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山口組元幹部による、戦後暴力団史。すごい迫力に圧倒される。根本的に何かずれているのでは?とふと思う時も序盤あるが、任侠の世界を少しイメージすることができた。北野映画でしかイメージできなかったが、映画を超える内容(北野映画も本書の内容をトレースしたと思われる描写が多くある)。
某会社と同じような抗争やらクーデターやらがあったということは意外であった。そうならない圧倒的な主従関係がやくざの世界では?との思いで。ともあれある意味極めてリアルな歴史書であることに間違いはない。
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山口組三代目以降の内情を、元構成員が暴露した本。
暴力の応酬が普通に行われていたり、やっぱり、そっちの世界はこっちとは違うんだなぁ、と感心しました。(^^;
北野監督の OUTRAGE シリーズを彷彿とさせる(というか、こっちが実世界なので本筋ですよね。(^^;)ところも多くあり、そういうのが好きな人にはお勧め。
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暴力団の存在を支持するわけではないですが、義理と人情の任侠道が好きです。
清水次郎長のCDを随分と持っていますし、その手の本も結構持っています。
ノンフィクションでは、暴力団が専門分野の溝口敦さんのファンです。
日本最大の暴力団、山口組が先ごろ分裂したのはご承知の通り。
その背景がよく分かる良書はないものかと物色していたら、本書に出合いました。
これがまあ、面白いのなんのって、寝食は、まあ、しっかり取りましたが、夢中で読み耽っちゃいました。
著者は、山口組三代目組長の田岡一雄や、当時の山口組若頭で山健組組長の山本健一に仕え、田岡が銃撃された「ベラミ事件」では報復の先陣を切りました。
山健の首を狙う大阪府警捜査四課の壮絶な取り調べにも耐えました。
白眉は刑事から「山本健一」の名前の入ったデタラメな調書に「サインせい」と迫られた時のことです。
頬杖をついたまま調べ室の机にドーン、ドーンと肘を当てて舌を噛んだのです。
たちまち血が噴き出して刑事は動揺し、調書をその場で破り捨てたのでした。
これで山健まで捜査の手が伸びるのを食い止めたのです。
ただ、著者はこれで懲役刑を受け、宮城刑務所で昭和55年から16年間服役することになります。
刑期を務め上げ、娑婆に戻ってきた著者の目に映ったのは、かつての任侠道の組織ではなく、カネ、カネ、カネの経済至上主義に染まった山口組でした。
大阪戦争の最大の功労者である著者は、任侠道の伝統を重んじるだけに山口組執行部にとって煙たい存在となり、徐々に遠ざけられていきました。
終盤に、やはり任侠道の世界に生きた中野太郎・元中野組組長を引き合いに出し、「結局、俺も中野も、山健の親父や四代目の(竹中正久)親分、それに(竹中)武さんとかと同じで、昔ながらのヤクザ、今の時代では生きていけん古い極道やった……ということやったんでしょうな」と語る場面には、思わずしんみりとしてしまいました。
宅見勝若頭暗殺事件や、五代目・渡辺芳則から今の六代目・司忍に代替わりする際の「クーデター」の内実は、さすがに組織の中枢にいて強固な情報ネットワークを築いていた著者だけあって詳細です。
先ごろの山口組分裂に至る背景も見えてきました(本書の単行本は2013年9月刊行)。
今は堅気になっている著者は、古巣の山口組に対して「いっぺん潰して、元に戻すんですわ」と提言します。
日本最大の暴力団が今後どのような道をたどるのか、興味をかきたてられるところです。
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アンダーグラウンドの世界は、われわれの生きる世界とは異なる独自の理屈が原理となる、まさにアンダーグラウンドであるからこそ関心を持てるのであるが
その中身を覗いてみると甚だ仕様もない。俗物の魑魅魍魎による権力争いは、われわれの表の世界の最も汚い部分の縮図だ。
その意味では、当事者の告白による本書も、なんだか上場企業の権力闘争記にしか読めない。
買収や株、などの単語が銃や殺人に変換されているだけで。
6代目のクーデター就任という証言も、ヤクザマニアには新事実なのだろうが、それがなんだというのだろうか。
自伝は、その人のパーソナリティにかかっている。
盛力健児を知らない人間が見ても楽しめるほどのものではない。
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関西の大物親分の回想録。大物中の大物、大幹部が語る山口組史。トラディショナルなヤクザなのでインテリヤクザとは違う迫力がある。大幅加筆されたので購入。主に、出版しての各方面の反応など。