紙の本
考え方のお手本
2016/01/17 23:25
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:たろう - この投稿者のレビュー一覧を見る
これからの百年の歴史を予想するが感覚で想像するわけではもちろんなく、筋道立って論を進めていく
この本はその予想が当たっているかどうかではなく、もちろんそれは興味深いが、その予想にいたるまでの論理に焦点がある
その論理というのが地勢学。人間の価値観、政治家の気まぐれでなく、国家の置かれた地勢的環境、そこから導かれる戦略こそが百年変わらない、動かしようのない事実、世界観である
アメリカが弱体化していると言われて久しいけれど、それは非常に表面的なことだとこの本を読むと考えるようになる
紙の本
大変面白かった
2014/08/29 14:01
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:k - この投稿者のレビュー一覧を見る
ウクライナ情勢、中近東情勢を見るとあたっている。東アジア情勢もあたるかもしれない。
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非常に興味深いです。
当然ながら、細かいところまで予測できるわけではありませんが、それでも、おおまかに「こんな風に推移するだろう」と言う予測が述べられています。
どのくらい、その予測が当たるかは、未来の人々の評価に依存するしか無いですが、大体のところは、当たりそうな気はしますねぇ。
気になるのは、日本の件。この予想のようなことにならないと良いんですが、何となく、この予想に近づいていくような気がしてなりません。
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地政学の視点で今後の世界情勢を鋭く分析した本。2014年のクリミア紛争的中!と帯や表紙に書いてあるので、人によってはA・トフラー系の未来予測本だと誤読する可能性がある。しかし、この本の本質は、欧米人がどのような考えに基づいて、どのように振舞うのか、その思考回路を把握することにある。アメリカが世界をどのようにとらえ、どのように考えているのか、その一端を知るのにふさわしい本。
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題名道理の内容の本だった。地政学に基づいて語られる未来の予測は説得力のあるものだった。特に近い未来、2020年代についての内容は過去から現在への時の流れを考えると、とても説得力があった。
読んでいて興味深く、面白かった。今後、新聞やニュースで国際情勢を知る時、この本のアでプローチの仕方で考えたり、この本の予測と比較していきたいと思う。
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思ったより面白かった。
21世紀の100年間がどのようになるのかを
地政学的見地(これがよくわかりませんでしたが)
から予測する内容。
21世紀はアメリカの時代。第2次世界大戦やEUまでは
ヨーロッパの時代で、アメリカはまだ若くて粗暴な国。
そのアメリカに挑戦する国。挑戦させられる国が
かわるがわるでてくる。
まずはイスラム、まとまりがなく自壊していく。
その次はロシアと中国。現状の経済や技術に固執し
アメリカの技術にまけてしまう。また民族問題や
それを統制している機能が弱体しロシアと中国は
分裂する。
その分裂した中国とロシアの周辺を力に変えていく
日本とトルコとポーランドがアメリカとの関係の
なかで日本とトルコと(ドイツ)がまたアメリカと
戦争をおこす。その開戦の仕方や結末は第2次世界大戦
とほぼ同じ流れが起こっていて。。
最後には、アメリカのひざ元であるメキシコと
アメリカの対決になる。
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表題の通り、今後100年の世界史を予測している。
本作の冒頭でも著者が記載している通り、Detailの部分は正確ではないかもしれないが、大筋では悪くない予測を与えると考えているという。
未来に発生する事象が何の制約条件もないのであれば、科学的な予測は不可能に思えるが、未来は過去という極めて強い拘束を受けるため、注意深く考察することにより、大筋は予測できるのであろう。
