアを一気に拡大できれば、コストリーダーシップが取れる
"
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* お客様に言われたことをやるのではなくて、期待以上のことをやる
* 自分の仕事を「化粧品を作る」ではなく「お客様をもっと美しくすること」と考える事
* 「虫歯治療」から「虫歯予防」のように、提供する価値の変換
* 一緒に協力する人とWin-Winになる進め方
といった教科書通りといったことが書かれている。
ボリュームは少ないが、入門用にうまく書かれていると感じた。
企画の仕事でなくても、誰かに価値を提供する仕事、
そこに少しでも自分のアイデアを反映することができる仕事をしていれば
誰にでも役に立つ内容だと思った。
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マーケティングの理論が、10の物語でよく分かるような感じに仕立てられていた。
物語について言えば、上司の与田氏は、よく理論を知っているし洞察力もあり、常に主人公をリードすることができるのに、それまで優れた商品を開発できていなかったという矛盾点については、主人公本人の口から指摘されていた。
マーケティングの素人が読んでも納得できる話だった。
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100円のコーラを1000円で売る、ということは、ぼったくりという話ではない。お客様のシーズと自分のできることを組み合わせ、付加価値を提供することで、お客様がその価値を認めれば、コーラも1000円で売る事ができる。1000円の価値を創り出すことが大事。
プロダクトアウトではなくマーケットインの考え方、そして、ニーズではなくシーズを掴むことが、価値提供であり、差別化に繋がる、という事を、主人公の女性の成長と共に描かれている。
実際に提供している物やサービスではなく、私たちは何を提供しているのか?(価値)ということを一度考え直すことで、根本的な価値が見えてくる。
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この本で学びとなったこと
・お客さん自身が気づいてない彼らの課題を見出し、その解決策を提案することが、今、求められること。物(ハード)での差別化が難しくなってきている今、これは日々痛感。これには相手をよく知り、自分の頭もフルに使うこと以外ない。自分が客の立場で一番思うのが、美容院で、だ。私は自分のセンスに自信がないため、どういう髪型が似合うかどんどん提案してくれる美容師さんにお願いしたいと思っている。これと同じだ。
感想
・本としては簡単な構成で、会社にいそう(でいない)登場人物の会話形式になっており、読みやすい。漫画を読むような感じで1時間もあれば読めてしまう。その過程で、value propositionの基礎をわかりやすく説明してくれている。私にとって特に新しい情報はなかったが、知ってはいてもなかなか実践が難しいvalue propositionの重要性をおさらいできたことは良かった。ただ、100円のコーラをリッツカールトンでは1000円の付加価値でサーブして、人はそれを喜んで飲むというところは、そうかなあ。。。皆、ホテルの飲食って高過ぎじゃーとぶつくさ言いながら、背に腹は変えられん時だけしょうがなく飲んでるんちゃうん。。。と少し庶民の視点もつぶやいておく。
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「鉄道会社の事業は輸送事業であって、鉄道事業ではない」トヨタの社長のトヨタはモビリティーカンパニーを目指すという言葉はまさにこのことなのかもしれない
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会計システムのパッケージを開発・販売する『駒沢商会』を舞台に、商品企画部へ異動してきたセールス「宮前久美」が、ライバル会社と争いながら成長する姿を描きます。
1. アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか? ― 事業の定義
2. 「お客さんの言いなりの商品」は売れない? ― 顧客絶対主義の落とし穴
3. 顧客の要望に100%応えても0点 ― 顧客満足のメカニズム
4. 値引きの作法 ― マーケットチャレンジャーとマーケットリーダーの戦略
5. キシリトールガムがヒットした理由 ― バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
6. スキンケア商品を売り込まないエステサロン ― 競争優位に立つためのポジショニング
7. 商品を自社で売る必要はない ― チャネル戦略とWin-Winの実現
8. 100円のコーラを1000円で売る方法 ― 値引きの怖さとバリューセリング
9. なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか ― コミュニケーションの戦略的一貫性
10. 新商品は必ず売れない? ― イノベーター理論とキャズム理論
マーケティングで気にしておくべき基本的なポイントを説明しますが、登場してくる会社、業界がかなり極端に描かれているので、ちょっと入り込み辛い印象があります。(特に商品企画部の先輩の「与田」が極端な評論家ポジションで全然手を動かさずイライラ。コンサルタントみたいに、ちょっと外野の人とかの設定が良かったのではないかな。)
『もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)』が2009年で当著が2011年なので少しは意識されているのではと思うのですが、当著の方は雑なドラマ性が邪魔して理解し辛い印象があります。テーマは良かったですが、ちょっと残念な作りでした。
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マーケティングの理論を小難しい言葉を使わずに、ストーリーに乗せて分かりやすく説明してくれる。こういう本を読むと、より自分の業務を想像しながら、理論に触れることが出来るので有意義。
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企業の目的は顧客の創造。ドラッカーの言葉。
事業をどう考えるか。製品志向なのか、市場志向なのか。
例えば、製品志向で化粧品の販売。とするよりも、市場志向でライフスタイルや自己表現とする方が、生き残り易い。つまり、柔軟である。
価格の意味。プロダクトセリングとバリューセリング。
物を売るのか、価値を売るのか。
価格を下げて勝負するのではなく、価値を上げて勝負する。
顧客の言うことは何でも引き受ける。から顧客の課題に対して、自社ならではの価値を徹底的に考え、提供する。ということ。
つまり、カスタマーマイオピア。顧客近視眼的にならないようにする。
物語になっており、非常に読み進め易い。
本書の事例をテストケースとして、自分に置き換えて考える。