紙の本
初めて有吉作品を読みました
2016/12/27 20:43
2人中、2人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:か~ちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
50年くらい前に書かれた作品ですが現代でもありそうなストーリーだと思いました。
古い表現もありましたがマンハント→ナンパ?と考えながら読むのも面白かった。
音楽の授業で習い歴史上の人物だと思っていたハチャトゥリアンが来日した・・・という
ところには時代を感じビックリでした。
紙の本
或る意味、青春小説
2019/02/07 00:14
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投稿者:beni - この投稿者のレビュー一覧を見る
私が子供のころ、NHKで夜9時40分ぐらいから毎晩放映されていたドラマシリーズで
真野響子さん主演でドラマ化されていた(と思う。記憶に頼っているので違っていたら失礼)
原作であるこの小説を読んだのは社会人になってからで、その時も「こんな昔に書かれていた小説だったのか」と驚いた覚えがある。
ドラマで見てなかったシーンを充分すぎるくらい埋めてくれた、想像力を掻き立てられる小説だった。
「大人って凄いなあ」というセリフが、この小説の核心のような気がする。
いつか人生に訪れる鮮烈な現実を、人はどう受け入れていくものなのだろう。
有吉佐和子氏の小説は、短編も長編も、ぐいぐい引き込まれる。
いつもページが残り少なくなっていくのが惜しくなる。
橋本治氏の訃報をお聞きして、しりとりのようだが有吉佐和子氏を思い出した。
まだ読んでいない小説があるので、再び手に取ってみようと思う。
紙の本
オートクチュール
2017/05/31 14:42
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投稿者:pope - この投稿者のレビュー一覧を見る
一昔前の少女漫画の世界ですね。
オートクチュールの店「パルファン」にお針子として入り、そこからどんどんのし上がっていく隆子。
若さ故怖いものなしの彼女が成功を掴んだと思った瞬間・・・
しかしへこたれないのも若さのおかげか。
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反面教師!なぜ!ならない!みたいな…。
やればできる子な主人公なのに、うまーく手のひらで転がされちゃいましたね。
惜しいけど、これはこれでしょうがないのかなぁとも思ったり。
でもラストは好きだなぁ。懲りなさ加減が。
ドラマと映画にもなってるんですよね。
ちょっと見てみたいかも。
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洋裁学校に通う隆子に突然降ってわいたオートクチュール・パルファンへの就職話。松平ユキからのスカウトを受け、意気揚々と飛び込んだ世界だったが、正直だけが取り柄の若い自分になぜ白羽の矢が立ったのか…考えながら必死に勤める隆子。
初めは若い才能のサクセスストーリーと見せかけて、ものすごいスピードでもって鮮やかに裏切る。隆子自身も気づかないままに育った野心が見え隠れしながら、やがて、主人公なのに??と衝撃的なくらい打ちのめされるのだが、ラストは隆子らしくしたたかに前向きで、心憎い。
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1960年代の、高度経済成長の頃に書かれた小説ですが、全く色褪せた感じがしません。
多少、街の様子は違うものの、権力争いだとか、のし上がっていく様だとか、男女間の駆け引きだとか、そういった事は、いつの時代でも変わらないのですよね。
小式部クミと隆子が失脚したのは、純粋に服を作りたい、という気持ちを失ったからでは・・・と感じました。
隆子の凄いところは、「仮縫」させられただけでは終わらず、物理的な荷物以外のものもしっかりと持って、パルファンを出た事ですが。
元々、装う事が好きではあるのですが、アニメの『キルラキル』を観て、少し、「服を着る」という事について考えたりもしたので、これを観る以前に読んでいたら、また、感想が多少違ったかもしれません。
それにしても、最後のページの、「私はやっと仮縫が終わったばかりなのだ」は、名文。
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女の冷戦。誰を信頼したらいいのかわからなくなる。最期はやはりあの人の方が上手だった。プラダをきた悪魔みたい。
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なんか昼ドラのストーリーに打ってつけなような
女の世界。面白く読んだ。ストーリー以上に文章が
すばらしいのだと思う。ただのドロドロした話に
ならなかったのは。主人公清家隆子がその後の将来
を着実に成功して歩んでいくといいなぁと思った。
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自分にとって2冊目の有吉佐和子。地味だった縫い子の抜擢、出世、野心、転落。しかし、彼女はまだ人生の仮縫だと言い前を向く。若さゆえのしなやかさと強さ。派手な筆致ではないが、物語に引き込まれる。森英恵の解説も良い。
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夢に向かって邁進する強い女性、そのサクセスストーリーと思いきや社会の厳しさ、無情さを痛感する意外な展開だった。
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大人って、すごいなぁ。と感嘆する隆子の姿に共感。本当、大人って、すごいんだよ。尊敬できるかどうかはまた別の話だけど。新社会人へおすすめしたい1冊。
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最後の最後でぎゃふんと言わされ脱力したものの、ある意味気持ちのよい脱力感というか肩から力が抜けてほっとした一冊。
終盤の逆転劇にはつい「だよねー」と言いたくなる。
変な話で主人公隆子の気持ちに寄り添って活躍を期待しつつ、どこかで少しずつ驕り?を身に付けていく彼女に一度痛い目を見てほしいという気持ちが読みながらあった。
だからこそあのラストは呆気に取られる部分もあったけど、とても良かった。
あのまま驀進していたらきっとどこかで崩壊していただろうし、軌道修正的な意味でもやっぱりいい薬になったんじゃないかな。
ただ隆子の目標のための行動力は見習いたいし、読んでいてとてもモチベーションが上がった。
失敗だけでは終わらない、という希望もあり複雑ながらもしゃっきりと背筋が伸びる話だった。
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時代を感じさせる描写もあった(作中で、ハチャトゥリアンが指揮をしていた!)のですが、女と女の闘いや、男女の関係など現代でも十分通用する面白さでした。
松平先生、強かで、鮮やかで、ずるい。
主人公は真っ直ぐで上昇志向が強く、挫折しても跳ね返そうとする強さが良かった。
この先、ズルさを身に付けて、業界でのし上がっていくのを予感させるようキャラでした。
この作品が自分が生まれる前に書かれたなんて……古くてもいい作品に当たると、人間の本質なんてそう変わらないものなのだなと、改めて感じました。
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有吉佐和子さんの作品の中では少し微妙かも・・・
大人ってわからないし、怖いね。
誰を信用して誰に気をつければいいかなんて意外と時がたたないとわからないものだ。
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オートクチュールとプレタポルテ。
かつて持たざる者と持つ者の間に歴然とした差があった時代。うん十万のお洋服を仕立てる令嬢や金持ちの奥さま方。
洋裁学校から腕を見込まれ引き抜かれ、初めて目にしたゴージャスで洗練された世界。若い娘が野心に燃えるのも当然かと。
しかしいつの時代も大人は一枚上手、古参の皆を出し抜き強かに立ち回っているつもりでも、いいところは全て大人にかっさらわれる…
それでも挫けず仮縫いのうちは私の人生は何度でもやり直せる…と思える強さが若さが、彼女の一番の武器。