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自分が本当にしたい生き方とは何か。ここで逃げてもいいのか。それとも手を差し伸べたいのか。後悔することにはならないか。
人との関わりって、折々に分岐点があるけど、南波ちゃんの選択は、どうだったのかなぁ。あんな選択をしたら、きっと後悔するよね。
私はどちらかというと沙綾ちゃんみたいな体験をしたことがあって、そういう時、周りの人は南波ちゃんとは違う道を選んでくれたので助けられた方ですが、もし、南波ちゃんみたいな態度を取られたら、やっぱりつらかったろうと思います。とても、沙綾ちゃんのように、優しく微笑んではいられなかったと思う。
でも、南波ちゃんが抱えてた弱さは、みんなが持っているもの。彼女を責めることなんて誰も出来ないのかも。
茨の道だもの…自我の定まらない子供に、とてもつらい選択をさせる、子供社会はとても残酷ですね。
人という物は、本来残酷な生き物だと思います。自分と違う、周りと違うというだけで、誰かを傷つけたり、こうでなくてはならない、という常識に囚われ過ぎれば、それから少しでも外れれば意見もなにも抹殺される。大人の世界でも往々にしてよくあることです。
綺麗すぎるから、立派すぎるから、手に入らない物を持ちすぎているから。だから、勝手に相手を貶めるなんて、人にもとる行いですし、最低です。でも、それを大きな声で言える人のなんと少ないことか。
人はなんて狭量で、卑屈で、僻みっぽい生き物なのでしょうか。そういう私も、持たない物はたくさんあって、持てる人を思えば羨ましくなりますが、それでも、自分の品位は保ちたいと思います。
沙綾と南波の話も、ルルーとサラの話も、とても胸を打ちました。つらい思いをした子供だった人たちに読んで欲しいですね。
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意識が戻らないまま何年も眠り続ける沙綾.南波が枕元でいつも朗読するのは沙綾が大好きだった小さな魔女,ルルの物語.そして時は経ち,二人に訪れるルルの魔法とは・・・.
久々に本格的なファンタジを読めて大満足.気持ちが沈んでいるときに読んでみるのも良いですよ.
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ルルーが帰ってきた!と本当に喜んでしまった。
フフ ( *´艸`) いつか私も風の丘にルルーに会いに行くのだ。
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主人公南波が同じ作者の『風の丘のルルー』を親友に読み聞かせるという形式をとっている。
このルルーの物語がすごくいい。
過去に魔女は人間に迫害され、ルルー以外の魔女は死に絶えたと思われる世界である。
ルルーも自分が魔女であることを隠し、生きている縫いぐるみ(!)ペルタと孤独な旅を続けている。
しかし、どんなに人間を怖れ、疑ったとしても、やはり心のどこかでは信じたいと願い、人間の為に困難に立ち向かうルルーの気持ちが、主人公南波と重なって、心打たれずにはいられなかった。
少しでも異質なものを感じ取るとコミュニティからつまはじきするのがめずらしくない世の中で、生きにくさをひしひしと感じている南波がルルーの強さに勇気づけられていく様子に、読んでいるこちらも元気づけられた。
『風の丘のルルー』自体もぜひ読みたくなること間違いなしの作品である。
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「(略)最初っから強い人なんて、きっとどこにもいないんだよ。みんなきっと、優しくなりたい、強くなりたいって歯を食いしばってる。だめな自分、弱い自分が好きになれなくて、許せなくて、たまに泣いちゃったりしながらね」
P170 千鶴先生の言葉を引用
この言葉は胸に刺さった。
刺さったというより、沁みてきた。
弱さを見せまいと頑張りすぎるのも自分。
それを嫌うのも自分。
大人になったら涙を他人には見せないけれどね。
この本のラストに涙が出ました。
じわじわぁ、と瞼にあふれてきました。
ルルーの物語を通して、南波と沙綾をつなぐ。
先生のあとがきを読んで、さらに胸が熱くなりました。
20年を超える児童文学作家として物語を紡いでいらっしゃった先生。元子どもだった読者さんとのサイン会での出会いを大変喜んでいらした。
そうなんですよ。
子どもの本というのは出会った時に忘れられない物語となる。
だんだん成長して、いったんその本から離れてしまっても、ふと戻ってくる。
自分の故郷のように。
そして、自分から子へ、孫へと読み継がれるものは児童文学なんだなぁ。
改めて感じました。
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ふんわりした雰囲気は、この作家さんの素敵なところ。
この話を一言で言うと「孤独との対峙」…かなぁ。寂しい人、淋しい人が出てくるにも関わらず、これだけあったかい雰囲気の作品はなかなかないかな。
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2014.08.27(水)
よい◎
上・下とも、つい、つい、サイン本購入。
前はミステリーばっか読んでたけど、最近はこういうほんわか考えさせられる本の方が、すき!すきだ!
