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上甲氏もついにここまで中二設定かと、最初は気乗りしなかった。デビュー作からのファンとしては、無理のない範囲で、しかし緻密に計算された設定こそが彼の表現の素晴らしい点であると思い込んでいたからである。
読み始めて数分と経たないうちに、彼の良さは一つも変わっていないことを思い知らされた。主人公・こまりも、確かに上甲ワールドの一員であった。繊細かつ華麗な人物像、話の作り込み、そして細やかな心理描写に、時間が経つのも忘れてのめりこんで行った。さらに、これも上甲ワールドのすごいところで、大変濃厚な内容であるにもかかわらず、数時間あれば一気に読み終えることができる。絶対に読者を飽きさせないのだ。
今作の大きなテーマには、昨今ネット上で密かに流行している「ひとりかくれんぼ」が取り上げられている。ミステリーを読んだことがない、ネットの都市伝説が好きな人にも是非おすすめしたい一冊だ。
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JCって……「女子中学生」なのかあ(笑)。でもキャラ萌え満載のミステリではありませんでした。かなりしっかり硬派な印象です。
都市伝説「ひとりかくれんぼ」実証の最中に起こった殺人事件。犯人は幽霊なのか、人間なのか? 科学捜査が出張ってくるので、そりゃもう人間が犯人に決まってるでしょ!という前提では読むものの。……雰囲気はかなりじわじわと怖いです。
そしてさまざまな科学捜査を用いた捜査。次々解かれる謎。なんといっても「窓ガラスの幽霊」が凄いなあ。解明もだけれど、やはり何かしら因縁めいたものを感じて恐ろしくもあったり。
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書店で目に止めて、JC・天才少女・科学捜査・ミステリーというポイントに目をつけて衝動買い。
橋が好き・コーラが好き・見たものを一度で記憶できる。
親の事情で海外移住、地元大学を飛び級し大学院にて法科学を修める。
指紋検出に関する論文で注目を受けて、FBI科学捜査研究所の研修制度に特例として採用。
日本警察と連携が図られ人材交流の名目で日本に戻った帰国子女。
事件は大学のキャンパス内でひとりかくれんぼの検証中に超心理学研究部所属の女性講師が殺されるところから。
主に登場するのは同大学のオカルト肯定派と否定派の教授、その協力でオカルト検証番組を作った放送局のスタッフ、
そして科学捜査研究所のメンバーと協力する刑事、その他諸々。
証拠採取と鑑定、報告を経て事件に関係するとされるオカルト検証番組の録画も証拠として視聴することになります。
この番組内容が割りと怖かったのは読んだ時間帯が同じ深夜だったからだろう。
タネを明かせば「まぁそうだよな」ってなるけど体験したらトラウマレベルの企画だと言える。
ある程度容疑者が絞られるのだけど、決定的な証拠はないにしてもあからさま過ぎて逆に犯人には見えなくなってしまっている。
そして真犯人も確かに冒頭から登場してはいるけど、読者が推理するのは多分不可能。
意外性というより、帽子に鳩を入れて隣においた檻から熊が出てくるみたいな感じ、よくわからない。
さらに犯人に至る重要な証拠が一番オカルトというなんか身も蓋もない結果に…
一度被疑者が逮捕されるも疑問が拭えず、証拠採取の為一人奮闘する天才少女と手伝わない大人達。
まだこの段階で真犯人はわかっていないので、展開的にここで一人になると襲われるのではないかと思ったがそんな事はなかった。
真犯人の動機から逆算すると可能性としては少ないのだけど襲われたほうが(展開として)面白いかなと思いながら読んだ。
またこの動機がすごくつまらない。そんなもんだと言われればもう言うことも無くなってしまうが。
少女の設定に関して、オカルトを科学でぶった切るのに相応しく地に足の着いた比較的無理のない設定だとは思う。
ただこの内容で天才女子中学生である必要性はないと思う人は少なくない気がする。
そんな訳で自信を持って人に薦めたい本かというとそれはない。つまらなくはなかった。
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科学的な内容が大半を占めていたので、科学に興味のある人ならとても楽しめる作品だなと感じた。内容としてはもう少し赤星とこまりのシーンがあったら面白かったのではないかと思う。科捜研のメンバーはそれぞれ特徴があって面白かった。しかしメンバーの一人の流王の過去が伏線みたいに書かれていたが、結局それが何だったのか気になる。
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独り飲みのお供に何か気楽に読めそうなものを、
と思って予備知識ゼロで古本屋にて購入。