ちょうど、チェスの名手同士が対戦した時に、コマが盤上全て動くことはできても、最善手という意味では実はありうる手数はそれほど多くは無いという比喩が成り立つように。
ただし、どんな科学でも100年後は眉唾ものであると思われる。
例えば、日本のエネルギー予測を良く見受けられる(特に原子力!)。が、100年後となると誤差の影響が強く伝搬するためもはや何でもありになってしまう。
とすると、重要なのは直近の数十年(~50年)の挙動予測であると思う。
筆者は、ずば地政学的な意味では、アメリカが相変らずヘゲモニー的な地位を維持すると予測している。
ただし、対抗馬がありそれは(ロシアや中国ではなく)トルコと日本、時点でメキシコであると予想する。
なぜの核心部分は本書を読んでもらうとして、トルコはわかるとして、日本が出てくるのは日本人として誇らしいようで、ホントか。と自虐的になってしまう。
長期的な不況、歪んだエネルギー構造による国際的な競争力のなさ、人口減少、年齢構造による労働力の減少等、マイナス要素を挙げればキリがないが、プラス要素はパッと思いつかないし。
筆者のロジックは、アメリカは南米、ヨーロッパを軍事的に制圧できるがアジアまでは手をのばすことができない。かつ、中国、ロシアは歪んだ資本主義により自然と解体するので、そのスキに日本とトルコが台頭するしかないじゃん、というもの。
その後は、日本がアメリカに戦争をしかけるというシナリオを紹介しているが、なかなかあり得なさそうなシナリオだと思う。
日本の安全保障はどこの国にしてもらっているのだろうか。それを振りきって、自国で軍事力を持つ勇気がこの国にあるのだろうか。。集団的自衛権の憲法解釈でこんなに騒がれているのに。
いずれにせよ、将来の予測をするのは大変な努力をしなければならないし、将来、本書の正解がはっきりとわかるという点で著者のリスクは大きい。
それを承知で、このような大胆な本書を書き上げたのはやはり作者の力量があってこそなのだろう。
50年後にまた本書を読むとしよう。
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おもろい。ぶっとんでるけど、ありえなくない範囲と思ってしまった。
主題は未来予測だけど、やはり過去の分析から立ててるだけあって、いちアメリカ人から見た●●人観みたいなものもうかがい知れてすごく良かった。
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地政学と経済予測の本ではあるが、とても読みやすい。アメリカびいきな部分も多いような気もするが、作者曰く”こういう予測は当たらない”らしい。読み物としては、未来から近未来100年を振り返った書き方になっているのでSF的な読み方もできる。ロシアのウクライナ侵攻は必ずあってその後ロシアは衰退するとの記述があった。読んでいるときに実際に起こったのでびっくり。
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アメリカは若い国で繁栄はこれから。筆者はこの本を臆面もなく書けることで、はからずも母国が若い国であることを実証している。また若さ故に大胆な予測も。この単純さにこそ学ぶべきか。
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地政学的に極合理的に考えれば、2050年頃にはアメリカ・ポーランド・日本・トルコは戦争をする。日本は武器を持つことを避けられない。21世紀は相変わらずアメリカ中心の世界である。海を支配しているから。のちにアメリカは宇宙を支配することで世界を支配する。21世紀後半には発電は宇宙で行われる。そんな、マクロの、ありそうなシナリオを描いている本。そしてそれはちっとも非現実的な話でもなさそう。そこでわたしはどう生きていこう。
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地政学的な予測本。
序章に書いてある手法の説明がわかりやすく、この本が単なるSF本ではない、信頼性の高い本であることを教えてくれる。そこには、
地政学的な予測はチェスに似ており、国家の行動はチェスの指し手と同じように非常に合理的である。無限の選択肢がありそうで、実は打てる手はかなり限定されている。
