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“「この虫、嫌い。」「そう?
あら、オロール……なんで泣いてるの?」
「…わかんない」”
待ちに待った日本語訳。
少女の死体に住んでいた小人達の話。
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少女の体内に潜む小人たちが大自然に飛び出し、悪夢が始まった! かわいすぎるスタイルとまるっきり矛盾する残酷な物語。フランスBD界話題のデュオ、ケラスコエット、待望の本邦初訳!
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森で死んでいる幼女の死体から出てきたエルフやドワーフのようなキャラクターが少しずつ死んだり食べられたり殺されたりして減ってゆくという話。死んだ女の巨人(キャラクター視点からみれば巨人)から数多のキャラクターが生まれるという創世神話的なモチーフで、神話として見れば残酷な描写もそれほど気にならない。もう少しリアルな目線で読むと「蠅の王」のファンタジー版のようにもみえる。「おやゆび姫」のようにネズミと社交する主人公。クライマックスからラストシーンは、含みがありそうだがよく分からないオチ。
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可愛い絵柄とは裏腹に、とても残酷な話です。
ただ話を追って読むと一つの物語のように思えますが、一つ一つの描写に注目すると、様々な物語が見つかります。何度も何度も読み返したくなる作品です。
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<フェアリーテールの『蝿の王』>
フランスのバンドデシネ(BD)である。タイトルが暗示するように、相当に強烈である。
トラウマ的とも言えるので、プロローグでダメだと思ったら、やめておいた方がよいかもしれない。しかし、プロローグを読んでしまったら、え、これはどうなるのか、と読まずにはいられなくなる危険性はありそうだ。
無邪気ともいえる絵柄で描かれる、ぞっとする世界観。時折混じる、写実的で圧倒的に「うまい」絵。
生と死。その境界。
善と悪。その境界。
光と闇。その境界。
美と醜。その境界。
かわいいとグロテスク。その境界。
それらがそれほど確固たるものなのか、ずっと揺さぶられ続けるようでもある。
生理的に攻めてくるエピソードも多いので、長くはない話だが、精神的にかなり消耗する。
物語の設定が完全に説明されるわけではなく、多くの部分は読者の想像にゆだねられている。だが、簡単にいえば、これは普段は人の体の中に住んでいるらしい「妖精」たちが、あるとき突然、住処を失ったことによる、サバイバルストーリーだ。そしてそのサバイバルは決して清く明るいものではなく、多分にゴールディングの『蝿の王』を思い出させるものである。しかも、おそらく、主要登場人物が「女の子」たちであるがゆえに、元祖『蝿の王』よりもさらにえげつなく残酷だ。
途中に出てくる蝿のアップは羽音まで聞こえそうで、ベルゼブブ(これ、きっと名前の元に擬音が入っているのではないかと・・・。どうなんだろうか・・・?)を思い出す。
ハッピーエンドと取るか、人にもよりそうだし、読むときにもよりそうだ。
ある意味、残酷な幕切れだけれど、結局はおとぎ話の多くは、残酷なものではないか、と思わぬでもない。
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どこかの美しい森。小人(妖精)たちは平和な暮らしを享受していたが、ある日、寄生していた少女の死体の腐敗が進み、外界へと投げ出される。ここから、安住の地を失った小人たちの壮絶なサバイバルが始まる。
暖かで優しい色づかいや絵本のような可愛らしい絵柄とは裏腹に、物語の底には無邪気で残酷な死が横たわる。決して後味がいいとは言えない本書は、フランスでは「まるで未確認飛行物体のように受け入れられた」という。バンドデシネとはフランス語圏を中心とした漫画で、邦訳もいつかあるが、そのどれとも似ていない斬新な一冊。
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死んだ女の子の体から出てきた「かわいい」キャラクターたちのうす暗いストーリー。
キャラクターたちのポップな可愛らしさと、背景の写実性がギャップを生んでいる。
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凄い。何が凄いって、メンヘンの持つあどけなさと残酷さを、淡々と、でも容赦なく描いているところ。幼い頃の悪夢を大人の目で見つめ直すとこうなるのかも。
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学校の図書室にての読了。まさか3000円もする本を買ってくれるとは思わなかったが買ってくれたウチの高校にまず感謝します。読み終わった後になんとも言えない感情になりました。感動する話じゃなかったけどある種の感動を覚えました。とにかく凄い。色々と読み手によって解釈が変わってくる作品なのでなんとも言えませんが主人公であるオロールはあの少女そのものだったんだろうなと感じました。(少女の私物に書いてある名前を見て私の名前だと言ったところなどを踏まえて)そして少女の体が腐っていくのを見て泣くオロールのシーンはなんとも言えませんでした。 そしてどんどん残酷になっていく小人たちの世界を見てるとグリム童話のように現実は甘くないのだということを痛感させられました。 そして仲間の小人たちを焼き殺したオロールの表情がたまらなく好きでした。
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これはおもしろい。ひさびさに当たりの海外マンガ。
森の中で暮らすかわいい小人たちの物語なのだけど、実は少女の死体から這い出してきた者たち。少女の死体が腐敗し蛆に食い荒らされていく横で小人たちの生活は営まれ、そしてそれも互いの無邪気な悪意によって崩壊していく。
可愛らしい作画とグロテスクなシチュエーションのバランスがとてもいい。
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少女の中で住んでた(?)小人たちが少女の死をきっかけに森に飛び出して生活をする話。
かわいい闇?おもい闇の間違いでは?と思うくらい闇が深い。闇に沈んでいく読中感がクセになるくらい良い。残酷なまでの無邪気さと少女の遺体の損傷、様変わりする小人模様にどんどん黒い物が溜まっていく感じがする。
主人公であり優しく面倒見の良いオロールが純粋だからこそ闇へと転がっていくのが辛くもありそうなるだろうと共感も湧く。恋人に裏切られ、優しくしていた相手には陰口を叩かれ、誰かのためにと動くも裏目となり、逃げ出した所にまで押しかけてきた奴等に友人を殺され居場所を奪われる。
そりゃ、ラスト奴等を殺すという選択も取るよなと思うけど、その選択をしたオロールの表情が印象的。