が、タイトルと表紙の萌えキャラ系の割には
意外にも(失礼)真面目な内容(^ ^;
惜しむらくは、キャラが全然活かせていない。
この内容で、このストーリー運びだったら、
主人公が「天才女子中学生」である必要が無い。
「コーラ好き」「大きな橋が好き」などのキャラづけも、
本筋の進行に全く関係が無いのがもったいない。
周りの科捜研のメンバーも、ドS姉御キャラとか
オカマとかディープなオタとか、設定だけはされてるが
それが「そのキャラでなければならない」理由がない。
いや正確に言うと、トライした形跡は見えるが、
完全には生かし切れていないということか。
こういう「配役」をするのなら、
きちんと全員のキャラを活かして欲しいし、
このままのストーリーなら余計なキャラづけは
しない方が読みやすいのでは。
ストーリー展開はしごく真面目で、
「一人かくれんぼ」「窓に浮かぶ幽霊の写真」など
オカルトっぽいネタを扱いながら、
それを解明していく科学的・化学的アプローチは
細かいところまで「現実味」があって○。
が、その分ややセリフが説明くさく不自然ではあるが。
いろいろ書きましたが、独り飲みのお供としては、
普通に楽しく読めました(^ ^
ただもう少し整理すると、もっと良くなるかな、と。
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天才的なJCが活躍する という点だけが特筆する箇所。あとは、どこかで読んだことのある話 という印象を否めない。
肩肘張らずに読めるので、時間つぶしにはOK。
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こまりの設定は良かったが、他の捜査官の印象が薄い。
都市伝説が好きなので手に取ってみたが、「ひとりかくれんぼ」という題材も活かしきれていない気がする。
真相も意外性を持たせたかったのかもしれないが、怪しそうな人が犯人ではないというのがまるわかり。次作に期待。
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博士号を持つ十四歳のこまりがFBI科捜研の特別研修生として心霊現象にまつわる不可解な事件の謎に迫る。人形を使った霊の呼び出しが科学的な捜査のお陰で怖くなりすぎなくてほっとした。専門用語の多さやラノベっぽいノリも段々慣れた。()で語られる方言訳が冷めてしまって苦手だったけれど登場しない間は引き込まれた。
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面白かった!わたしは好きなジャンルでした。オカルト好きで、CSI好きなかたならきっとハマると思います☆途中、色々な説明文がちょっとウザかったけど、そんなに気にならず。犯人は分からなかったけど、窓ガラスの写真トリックはどこかで聞いた話かなと。最初のひとりかくれんぼ実況中継はちょっと怖かったです。 それにしてもあんまりレビューの評価が高くないのが不思議。面白いんだけどなー続編も読みたいです☆
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ふむ、科学ミステリーらしくあった作品だったと思う。その分説明くさくなるのはまぁやむを得ない。
コロナワクチンの副反応にやられながら読んだので(笑)、どこか読み飛ばしちゃってるのかも知れないんだけど、今回の真相は読み手にも正しく導けるほどの情報が出されていたのかちょいと疑問。ミスリードがあったわけではないし、叙述トリックが使われたとかそういうことではなく、単純に情報が足りないんじゃないかと。トリックに不満はないけど、あー、騙されたーとかもないから、なんか物足りなさを感じた。次作を読むと印象は変わるかなぁ。
あと、ギフテッドの子どもについてはよくわかんないんだけど、情緒的にも大人になってるんだろうか?研究のために徹夜をするくらいはあったとして、人間関係の機微とかそういうことに対しても、常人より成長が早いんかな。今回、澤田先生と被害者の関係性への洞察とか、それなりに鋭いわけだけど、そんなこととかも本で勉強するのか。それとも大学のような10歳くらい上の人たちのコミュニティにいれば自然と学べるようになるのか、ちょっとわかんない。そのあたりにキャラ設定に難しさを感じなくもない。
関係ないけど、こうした地方が舞台の物語では時々思うんだけども、言葉の問題をどう考えるべきなんだろうね。神戸が舞台の割にほぼ関西弁がでてこなかった。一人だけ播州弁の人がいただけ。ほとんど関西じゃないところから集まったのだとも言えなくはないけど、一時期関西に住んでた人間からすると、まぁそんなことはないわなーと(笑)。科捜研のような研究者気質の集団は別として、関西から東京へはいっても、東京から関西来る人ってそんなに多くはない。でも必要以上に標準語じゃないセリフで適切に表現するのは難しいだろうな。