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鮮烈で、やがて寂しい
2020/02/19 01:02
1人中、1人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:tadokoro - この投稿者のレビュー一覧を見る
素朴な絵と文章で描き出された2000年代初頭のアイドル好きサブカル男子たちの青春群像劇。個性的な登場人物のいわゆる「バカ男子」ものとしての面白さ、そして当時のアイドルの現場にいるファンのヤバさや、主人公たちが結成する「恋愛研究会。」のイベントのノリ、現実の人間関係に端を発したmixiでのトラブルなど、当時の空気がありありと蘇ってくるような描写にクラクラする。石川梨華さんの卒コンでの下らなくも暖かいエピソードと、だんだん仲間と距離が離れていく青春の終わりのような切なさに泣ける。
あと、これは作品の問題ではなく、世の中の変化の結果だと思うけれど、登場人物たちのホモソーシャル集団の悪ノリ、主人公の思い人やメンバーの彼女に対する扱いの酷さ、ホモフォビア、笑える「スケベなエピソード」として紹介されるエピソードが今の感覚だと「性暴力では…?」と思えるような箇所もあった。でもこれは、当時はマジでこういう感覚だったかもしれない、とほぼ同時代を生きた身としては思う。そういう意味でも、なんだか切ない気持ちになった。
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神聖かまってちゃんのマネージャーのかたの昔の話をマンガと文字とで綴った一冊。
ハロプロにはまってアイドルファンのみんなといろいろと面白いことをしたり、エロいこともなどなど青春物語です。
最後はしんみりしてしまう最後で、泣いてしまいました。
イーストプレスの方からいただきました、ありがとうございました。
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道重卒業、ベリロスを超えて迎えた今年のひなフェス。今や、ハロプロは多幸感カンブリア紀と言えるような新しい次元に突入しているように感じます。サイリウムを振る歓び、推しを語る歓びがヲタだけのものではなく、どんどんメジャーなものになっていき、そいて滅菌されていくプロセスに立ち会っているのかも。だって自分のようなジェネレーションも恥ずかしげもなくハロプロにハマっていえるんだから。しかし、どんなにハロプロが芸能としてのメインストリームに近づいていったとしても、その本質がヲタたちの熱く、狂おしく、楽しく、哀しい、暮らしに根ざしていることは不変なのだと思います。男子は自分が、特殊で普遍で弱くて強い存在であることを同じ太陽を見上げる仲間と繋がることで知る。そう、ハロプロは社会の底が割れて自信が持てない男の子たちの太陽。「女子かしまし物語」という輝く星の裏側には「男子かしまし物語」がいつだってあるのです。
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なんかハロヲタの人って想いと比例してキャラが強いイメージあるけど(あくまで個人の感想です)すごく魅力的な方が多いのも事実で(元を含む)ハロヲタには好きな人がたくさんいる、筆頭は杉作J太郎さん。
余談:以前フジテレビで放送していた「真夜中」という番組にJさんや豪さんが出た回での指原莉乃さんの本物っぷりに一気に好感度が急上昇した。
この本は著者の劔さん(後にJさんの男の墓場プロダクション入りする)が所属した関西の「恋愛研究会。」というハロヲタ達のあまりにもバカバカしくあまりにも羨ましい「あの頃。」が描かれている。
誰しも思い返すとなんとも言えない感じになる大切な「あの頃。」があると思う、そしてそれは永遠に続くような気がしている(もしくはそんな事はそもそも頭にない)が実は微妙なバランスの上に成り立っていて呆気なく崩れ去ってしまう物でもある。
自分の「あの頃。」を思い出すと…
あまりにもたくさんの想い出と感情があるけど、なんとか続かせたかったなぁ(無理だけど)と思う。
映画、今泉監督だから楽しみではあるけど、どうなんだろう?見るけどね!
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松浦亜弥のおかげで一歩を踏み出せた人。どん底の生活でも、気が変になるくらい夢中だったから、毎日楽しい。それでいいんだよな。
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映画を観る前にKindleで購入して読了。
漫画エッセイなので紙の本の方が読みやすいです。
世代は全く違うのですが、あの頃のモーニングに熱狂したおじさま達を元々面白いなとおもってウォッチングしていたこともあり、自分も現ハロオタということもありで気になっていた作品です。
なぜ人はアイドルにハマるのか、、ここはもう私よりも有識者(?)の方々が語り尽くしているから何も言うことはないのですが、何が始まりかはさておき推しができると推しに恥じない生き方をしようとするのがオタクなのです。剱さんの人生をかえたハロプロというところはまさにそこかなとかんじました。わかりみが深い
ただ、厳密にはハロプロがきっかけだっただけでハロプロの話ではないんです。ハロプロがしてくれたわけではなく、結局は自分たちがどうしていったかの話です。なので現代で見るとおやおやと思う内容もありますが、事実だし、それを隠さず(少なくとも剱さんはそれを良しとして世間に発表しているわけではなく、人間性を正しく伝えるためにそのまま書いていると思いました)あの頃。について書かれている事で、読んだ側も自分のあの頃。を懐かしめるような本だなと感じます。