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千早茜は、やはり独特の世界観を感じた。
この人の作品に共鳴する自分に、ああ私、病んでるんだなと自覚させられて、ぞっとする。
仄暗い闇の部分を呼び覚まされる感じがする。
彩瀬まるの作品も結構好きだった。
始めて読んだけれど、こういうあっさりした雰囲気は好きだ。
略奪愛をテーマにした官能小説アンソロジーってことだったけれど、特に略奪って感じでも官能って感じでもなかった。
恋愛とは、身体とは、心とは、一体なんなのか。
そんなことを思わせる作品集だった。
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16/02/07
彩瀬まる氏の『かわいいごっこ』が読みたくて。
・死って最高の略奪じゃないかと思う。私は彼の死ですべて奪われてしまったもの。 (P81 夏のうらはら)
・弘樹は言葉を切ってこちらの反応を窺っている。私が「もう別れるってこと?」だとか、「弘樹が帰ってくるまで待ってる」だとか、そんな風に卵の始末の仕方に方向付けするのを待っている。いつも自分の主張だけ宣言して、後始末や調整は他の誰かがやってくれると一点の曇りもなく信じている。(P114-115 かわいいごっこ)
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宮木さんのが読みたくて。
略奪愛というテーマのアンソロジー本ですが、どろどろした感じは皆無でしたので少し物足りなかったです。
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ここでレビューを見るまで実は略奪愛がテーマと気付かなかった・・・言われてみれば、ああ確かに。
どの話も心理的に理解できる部分はあるものの、どの話も終わりに近づくにつれ正直ちょっと気持ち悪かったです。したことないからわからないけど、それが略奪愛ってものなのかしら。
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奪ったり、奪われたり 。
なかなかバラエティー豊かな5編ですが。
オンナの 打算的ないやらしさ、
狡猾なしたたかさが、本から溢れ出て。
なんだか、登場人物全てに共感できず…
特に 最後の2編。
☆花房観音 「それからのこと」
"奪ってほしい" その一瞬だけに
生きていたい人妻 なんて、
男の人が読んだら ドン引きだろうな。
☆宮木あや子「蛇瓜とルチル」
初々しいスターの卵たちを、
男に育てる衣装さんってのも、、、
それ 捕まるギリギリ。きっと(笑)
現実にあったら…いや、ないコトもない?
そんな 触れてはいけない棘 に要注意!
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R-18文学賞を受賞されている方が3人もいるだけあって・・・な小説でした。窪美澄さんの「朧月夜のスーヴェニア」の最後の一行がなんか怖かった。
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文庫本が発売されて「あなたを奪うの」というタイトルになっている。文庫本の改題は正解だったと思う。
男性に愛して欲しくて、愛したくて、言葉では言えない女の衝動をとても感じる作品ばかりで、私は好き。
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もっと厭らしい感じの作品ばかりかと思っていましたが、下品さはなかった。
二作がなかでも突出してよかった。
「朧月夜のスーヴェニア」窪美澄
どんな意地の悪いばあさんの話かと思いきや、読み終わった頃にはすっかりしんみりしてしまった。戦時中は実際にこんな叶わぬ恋や愛する人との死別も沢山あったのだろうなぁと思い、ノンフィクションのように感じた。本作が一番ドキドキした。
「かわいいごっこ」綾瀬まる
弘樹とこのまま上手くいくのかと思いきや、、すれ違い、あっけない別れをした時は自分が若菜に感情移入していることに気づいた。
男性の自分では決断ができない、人任せな感じ、すごく経験がある。それ故でもあります。
ラストの文鳥のツンデレっぷりにもっていかれました。
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女性作家による短編集。
窪美澄さんと宮木あや子さんは存じ上げていたが、他の方の作品は読んだことがなかった。
5つの作品のうちで一番印象に残ったのは、花房観音さんの「それからのこと」。
夏目漱石の『それから』からヒントを得たのでしょうか? 大輔という男性と三千子という人妻が出てきます。結婚してから構ってくれない夫に物足りない三千子が、大輔と恋仲になるのはわかりますが、離婚して結婚してしまうとは……。結果は火を見るより明らかだと思うのですが。女も男もバカだなぁと思いつつ、よくありそうな話と感情移入しちゃいました。
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どのお話も良かった。粒揃い。
毒は強いけれど闇が深くないのも良いです。恋愛小説にキュンを必要としてないのでこの空気が落ち着きます。
好きな女性作家さんばかりだけれど、女性視点の話ばかりではなくて男性が主人公のお話があるのもバランスが取れていていい。
経験するとキツそうなお話ばかりだけど、この感覚はわからなくもないと思うので恋愛ってこういうもんだな…となるのはもう若くないです。
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略奪愛をテーマにした恋愛官能小説集。
窪美澄さんの『朧月夜のスーヴェニア』がすごく印象的でした。
戦争に行った許嫁が不在の間に別の男と恋に落ちる。
その男は許嫁とは正反対のタイプ。
許嫁がいるから拒んでいたが、心のゆらぎには抗えない。
どんどん空襲が激化し、周りの人たちが死んでいく。
明日の命も定かでは無い日々の中、心も身体もその男のものになっていく様が生々しかった。
墓場まで持っていく恋愛ってありますね。