物語のぐいぐい感は上巻のほうが強くて、のめり込みやすさでいったら、すこし下巻はマイナスかも。。
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元々の『風の丘のルルー』を知らないのがとても残念ですが、でも、読んでいなくても楽しかったです。
小さな魔女のルルーは、悩んだり迷ったりしながらも、それでも、その優しさだけは揺るぎがなく、実は、とても強い女の子。
千鶴先生の言葉の通りに、声は魔法で、人の思いは、言葉に変えて世界に出さなければ、人を幸せにしたり救ったり出来ないのだな、と、はっとしました。
「ありがとう」と伝えるだけでも、それは、きっと、幸せの呪文になるのですよね。
魔女の子孫の沙綾もだけれど、こっそりとチョークで花の絵を描いて、人々を笑顔にする南波も、きっと幸せの魔法を使えているんだと思います。
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優しい優しい物語。
過去にシリーズで刊行されたルルーの物語に、現代の物語を足して編み直したものだと最後の最後に知った。
加害者も被害者もいるけれど、読んでる私たち誰もがどちらにもなり得る。でも、後悔しても恨んでも、そこから立ち直る方法や方向も、そっと指し示してくれている気がする。
ルルーの他の話も読みたくなった。
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タイトル買い。初村山作品。
どこか気になる作品は、やはり読まれるべくして手に取るのだろうと、偶然ではなく必然を強く感じる。
作品そして南波ちゃんの朗読する劇中作が様々なことを自分に問いかける。そして長時間歩いて疲れた後に温かいスープをいただいたような、心と身体が解き放たれる読後感。
多分もう会えないだろう人に会いに行った自分にそっと寄り添ってくれた。きっと一生忘れない作品。
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なるほどこういうラストなんですね。わたしも彼女に会ったら、必ず同じ台詞を言おうと思います。子どものころに空想した物語がこの手に降りてきたみたいな素敵な時間でした。
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児童文学「風の丘のルルー」のシリーズを再構成した作品。劇中作として、「風の丘のルルー」という小説が登場します。その小説が大好きだった、高校生になっている2人の女の子、そのうちの一人が主人公。眠ったままになっているもう一人の女の子は、小さいころから少し人と変わったところのある女の子だった。小さな魔法が使えたのだ。それは小さい頃のごっこがそう思わせたのかもしれないけれども、「風の丘のルルー」の本を読んでいると、その世界が立ち上がってくるような感覚に襲われる。その少女がいじめられているのを、主人公の女の子は助けてやれなくて、その女の子は、今、病院のベッドでずっと眠り続けていた。
本の物語が、あの頃に生き方を教えてくれていたはずなのに、主人公の女の子は、そんなことも忘れてしまって生きていたのだと、悔やむ。
7冊のシリーズを全部、眠っている彼女に読み聞かせたときに、それは、まるで呪文のように働き始めるのだ。
下巻の物語もわくわくの連続でした。大人になってから読んでも面白い。見た目が複雑じゃあないのに、その複雑じゃないからこそ考えないといけない、考えさせられる向こう側が広いように思います。
結末も最後まで読んでよかったと思えるものでした。でも、本当の出来事なのかな? それとも・・・。
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上下巻並んで置いてあっても、別のお話の本のようにも
見えます。
上巻とともに、タイトル・表紙のイラストが
好きで購入。
上巻で既にお気に入りのお話になっているので
じっくり物語の中の世界に浸って漂いたいです。
読後、期待以上に気に入った物語だったと思い、
嬉しくなりました。
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あー小さい頃の自分に読ませたい。
とはいえ、大人になっても魔法に憧れたまま。
素敵な物語も魔法と呼べるか。作家さんは魔法使い!
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コンビニたそがれ堂で、村山さんにハマったので風の丘のルルーとは、この本で出会いました。小さい頃にルルーと出会って、この本で再会した方は、懐かしさと新鮮さが入り交じった不思議な読後感なんだろうなと、少し羨ましく感じる。個人的には、上巻の傷つきながらも身近な人の幸せを願い、風の丘にたどり着くまでのストーリーが好きだった。下巻になると、急にスケールが壮大になりドタバタ感に若干ついていけず少し飽きてしまった。これも、既にルルーの物語を知ってた人は、抵抗なく読めたんだろうなと思う。それでも、最後までルルーとペルタと旅ができて楽しかったのは間違いなし!主人公の魅力は下巻も衰えない。エピローグも爽快な終わり方で、すごくよかった。久しぶりにいつかまた読み返したいと思える本に出会いました。