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宮部みゆきさんの、時代小説は、子供がいい。
この本に出てくる子供たちも、とても魅力的だ。
そして、その子供達を暖かく見守る大人達も素敵だ。
「ばんば憑き」は、このままでは済まない感じで怖かった。
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読んだことあるとおもったら ばんばつき の文庫版でした。ハードを買って無くて良かった。宮部さんの怪し物語はどれも面白い作品ですがこれも例に漏れず。また長編が出ないかな
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宮部みゆきと京極夏彦は話し合いをしているのかと思うほど響き合いつつも、違う世界を描くものだと毎度思う。京極世界では常に妖怪も幽霊もいない。しかし宮部世界では実在していることが多い。
この本では妖怪は実在している。本当にいたら面白いのにな、と思わせてくれる。
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江戸を舞台にした6篇の短篇集です。もののけ(お化け)が出てくるのでオドロオドロしいように感じられるかもしれませんが、作者のもののけへの慈しみや、江戸時代への憧憬が感じられるので作品ごとにほっこりした気持ちになります。また、全く聞き覚えのないもののけばかりなので新鮮です。 過去の作品の登場人物が出てきますが、本筋には関係ないので読んでいなくても全く問題ありません。
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宮部みゆきのお文の影を読みました。
江戸時代を舞台にした怪奇譚の短編集でした。
妖が現われて人々に害をなす、というテーマが多かったのですが、その原因は人間の悪行だった、というオチになっているのが宮部みゆきらしいと思いました。
この小説はそれぞれが独立した短編集だったのですが、連作短編集だったら登場人物たちに思い入れができるのになあ、と残念に思いました。
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裏表紙のあらすじを大して読んでなかったので、政五郎さんや青野先生が出てきた時は嬉しかった〜!お久しぶりです、というかんじ。
お話としては、ばんば憑きが面白い展開だったなあ。
お文の影は切ない。野槌の墓も似ている。
残りの3篇は丸く収まるのでほっとする。
博打眼の阿吽さまがほっこりして好き!
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ぼんくらシリーズの政五郎親分が出てくると聞いて購入
江戸下町の人情と、こどもの視点と、オトナの寂しさと、もののけの話
子供の視点に降りることができるオトナの人はとてもいい人だと思う
「博打眼」の竹兄と、「討債鬼」の若先生が好感もてて好きだった
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作者お得意の江戸の怪談話の短編集。2011年2月に「ばんば憑き」として出版された本書が珍しく3年半もかかってやっと出たと思ったら、何故か他の短編の題名を本の表題に代えて出された。
何処か物哀しく、何処か情深い。私は前回や今回の表題作よりも、次の二作がお気に入り。
「博打眼」
上手い、と思うのは博打眼の作り方。「それ」が必要になった土地の悲しい話も、「それ」を作る主体の人間の話も、遠く江戸の人間には失われている。その「悪意」はどうであれ、広がらないための人間の知恵と「狛犬」という神様の領域の知恵の共同作業で、身にかかる粉だけは振り払ったという話。宮部みゆきは、その元凶の元凶を求め、構造的に「変革」しようという意図は、これからも起きないと思う。身の丈に合った話しか作らない。だから、リアリティがある。
登土岐という土地の名前は宮部みゆきの創作かもしれないが、登土岐語は、おそらく何処かの東北の訛りをそのまま使っているのだろう。まだ読んでいないが、「荒神」に繋がる一作なのかもしれない。
「野槌の墓」
20匹ぐらいの物の怪が出て、百鬼夜行とは言えないまでも、かなり楽しい一作。柳井源五郎右衛門さんのキャラが立っている。また登場して欲しい。
「お文の影」には「ぼんくら」シリーズの、「ばんば憑き」には「三島屋」シリーズのサブキャラが登場している。マア楽しいオマケではある。
2014年9月1日読了
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夏に読もうと思って購入したのに、何故か後回し。時を逃したと今頃(9月)読みましたが、かえって正解だったようです。夏の名残りから秋の哀愁を感じる今の季節に読むのにふさわしいと思いました。表題の「お文の影」は月の光に照らされて出来る影だから、月が綺麗に見える頃がいいし、他の話はどんどん寒い冬に向かっているから。
ゾクッとする怪談ではなくて、人情味ある物悲しいお話しでした。
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発行済の「ばんば憑き」の、改題ということで、騙し討ちだとレビュー上では評判はかなり悪い。
