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文章力もシチュエーションへの共感も高いんだけど、「あのときこうしていたら」というテーマの繰り返しに、ちょっとうんざりしてしまう。決して後ろ向きなたらればじゃないんだけど、それでもその時を振り返ることがあまりないわたしにとっては、そのテーマ自体が受け入れがたかったのかもしれない。
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表題作を含む6つの短編集。6人の「もし」を描いたほろ苦いような、ちょっと複雑な恋愛小説。恋愛や結婚、友人関係など人と人の出会いと別れというのは全て縁だろうと私は思っている。なので、この作品も縁なんだろう。いろいろなスタイルの恋愛を書きあげた作品なだけあって恋愛ってやっぱり、難しいなと痛感をさせられた。
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短編6編。
どこかの誰かに訪れていそうなシチュエーションに「あぁ、あるかも」と思わせられる。
「こともなし」のブログにアップする料理の写真を撮ったり文章を考えたりといったことはいかにも今の時代にアリそう。まるっきり嘘を書いているんでもないけど、実際よりは良く書いてるという感じなんてわかる。
「平凡」の高校時代の友人が雑誌やテレビに出るような有名人になってSNSで再び交流が始まったらこんな感じかも。
友人を迎えるワクワク感と会いに来た理由を知った時のガッカリ感がどうもね〜。
どこかにありそうな話しに夢中になった。
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新作がでるたびに読む作家さんのひとり。
今回は6編からなる短編小説。
最後の”どこかべつのところで”が心に残る。
猫と息子じゃ違いすぎるけど、大切なものを自分の行動が失うきっかけを作ってしまったんじゃないかという後悔。
あの時、窓を開けてなけらば、あの時引き止めておにぎりを食べさせていなけらば…と。
震災や事故を経験した人ならば、誰もが共感できるはずである。
心痛く、丁寧に読んだ。
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買ってから積読状態が長かったが,夏休みの1冊として読んだ。
どの話も味わい深い。もしあの時こうしていたら,と考えても,過去の選択の結果が現在だからね。
ラジオで紹介されていたので,紀伊国屋書店で購入
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誰しも自分の人生を振り返ったとき、もし、あの時こうしていたら、今とは違う生活、違う人生があったのではないかと思うことがある。意識はせずとも、私たち日々の生活は数えきれない程の選択肢に満ち溢れ、時には選んだ選択肢が人生を大きく変えてしまう場合もある。本作はそうした人生の「もしも」にフォーカス、迷いながらも生きていく普通の人々の日常生活、人生の「if」を描いた短編集。例えば通勤、通学する道、時間を気まぐれで少し変えただけで人生が大きく変わることもある、だからこそ人生は辛くもあり面白くもある、そんなことを思わせてくれる作品。
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角田さんの作品を読んでいると心がざわざわと落ち着きがなくなる。
それは自分の居場所の心もとなさを見透かされているような気持ちになるからだと思う。
日常のふとしたはずみに感じるなんで私はここにいるんだろうとか、どうして私はこんなことをしているんだろうかとか、そんな気持ち。
いくらあがいたって私の居場所はここにしかないことは分かっているけれど、考えずにはいられないここではないどこか。
この本は主人公たちの「もう一つの人生」をめぐる物語を集めた短編集。
もしあの時ああしていればと思いをめぐらせ、今とは違う人生があったのではないかと夢想する。
自分の居場所を心から受け入れられない気持ちは角田さんの作品の根底にあるテーマだと思う。
でも今回ちょっと違うのは、最終的に今いる場所を肯定していること。
もう一つの人生を生きる私に「そっちも大変そうね」と言える余裕。
角田さんも年齢を重ねたってことなのか。
自分探しの旅も一段落して、今いる場所も捨てたもんじゃないって気付いたのかな。
なんだかね、もうジーンときちゃって。
どの話を読んでも今の自分の気持ちにするりと入りこむ感覚というか。
こういうのってなかなか他の作家さんじゃ味わえないなとつくづく思う。
特に二番目の作品「月が笑う」が良かった。
最後の最後の主人公の台詞にもうグッと来ちゃった。
主人公の母の人生もたまたま乗ったタクシー運転手の人生の描き方も絡んできて。
短編も長編も角田さんはホント巧いよなー。
それから三番目の「こともなし」に出てくる母親の気持ち。
母性とは泣きたくなるような気持ちって描写があって。
ふとした時に遠くから我が子を見つめた時に湧き上がってくる泣きたくなるような気持ち。
角田さん、子供いないのにどうしてこんなこと分かるの?