「統治行為とは、ほとんどの場合必要かつ論理的な次の一手を実行に移すことに過ぎない。」つまり、誰が指導者になるとか、指導者が何をするとかではない。戦前の日本は、資源の問題から海外へ行くしかなかったし、ヒトラーのドイツはベルサイユ条約の賠償金の問題からフランスなどに出ていくしかなかった。日本にヒトラー的な指導者がいなかったのは、そういうことだろう。
こういう手法で21世紀を描く。
面白い。そうなりそう。
ウクライナ問題はその通りになったし。
日本は宇宙で「真珠湾攻撃」をして、また負けるって。
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2009年に出版された2100年くらいまでの世界を予測した「未来の歴史預言書」と言える本。「影のCIA」と呼ばれる情報機関の分析だけあって、ロシアのクリミア併合などをピタリと当てる。予測は必ずほとんど当たらないだろうが、そのアプローチの仕方は知っておけば世界の動きが良くわかります。
内容もほどよくストーリー仕立てになっており、地政学的な推測の流れがウンチク臭くないのて読みやすく、そのストーリー描写もリアル(ありえそう)なのでまるで映画を見てるように未来が想像できます。
その100年はなかなか衝撃的で、以下はネタバレなので、ストーリーを楽しみにしている人は読まない方がいいかもしれません。
問題は、ここの事象より、どういう原則があって歴史が作られてきたか、とそれを踏まえてどう考えるかです。
この本の存在によって、2050年の日米開戦や諸々の戦争が避けられことを願うばかりです。
そのストーリーとは、ざっくりとは以下の通りです。
2020年代に資源紛争に介入してきたアメリカと冷戦を交えたロシアは軍事支出耐えきれず空中分解。中国も権力闘争で分裂。
ロシア、中国の二超大国が分裂してポッカリ空いた力の穴をポーランド、トルコ、日本の周辺国か勢力圏に収めようとする。アメリカはその取り組みを温かく見守る。
そして大国にのし上がり東欧の盟主になるポーランド、オスマン帝国の再来とも言えるヨーロッパ、中東、北アフリカ、中央アジアに領土と勢力圏を持つ世界帝国のトルコ、分裂した中国に次々に出現した親日的国家に数多くの企業が進出しまたその中国の親日的国家からの移民により人工問題を解決し経済的繁栄をきわめる日本という3つの国が台頭する。
それに並行して様々な技術革新か行われ、とくにアメリカと日本は宇宙開発で世界をリードする。アメリカあらたな宇宙軍事システムを構築し、日本も様々な観測衛星を打ち上げる。
しばらくして、日本はアメリカの宇宙軍事システムに監視されているのを快く思わないようになり、アメリカは日本の打ち上げる民間の衛星がアメリカ宇宙軍の通信の傍受してるのではないかと疑い始める。
また地上では気がつけば、トルコと日本がアジアを束ねる超大国になろうとしており、アメリカは不安を隠せなくなる。
この雰囲気を察知した日本とトルコでは反米感情が高まり、ついには日本とトルコは同盟する。この動きはアメリカを刺激し、アメリカは日本、トルコにより圧力をかける。
一方ヨーロッパはドイツとフランスは大国だが社会が衰退期に入り元気がない。そんな中で隣で成長著しいポーランドにドイツは危機感を募らすが行動を起こす元気はない。
アメリカはヨーロッパに自分を脅かす大国が出ないようにドイツとポーランドを刺激しないように同盟関係を維持するがどちらにも関わりすぎないようにする。が、トルコに圧力をかけたいアメリカは次第にポーランドに肩入れする。
2040年代後半には東欧やギリシャなどのバルカン半島を勢力圏に収めているポーランドがアメリカの支援を受けていることを、勢力圏が隣り合わせるトルコはより一層に危機感募らせ、バルカン半島はふたたび火薬庫になる。
宇宙は2020年代の中国、ロシア崩壊の混乱の収束後、イノベーションと宇宙開発を進めた結果、2040年頃には日米で分け合っている状態となる。アメリカは軍事衛星システムを完成させることで日本に圧力をかけ、日本とトルコは宇宙の利用(宇宙での権益?)や、軍事的な安全が脅かされていると感じる。
そして、日本はアメリカの宇宙軍事システムを停止させ、安全に宇宙を利用できるようにするため、日米開戦の世論がたかまる。