しかし、中身は秀作揃いであることは変わりない。
私の場合ハードカバーで購入したが、貸した相手が会社を辞めてしまったので回収できてないので、わたりにふねだった。
つまり、何度読んでも面白い小説集なのだ。
そして、前回は表題作をばんば憑きにしたのは少々もったいなかったのではないだろうかと思う。
ばんば憑きは、女性の愛憎悋気の醜さ、男の弱さが描かれた後味の悪い物語だった。
確かに他の話に比べ、頭一つ抜きん出た物語だとは思う。
最初と最後で主要登場人物への目がガラッと変わる。ぞっとするような不可解さもいい。サイコスリラーとしても読める。
しかし、他の話は「坊主の壺」を除き、どちらかというと子供が絡んだ優しく切ない話揃いだ。
ぼんくらシリーズの政五郎が出会う怪異譚「お文の影」は、別の本に収録されている「灰神楽」の続編だが、子供達の影踏みの中に影が一つ多いということで悲しい子供のたったひとりの「友達」のことが語られる。
優しい「さあ爺」の言葉に救われるが、子供のことを考えると哀れ過ぎる。
それを「博打眼」の元気な女の子の話が明るくしてくれる。
怪獣譚だが、子供を助けようとする政吉さんや竹兄の優しさ、父親の誠実さに怪獣誕生のおぞましさがかなり和らげられる。
次の「討債鬼」は三島屋シリーズの青野さんと行然坊の話だが、うまく収まったとはいえ、とある登場人物だけがなんの頑張りもしないでしゃあしゃあと利を得る結末がけったくそわるい。
はっきりいって、あの人だけは続編でひどい目にあえばいいと思う。
他の人が基本好い人揃いだから余計ムカついた。
そして最後は京極センセーがオブザーバーについたのか妖怪から便利やさんに仲間の妖怪を退治してくれるようにという依頼。
途中拍子抜けした部分もあったが、ラストシーンで納得した。
そして、この作品中、約3本、子供の虐待が絡む話がある。
婦女暴行も2件あったが。
宮部みゆきの書き方はエグくはないが、凄惨だ。
そして、ここ数日ニュースを賑わしている忌まわしい事件を観て、報道がどこまで真実かは分からないが被害者の子供が彼らに重なる。
自分の都合でもてあそんだり、八当たりしたり、邪魔扱いにする大人。
妻を亡くし、男手ひとりで娘をそだてている源五郎右衛門、従業員含め家族として助け合う誠実な善一、望まぬ男との子供を命懸けで守る儚げな吉乃、皆が皆、そんな親の元大人たちの間で育っていく幸運に恵まれるわけではない。
宮部みゆきは子供の虐待を時々取り上げる。
同時にそれを怒り悲しむ人に自分の言葉を代弁させるかのように書く。
この小説集の表題作が変わることで、また違った読者が読んでくれたらよいな、と思う。
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単行本『ばんば憑き』の文庫化。
アマゾンレビューは騙された!という評価が多いですが、改題して別の出版社から新作のような顔で発売されたことに対しての不評です。
この文庫ではじめまして、だった自分には、どのストーリーも、人の情とか優しさ、また人の世の怖さが味わい深く表現されていると感じて良書だと思いました。
でも、やっぱり今回の売り方はひどかったかもね~
新作が1つでも入ってれば別だったかもだけど…
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「別れるけれど、消え失せはしない。亡き人びとはこの世を離れて、だからこそ永遠のものとなるのだから」(384頁)再読。実家本。短編集。物語自体ら怖いとは思わなかった。身近なものが突然動き出したら怖いけど。いつの間にか引き込まれて読了。時代の人々が読んだ黄色表紙等を読んでみたくなった。当時はどんなあやしの話があったのだろうか。ともかく、さらっとすとんと収まって、しみじみとした読了感。著者の他作品を読み返すのもひとつの手。ごちそうさまでした。
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◆心に沁み渡る“怖いもの”の切なさと温かさ◆
九月の十三夜、月の下で楽しそうに影踏みをする子供たち。その足元に伸びる影は子供の数より一つだけ多かった。子供たちの前にぽつんとあらわれた小さな影。そこにまつわる悲しい因縁とは―
全六編の時代小説。著者の他作品ともつながりがあり、登場人物たちについ笑いが漏れてしまいました。どの話もゾっとさせられるだけではなく、人のどうしようもない切なさを感じられて、でもどこか優しく心にしみわたるお話です。
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宮部さんの時代物に描かれる子供たちは生き生きと愛らしくって好きです。だからそれだけに、「お文の影」でのお文の身の上が可哀想で読むのが辛かったです。「討債鬼」での信太郎も聡くいじらしいのに、その父親といったら!許せん。行然坊と、その妹もこれで幸せになれると思ってるのかしら?何だかもやっと感の残る決着でしたが、信太郎と母親にとっては良いのかも。
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怪談話ってどうかな、と思って読んだんですが人の念とは恐ろしいと思う一方で意外と本当にあったんじゃないかと思うくらい惹きつけられてしまいました。怖かったですけどね。