すごいなー。
良かったです、最高に。
読書スランプに陥っていた私もこの本のおかげですっかり元に戻れそうです。
ありがとう、角田さん。
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つい想像してしまう。もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって―― 。もし、あの人と別れていなければ。結婚していなければ。子どもが出来ていなければ。仕事を辞めていなければ。仕事を辞めていれば……。もしかしたら私の「もう一つの人生」があったのかな。どこに行ったって絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。あなたもきっと思い当たるはず、6人の「もしかしたら」を描く作品集。
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表題作のほか、「もうひとつ」 「月が笑う」 「こともなし」 「いつかの一歩」 「どこかべつのところで」
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あのときあれをしていなかったら、あのときあの人に出会わなかったら、あのときあっちの道を選んでいたら……。人生は選択の連続である。選択し続けたからこそいまの人生があると言っても過言ではないだろう。そんな人生の途中で、ふと振り返り、もしあの時……、と違う選択をしていた自分の現在を想ってみる。平凡に生きることが良いか悪いかは人それぞれだろうが、この道を選んでよかったと思えるように生きたいと思わされる一冊である。
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もし、あの人と結婚していなければ。別れていなければ…。仕事を続けていれば。どんなふうに暮らしたって、絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。6人の「もし」を描いた傑作小説集。(「BOOK」データベースより)
もしこうだったら・・のお話です。映画なんかでよくあるけど、もうひとつの人生ってどうだろう。結局同じようにいつも「もしも・・」って思ってしまうんじゃないかな。別れた人に不幸になってほしかったのではなくて、「平凡」になってほしかったっていうフレーズ、面白いと思いました。
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短編それぞれの主人公が、みんな自己完結する話。タラレバは誰しも思い当たるけれど、小説としてはそれだけではちょっと物足りない。
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自分の人生の「もしも・・・・」、考えたらキリがないし
30を過ぎてからは仕事と子育てで慌ただしいし
それなりに充実していたので、ほとんど意識したことがなかった。
ただ角田さんはこういう心の片隅を照らすような
作品が多い。
女性にとってはとってもハマる本だと思った。
そして自分自身も少しだけそういうことを考えた。
でも結論から言うとムダな時間だと思う。
選ばなかった人生があったとしても考えても仕方がない。
これからどんな選択をしていくか、それを考えるだけだ。
そんな独りごとを考えて、じっくり読んだ本でした。
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人生におけるターニングポイントはいくつかある。
違う道に進んでいたらもっと良い人生になったのでは。
と思うこともあるかもしれないけど、それはないものねだりでしかない。
アランの「幸福論」を読むべし。
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思い通りにいかないことや、嫌なことがある
と誰しも考えてしまう。
人生の選択肢を間違えたのではと。
そこらへんのところをうまくツボを押さえて
てどの章も満遍なく良かった。
特に最後の「どこかべつのところで」は
切なくてグッときた。
取り返しのつかないことって辛いわ。
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もしもあの時こうしていたらー・・・という、もしも、を考える人達の短編集。誰もが一度は考える、あるある、という話。元カノの呑み屋、私も行って見ちゃうだろうなぁ。
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あの時ああしていれば..あの時ああじゃなかったら...という仮定の先にあったはずの、今とは別の人生を共通のモチーフとした短編集。ただ個々の話は面白いものの、同じテーマ下にあるとどうしても似通って感じられてくる。"今とは別の人生"はどうしたって、どう描いたって想像でしかないわけだから。結果として一編一編の印象は薄れるけど、それでも読み手にもふと"今以外の人生"を想像させるのであれば、それも含めて著者の力量なんだろうな。