2050年夏、緊張が最高潮に達したバルカン半島でトルコとポーランド陣営で小規模な紛争が勃発。アメリカは紛争解決に奔走し、秋にはとりあえず収束する。日本は紛争に関与せず、とりあえずは平和が保たれる。
引き続きアメリカがヨーロッパに目を向けている2050年11月24日午後5時(アメリカ時間)に突如としてアメリカの宇宙軍事システムは日本の攻撃により破壊される。
多くのアメリカ人がフットボールを見ながらうたた寝している感謝祭の夕方を狙ったことと、またそのミサイルは月面に建設された民間施設に偽装された基地から静かに発射されたこと、アメリカの宇宙軍事システムが想定していない方法で行ったことで完全に奇襲となる。
こうやって、日本・トルコ同盟とアメリカ・ポーランド陣営同盟で宇宙軍事システムと地上の軍事システムをターゲットにした第三次世界大戦が始まる。
トルコは機甲歩兵でポーランド勢力圏をぐいぐいと攻め上がり、日本とアメリカは軍事ITシステムの拠点を超音速爆撃機とミサイル攻撃し合う。
ヨーロッパでは屈強な機甲歩兵に苦戦するポーランドを支援するだけの地上部隊をもはやアメリカは持っておらず、ポーランド陣営は機甲歩兵に必要な発電所や送電システムを破壊しながら撤退を繰り返す。
ポーランドが押され気味になっている中、ドイツにはトルコから参戦の誘いがある。トルコは戦後ポーランドから勢力圏を勝ち取ったとしても維持しきる体力が無いので、ギリシャより北の旧ポーランド陣営の領土をドイツに譲るという条件を付けた。この破格の手土産は、ポーランドの脅威から国を守りたいドイツに渡りに船でアメリカとの若干の関係悪化を承知で受諾。ドイツは日本・トルコ連合側に参戦し、ポーランドに進攻する。
2052年ついにアメリカの反撃が始まる。破壊されたアメリカの宇宙軍事システムから集めたデータや予備の設備をかき集めてあらたな情報システムを構築したアメリカはポーランドで戦闘中のトルコ・ドイツ連合軍と中国大陸で戦闘中の日本に大規模な反撃を行い地上軍と発電システムを壊滅させる。
戦場に近いドイツは壊滅し、日ト独連合は地上戦を続けられなくなる。ここでアメリカは窮鼠猫を噛むごとく、日ト独連合が核兵器を使用することを恐れて、講和会議を開催。
アジアでの日本、韓国、中国のバランスをとり、ポーランドとトルコの勢力均衡を維持したいアメリカは曖昧な講和条件で戦争を収束させる。
日本とトルコの勢力圏は若干縮小し、空いたスペースにはアメリカの勢力圏下になり技術支援を受けた中国が駐留。ポーランドは勢力圏を大幅に拡大したが、トルコとの地上戦で多くの死者を出し、あらたな勢力圏も荒廃していたため、後味の悪い勝利に。日本は戦争による被害は宇宙の施設や破壊された施設の職員や防衛関係者に止められまた民間の都市も打撃を受けないが、人口問題が解決しないという代償を負う。
その戦後2080年ごろになるとメキシコがアメリカを越え、いよいよアメリカはメキシコに取って代わられようとしていることに気づき、関係が悪くなる。
そのころのアメリカ南部ではメキシコ系の住民が多数を占めるようになりもはやアメリカかメキシコか分からなくなる。
人口が過剰になって移民を締め出したくなったアメリカはメキシコと対立。対米感情が高まり、経済的、軍事的にもアメリカを上回るほどに成長したメキシコは、2100年、ついに世界頂上決戦を挑み、開戦する。
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地政学に基づいて21世紀の世界を予想する試み。
有史以来争いの絶えない地域というのはあるもので、土地というのは有力な変数と言えるのかも知れません。正直トンデモ感の否めない記述もありますが「事実は小説よりも奇なり」、納得感のある部分を参考に自分のこれからのとるべき選択肢を考える材料にしたいと思います。
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地政学的な切り口だけをもって未来を予測することをナンセンスと決め付けるのは簡単。でも、現実って、かなりそういう部分に占められている。遠くの親戚より近くの他人が気になるのも地政学的。TVのニュースで近所・国内の事が多いのも地政学的。ああいう具体的なストーリーがあってのリスク管理なのかな。日本にもああした予測を考えている組織があるんだろうか。考え始めたらたらキリがないけど。世界地図片手にもう一度読みたいと思いました。