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認知症について体系的にまとめられていて、初心者が読み始めるには最適な本。とてもよく理解できた。著者は新聞記者なので、文章のうまさはもちろん、取材も申し分なし。
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「認知症の正体」の著者・飯島裕一さんの最新刊.信濃毎日新聞編集委員.
1.母の発病:「年相応に呆けることは,それはそれで幸せかも」「老いたら,もう自立はいいのだ」「”ぼけ”ということばは悪くない」⇒すべて同感
2.早期受診の大切さ:
表2「注意したい認知症のサイン」p.36, 表3「家族のための認知症チェックリスト」p.37⇒使えそう
「もの忘れ外来」のある病院はお勧め=それなりに世間には認められているという実感
3.ところで認知症とは:
復習.アポリポ蛋白E=cholesterolなどの脂質代謝に関わる酵素.2,3,4型があり,4型では脳にアミロイドβが溜りやすい.
”悪質商法に引っかかる”というのは,中核症状のうち”理解・判断力の障害”による
もの盗られ妄想のメカニズム:どこに置いたか忘れる(記憶障害)→盗まれたと思う(判断力の低下)→あんたが盗った(妄想)
”嫉妬妄想”は「妻に捨てられるのでは」という不安から,男性に多いと
表6「認知症をよく理解するための9大法則」p.86=これも使えるかも
4.検査と診断,告知の難しさ
5.認知症にはさまざまな病気がある
アミロイドβをアミノ酸に分解する酵素=ネプリライシン
ADの病態=Aβが一定以上蓄積すると病気のスイッチが入ったようにタウの蓄積が始まる⇒Aβの沈着を防ぐ=発症予防の意味あい,タウに関する治療は治療薬の意味あいか
図7「αシヌクレインが大脳に溜るのがDLB,黒質に溜るのがパーキンソン病」=分かり易い図である.p.153
MIBG心筋シンチの解説.MIBGはノルアドレナリンに似た物質で,交感神経が正常に機能していれば心筋に取り込まれる.DLBやParkinsonismでは自律神経に障害があるので,心臓にMIBGがほとんど集積しない
AD, DLBは沈着する異常蛋白の種類が決め手で,どの部位に溜るかは問わない,FTLDでは蓄積する蛋白の種類は問わない=タウでもTDP-43でもFUSでもOK,たまる場所が大切=前頭葉と側頭葉ということ.FTLDは”脳の変性部位”にもとづく疾患群である
FTDとSDの症状は,一部をのぞいて同様(=”〇〇って何ですか?”がSDだけ,ALSに似た運動障害はFTDで)
密接な関係:DLBとパーキンソン病,FTDとALS
VaDとADの患者の印象:ADは(取り繕うからか?)仲睦まじく談笑=女性の井戸端会議の印象,VaDは若いころはエライ人の印象,プライド高くて孤高を生きる(?)
6.認知症の予防
ADの危険因子.RiDE2HOT(Risk factor: DM, Exercise↓,Education↓,HT中年期,Obesity中年期,Tabacco)
cortisolは stress hormone. これを出すようにはたらくストレスは避ける
ポリフェノールとは…ほとんどの植物に含まれる,渋み・苦味の成分で,植物が光合成をするときに出来る物質の総称.抗酸化作用=活性酸素を除去する.
ポリフェノールのひとつ・ミリセチンは赤ワインなどに含まれる.クルクミンはカレーのウコンに,カテキンは緑茶に
咀嚼=噛むことはよいこと.
表14「健康老人12ヶ条」これも使えそうp.237
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著者はお医者さんではなく、あくまでジャーナリストではないので、そこは注意が必要
概ね分かりやすい内容だったがトンデモもやや散見された
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医師ではなく医療記者である筆者の言葉のせいかわかりやすい。認知症とはどういうものであるかから、患者との接し方また予防法まで書かれている。
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認知症の分類
AD:アミロイドβの沈着(老人斑)→タウタンパクの蓄積(神経原線維変化)
レビー小体型:αシヌクレインの大脳皮質での沈着
パーキンソン:αシヌクレインの脳幹での沈着
ALS:TDP-43の脊髄での蓄積
AD進行抑制薬剤は4種類。
アリセプト、レミニール、イクセロン(リバスタッチ):コリンエステラーゼ阻害薬(アセチルコリン増強)
メマリー:NMDA受容体拮抗薬(グルタミン酸抑制)
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認知症について、概説を一冊と思って読んだが、Web記事を幾つか読めば足りた。現在の認知症研究や課題について、書くと言うより、世間で一般的に言われていることをそのまままとめた感じ。概説を読むつもりだったんだろうと言われれば、それまでだが。